一大決戦の地へ・・・
今年は厄年の後厄年で、今年は新年から大変な事が続いてしまい、様々な苦難や不幸な目にあいました。 極めつけの年度末に日勤のみの仕事の部署に回されるらしいという話があり、そこに回されたら変則勤務ではなくなりますが、夜勤手当は出ないことで給料は据え置きになります・・・。 やはり副業も考えないといけない状態になりました。
街から出る冒険者の一団と整然と進む騎士団の集団。 その後をシン達の自警団が進む。
彼らは一様に顔は怖がっていた。 当然ではある。
「これがうちの自警団の初めての集団戦闘だ・・・。 俺も久しぶりの戦闘だな。 頑張ろう。」
「主様の本気の戦闘が見れるんですね?楽しみです。」
「自警団の皆には、単独でやり合わない様に話して置いたけど、出来るだけ障害は排除したいからな。 出来るだけ助けになりたい・・・。」
「もう十分な位にしてますよ・・・。 でも、これから頑張りましょう。」
「ああ、頑張ろう。」
「勿論です!」
こうして俺を先頭に自警団も進む。
後ろを向くと、自警団のメンバーも顔はこわばっていたが、目はやる気が漲っていた。
その顔を見て、俺もやれる自信がついた。
そのままの状態で行軍し、最前線から20キロほど離れた場所で夜営する事になり、各集団ごとに陣地を設けて夜を明かすことになった。
夜も特に襲われる事もなく、夜が明けた。
夜が明けると、領主様が訓示を述べていざ戦場へと向かう。
「これからが本番だ。 皆!気を抜かないようにね!」
「「「「「「おう!」」」」」」
「行くよぉぉぉ!!!」
シンを先頭に進む自警団は、最前線の仮説陣地に着く。
冒険者・騎士団・自警団の順に右翼から布陣した。 斥候からの報告ですでに視認できそうな距離にまで接近していると報告が上がっている。
そこにいる全員が息をのみ、魔物の侵攻を待ち構えた。
小一時間すると、モンスターたちの声と共に次々と姿を現した。
「ギャギャ!!」「グルルル!!」「ガオォォォ!!!」
何種類のモンスターがいるのか、二足歩行や四足歩行と様々ではあるが、どんどん出てくる。
指揮官クラスと思われる大型の魔物もおり、魔物たちは次々と寄せてきた。
「全員!構えろ!続けぇぇぇ!!!!」
「「「「「「うおおおおおおおっっっっ!!!!!」」」」」
騎士団が起爆剤となり、冒険者の集団も続いた。 当然、自警団にも進撃の命が降る。
「よし!俺らも行くぞ!」
「はっ!主様!」
「シン殿に続けぇぇぇ!!!」
「「「「「「行くぞぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
俺を先頭に突撃していく。
戦輪を全部出し、剣も抜く。 すぐ後に続くヤニスも得物を引き抜いて、矢を構える。
自警団もロビさんを先頭に突撃をしていく・・・。
「自警団!聞けぇぇぇ!!!互いを守りあい、討ち取られない様にしろ!!回復薬はケチるなよぉぉぉ! 吶喊!!!!」
「シン殿に続けぇぇぇ!!!」
自警団より少し前に居る俺は、目の前に来たゴブリンの群れに戦輪で首や胴を切り離す。
さらに近づいた魔物を手に持った剣で切り捨てる。 その後をヤニスも弓で眉間を撃ち抜き、細剣で目や口を突き刺して倒していく。 太ももに差し込んだナイフを投げ込んで自警団でも苦戦していた者に助け舟を出していた。
自警団も互いに守りあいながら魔物を正確にかつ、的確に倒していた。 しかし、負傷する者はいる。 互いのポーションを譲り合いながら治し合い、後方は弓矢やドワーフたちの連弩の様な物で援護射撃をしている。
「ウチの自警団も強いな。」
「主様の部隊です!弱いはずはありません!」
「それは有難いねぇ・・・。」
「はい!」
乱戦・混戦の中でもヤニスは、俺の側でその武芸を振るいまくっていた。
戦輪が唸りを上げて飛び交う中をダンスを踊る様に躱し、時としてフェイントとして使ったりして魔物を屠りまくっている。
その様子は近くにいた騎士団たちも異様な光景に映っていた。
確かにランクはシンでAランク。 ヤニスもCランクだから高ランクではあるが、それでもその戦いは際立っていた・・・。 相手を見ていないのに互いの武器がどこを通り、魔物がどこから攻撃を加えるかを分かっている様な戦闘だったからだ。
「すげぇ・・・。」
「あいつら・・・相手の動き、見えてんの・・・?」
「ヤバいな・・・ダークエルフの女、主の手で上に投げられてからそのままナイフを乱れ撃ちとは・・・なあ、あれ出来るか・・・?」
「いや、無理だ・・・。」
「お前ら!あいつらを見ていないで、目の前の奴らを倒せ!」
「「「はっ!」」」
騎士団たちの横で大いに活躍するシン・ヤニス達の自警団。
各方面共に踏ん張っていたが、シン達の戦線は徐々に押し始めた。
