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戦輪の戦士  作者: KY
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領主の苦悩

少し短めではありますが、更新されて頂きます。

<領主館内>


領主の執務室には、領主と執事の男性が相向かいにいた。

執事服の男性が、領主に心配そうに話し掛けた。


「領主様・・・。 この度はどうなさるのですか?」


「・・・。 決めて事だ・・・。 我と200名の兵と共に往く・・・。」


「?!・・・シン殿に助力を頼まないのですか?」


「それはならん。 彼の自警団は戦力であると同時に住人だ。」


「領主様・・・兵達も・・・住人ですぞ・・・。」


「言うな・・・。 これ以上、迷わせないでくれ・・・。」


「主様・・・。」


領主様は新たに大きな戦力を有する男に対して、依頼をせずに悲壮の戦いに挑む決意をしていた。

彼はシンの知らぬ所で、新たな騒動が来ていた。

それは領地の西北にある軍国主義の帝国が、隷属国家を引き連れて攻めてくるというモノが、もたらせれていたからだ・・・。 その他にも領主を始めとした幾つかの領地の価値に食指を伸ばそうとしていた教会勢力が、帝国がその勢力を取り込んで彼らの領地にその軍勢を進めようとしている・・・。

彼らはそれを防ぐために自身の戦力を結集しようとしていた。


<ある宿営地にて>


ある平地にて、建てられた陣幕の中で複数名の男たちが集っていた。

彼らは志を共にした若き志士ともいえる男たちの会議だった。


「我らの戦力はいかほど集まりそうなんだ?」


「残念だが、ここにいる者たちの兵士や冒険者を含めても1万ほどしかない・・・。」


「それだけか・・・。 相手は?」


「帝国だけで3万。 騎兵や竜騎兵も5千は下らない・・・。 教会勢力は不明だが、3千はいると思われる。」


「1万対3万3千・・・。 希望が見えないな・・・。」


「だが、立ち向かわねばなるまい・・・。 しかし、我らだけでは・・・。」


この会合での結果は出ないままだった・・・。

抵抗するための連合としての決意表明をしたのみで終わったが、不退転の決意のもとで彼らは出陣していくのだった。 守るべき者を守るために。 


<領主サイド>


「では、行ってくる。」


「はっ、いってらっしゃいませ・・・。」


送り出す執事は出来るだけ表情を変えずに送り出してくれた。

メイドたちは顔を上げた時には平静を装っていたが、頭を下げていた際は涙を流していた。 それは領主様がそれだけ信頼されている証拠ではあった・・・。

領主はあえてシンには何も告げずに旅立った・・・。

シンはそれを知らずに領主様に用事があり、領主舘へと訪れた。 


「シンです。 領主様に面会をお願いします。」


「少々お待ちください。」


門番はあえて黙って執事へと取り次いだ。

彼らはあえてシンを屋敷に招き入れ、もてなした。

しかし、待てど来ない領主様に執事に聞いた。


「執事殿、領主様はいつお越しに?」


「領主様は・・・来ません・・・。」


「はっ?どういう意味ですか・・・?」


「口止めをされていたのですが・・・申し訳ありません。 お願いがあります!」


「「「「お願いします!!」」」」


執事の男性がシンに向け、土下座した。

突然の行動に驚いていた所、入り口が突然開き、メイド数名も執事と同様に土下座してきた。

口々に領主様の救援を異口同音に訴えた。


「・・・。 皆さんの意見は分かりました・・・。 ですが、自警団は出せません。 すいません。」


「そんな・・・!!」


「どうしてっ?!」


「・・・。 我らも助けたい・・・。 ですが、彼らは元は人によって地獄を見た者達です。 感情的にも、無理は言えません・・・。 分かってください・・・。」


「それでは領主様は?!」


「我らが行きます。 アニスとヤニスの2人は、私の奴隷ですので従って貰いますよ?」


「「勿論です。」」


「ですが、3人では・・・。 残っている者の中から選抜してつけますので・・・。」


「それでは守備の兵力が減ります。 それに必要はありません。」


「しかし、それでは・・・!」


「大丈夫。 策はあります。 その代わりにお願いがあります。」


「お願いでありますか?・・・伺いましょう。」


「旗を。 領主様の旗を予備の物はあるでしょう?それをすべてお貸し願えますか?」


「旗を?畏まりました。 すぐに用意します。 すぐに取り掛かりなさい。」


「「「「はい!直ちに!」」」」


土下座をしていたメイド数名は、執事からの指示で部屋から出て行く。

30分ほどで10本ほどの旗が集まった。


「シン殿、旗をどうされるおつもりで?」


「それは後ほど、領主様に聞いて下さい。 ひとまず借りていきます。」


「はっ、領主様を・・・主をよしなに・・・・。」


「勿論。」


執事・メイド、家人はシンの去る姿を頭を下げて見送った・・・。

シンは執事から旗を12本を借り受けて、館を後にした。 そして、そのままギルドへと向かい、しばらく留守にする旨を伝え、ギルド前に居る子供達に里から来る者がくる宿屋『灰色の猫』に伝言を頼もうとしていた所に声を掛けられる。

 

「シンの旦那。 仕事ですか?」


「おう。 ロビ。 良い所に。 俺らの宿に伝言の紙を届けて貰いたい。 宿の人に渡せば、分かるから。 ただし、必ず宿の女将に渡してくれ。 良いな?」


「あいよ。 勿論。」


「代金は先払いで払う。 必ず渡してくれ。」


俺はロビに大銀貨を数枚渡す。

渡されたロビもその対価に失敗の出来ない依頼だと、感じ取った。

それからは何も言わずに俺から受け取った紙切れを持って、宿屋『灰色の猫』に急いだ。 

これからも頑張ります。 応援の方をよろしくお願いします。

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