しかし、あえて押し切らずに隣の騎士団の支援にも手を出した。 戦線も騎士団が立ち直り始めたので、冒険者側も立ち直り始めた。 魔物側もその原因が自警団側だと理解を始めたらしく、指揮官クラスの大型の魔物がシンの前に現れた。
「グギャャャァァァ!!!!グオオオォォォ!!!」
「とうとう来たか!」
「主様!大丈夫ですか?!」
「ああ!とうとう来たぞぉぉ!!やるか!」
指揮官クラスと思われる大型の熊のような魔物が立ちはだかった。
小型の魔物も熊が通ると、道を開けた。
熊もシンの前までずんずんと進んできて、シンの前で凄んだ。 明らかにシンを敵認識した瞬間だった。 俺も戦輪をさらに追加でさらに3枚を追加して、自身も手持ちの剣と盾を出した。
「さあ!殺り合おうぜ!おらぁぁぁ!!!」
「ぐぉぉぉぉ!!!!」
俺は歓喜した・・・。
里では感じることない生死の狭間を行く戦いに。 かつての仲間と繰り広げた血で血を洗うギリギリの命のやり取りが今、目の前にある。 敵うか分からない大型の相手を前に自身の武器と戦輪が相手に襲い掛かる・・・。
「がるぅ!ぎゃぉぉぉぉ!!!」
相手も前足や体毛で俺の攻撃を防ぐが、完全に防げるわけでは無い。
すでに牙の一本はへし折り、全身に手傷を負わせた。 後ろ足の片方はすでに切り落され、そこからの出血もあるが、興奮している為に俺しか見えていない。 それでも俺も怪我をしている。 大型の魔物が手を振り、掠るだけで大怪我になるし、その風圧すら武器になる。
「やりやがるぜ!もっと踊ろうぜ!ふはははっ!」
「ぐがぁぁぁ!!!ぎゃおぉぉぉぉ!!!」
俺も興奮からか、かなり不気味な笑顔を張り付けてやり合っていると思う。
ただただ目の前の敵に自身の刃を振り下ろし続ける・・・。
俺も全身傷だらけになりながらも刃を振るい捲った。
楽しい・・・。 血が躍る戦いは久しぶりだ・・・! もっと、もっとだぁぁ!!
全身を持って戦う俺を迎え撃つモンスターは、次第に動きに精彩を欠き始めた。
戦いの間に受けた手傷が動きを制約し、流れ出る血潮が思考を鈍らせる。 一方、シンは手傷はあるも制約を受けるほどではなく、興奮状態のために多少の傷や出血もマヒして忘れる。
精彩を欠いた魔物の方は次第に深い手傷を負い始めた。
まずは両方の前足の指が切り落とされ、体を起こした所で下に潜り込んだシンが飛び込んで魔物の首に刃を縦に突き刺した。
「グギャャャァ!!!!!」
「死ねやぁぁぁ!!!!」
ザシュ!ブシャャァァァァ!!!
俺は魔物の首に縦に差してから一気に下へ引き下ろした。
縦に切られた魔物の喉は、背を開くように裂かれて切り拡げられた・・・。 魔物は首を斬られた事で開いた喉を閉じようと、手で塞ごうとしたが、閉じるわけもなく息絶えて倒れた。
「敵指揮官級、討ち取ったりぃぃぃぃ!!!!」
少しの沈黙の後で怒号のような歓声が辺りを包む。
指揮官級と思われる大型の魔物が1体ではあるが、倒された。 まだ2体あるが、まだ油断が出来ないがそれでも進展はしている。 自警団も残り2団体の後方に廻り込んで支援に回った。
俺もそのまま騎士団の前線に居座った。
「助太刀するぜ!」
「くっ!すまない!頼む!」
「任せろ!」
「私も行きます!」
ヤニスも遅れまいと、俺の後をついてくる。
騎士団の前でも戦輪を振り回して、まだ居座る魔物を屠り続けた。
騎士団もシンに引っ張られる様に奮起した。 後方を自警団がカバーしているために後顧の憂いがなくなり、全力を前線に持って行けるようになったことも大きい。 それは冒険者サイドも同じでそちら側も盛り返し始めた。 戦線も徐々に魔物側が押され、すでに崩壊した自警団側の中央はすでに後方遮断の効果が出ているらしく、戦うモンスターたちも気がそぞろで及び腰になっている。
「向こうは押されているぞ!今だ!押し込めぇぇ!!!」
「うおおおおおっっっっ!!!!」
ふたつの戦線が一斉に押しまくった。
その為に魔物たちも一斉に押し込まれていった。
魔物たちが次々と討ち取られていく・・・。 そうして誰しもがこのまま押し込めると、思い始めた頃に再び絶望の咆哮が辺りを切り裂いた。
「ぶもぉぉぉぉぉ!!!!」
「くっ!来たぞぉぉぉぉ!!!ミノタウロスだぁぁぁぁ!!!!」
「ミノタウロスだと?!」
戦線に現れたミノタウロスは、最後まで頑張っていた四足歩行の大型魔物を殴り倒すと、自身が前に出てきて、前に居た騎士や冒険者を投げ飛ばした。
「ぐぎゃぁぁぁ!!!」
「くそぉ!ミノタウロスとはなぁ!くそがぁ!」
「ギルマス!これはヤバい!逃げよう!!」
「馬鹿野郎!ここで逃げたら街に来る!そうなれば、すべてが終わるぞ!」
「だが・・・!!」
「ここは踏ん張るんだ!」
騎士団も、冒険者も、自警団も不退転の決意を固めてそれぞれの場所で踏ん張る事に・・・。
第2ラウンドが始まるゴングがまた打ち鳴らされるのであった・・・。
作品の制作も頑張りますので、ブックマーク・高評価を頂きたいです。 よろしくお願いいたします。




