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戦輪の戦士  作者: KY
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ケガを治療したら・・・

少し長い待機期間になりまして申し訳ございません。

ここ最近はリアルが、色々と変化があり、大変な心労と疲労があり、更新が出来ない状態です。

少しずつではありますが、執筆は続けておりますので、お待ちいただけると嬉しいです。

ギルドでのくだらない事(決闘)を終えて、泊っている宿屋へ。

めんどくさい事に巻き込まれたので、気分を変えるために少し無理を言って、風呂が借りられないかを聞いてみることにした。


「スイマセン。 今からお風呂って、借りられます?」


「お風呂ですか?・・・大丈夫ですよ。 お使いになりますか?」


「お願いします。」


代金を支払い、先にヤニスに入って貰う事にした。

彼女は恐縮していたが、奴隷であることを出して押し切った。 彼女も命令では逆らえないので、風呂に入る事に。


「そんな事で奴隷に命令出す人はいませんよ?」


「だろうね。 でも、彼女が嫌な思いをしたからね。 それに女性優先の方がうまく行く事がある。 それに俺が言い出したんだから。」


「あの子も良い主人で良かったですね。」


「・・・。 そうであることを願っているよ。」


ヤニスが30分ほどで出てきたので交代で入浴させてもらう。

足を完全に伸ばして入る事は出来ない広さだが、お風呂はお風呂だ。 ありがたく堪能させてもらう。


「くあぁぁぁ!いい湯だ・・・。 ヤな事が解けていく様だ・・・・。」


そのまま暫し湯につかったままでくつろいだのちにスキルの確認をした。

わざと少し傷を付けては、回復のイメージをして魔力を使ったことで、回復のスキルが手に入った。

その後も何度も使って、傷や怪我もかなり綺麗に治せるまでになれた。 いよいよヤニスの目や足を治してみる段階になった。

 風呂から出ると、部屋でヤニスが髪を束ねて夜モードという感じの頭にして、髪を纏めていた。

俺に気付いた彼女が声を掛けながら近づいてきた。


「主様、髪を拭きましょうか?」


「ありがとう。 ちょっと試したい事があるんだが、そこのベッドに座ってくれるか?」


「えっ?はい・・・わかりました。」


「行くぞ・・・治癒ヒール!」


「ふえっ?」


彼女はベッドの端に座った。

俺は向き合う様に立ち、傷を塞ぐイメージで足に傷を治した。 その下の筋肉も治すイメージで。

その後で目にも同様の魔法をかける。

彼女の引きずっていた足は、温かい光を出しながらも傷や足を治していく。 目も縦に切られた切り傷が少しずつ傷が薄くなっていき、最後は傷がない彼女の褐色の肌のみが残った。


「ふう。 どうだ?」


「えっ?足が動く・・・目が・・・見えてる?・・・なんで?」


「元からヤニスを治すつもりでしたんだから。」


「ありがとうございます・・・ありがとうございます・・・。」


「気にすんな。 今後もよろしくな。」


「はい!よろしくお願いします!」


彼女を労うつもりで彼女の頭をポンポンと、叩くと彼女は涙でいっぱいの顔で何度もお礼の言葉を言い続けたいた。 彼女の中でも目が元に戻る事はないと諦めていたらしく、何度も自身の顔を見ていた。

足も今は杖の必要のない体に戻れた。 それが彼女の中では大きなモノだ。 過去に怪我をした事で自分を奴隷として、売り払った仲間は彼女の実力に嫉妬していた。 彼女はそれを知っていた為に出来るだけ仲間をサポートした。 

しかし、彼女の善意は彼らには憐れみと取られた。

 結果が自身はけがの治療すらして貰えないまま、奴隷商に売り渡された。 眠り草で眠らされたままの状態でだ。

 事情が理解したころには、彼女自身ではどうにもならない状態になった。 彼女は悲しさから希望すら諦め、奴隷になった自身を受け入れるしかなかった・・・。

状態が変わったのは、俺に買われた事だった。 奴隷の中では、元冒険者は当て馬や罠の確認のために使われる事ですぐに死ぬと言われていたからだ。 自身もそうなると・・・。

 蓋を開けると、シンの方は違っていた。 奴隷になる前と変わらない生活をしていたから。

それどころか、前よりも豊かな生活をしていた。 そこで違いを感じる中でも油断をしなかった。 傷がある奴隷だから。 しかし、何日も経つのにそういったことはない。 むしろ、前のメンバーよりも優しいし、寧ろ奴隷の今の方が幸せだった。 その中で足と目が治った。

いままで疑っていた疑念は、あっという間に晴れた。 道具の様な扱いもされず、ぞんざいな対応も受けないばかりか、自分の一生治らないと思っていた怪我を治してくれた主に何を出せるだろう・・・。


「主様・・・。 私はどうしたら・・・?」


「ん?いつも通りにしてくれれば良いよ。 ヤニスを買ったのは、裏切らないでいてくれる仲間が欲しいからが、本当だしね。 これからもよろしくな。」


「はい!よろしくお願いします!」


裏切るなんて・・・あり得ません!寧ろ、これからもお願いします!でも、何かお礼が・・・。


彼女はシンにお礼をしたかったが、自身のモノは今現在はすべてシンから買い与えられたものしかない。そこで彼女は、彼女自身しかない物を差し出すことにした。 しかし、それはとても勇気のいる物だが。


そんな覚悟をしている彼女を余所にシンは普通に二人で食堂におり、食事をした。

その後で再び入浴して部屋に戻った。

先に入ったヤニスが部屋にいるのは確認をしたが、部屋が真っ暗だった。


「ヤニス?いるんだろ?どうして真っ暗なんだ?」


「主殿!明かりは付けないで!その・・・恥ずかしさで死にそう・・・だから・・・。」


「ん?どうしてだ?へっ?」


明かりを付けようとした俺を制した彼女を見るためにランプを付けるのをやめ、振り返ると、彼女が抱き着いてきた。 触れた感触は明らかに纏っていない・・・。 その為、変に裏返った声を出してしまったのだが、彼女は続けた。


「本当は・・・主殿に虐待の限りをされると思っていました・・・。 だから私が価値がある奴隷と知って貰えなければ、ひどい扱いを受けると思ってました・・・。」


「それはしないよ。 最初にも言ったけど、裏切らない仲間が欲しかっただけだから・・・。」


「はい。 分かります・・・。 本当にそうなんだと、思うのはつい最近でしたが・・・。」


「分かってくれて何よりだ。」


「はい。 ですが、私には何も・・・。 出せないんです・・・。」


「それは良いよ?これから共に頑張ってくれれば。」


「ありがとうございます・・・。 でも、それでは私が困るんです・・・。 だからお願いします。 今晩は私を可愛がってください・・・。」


「そんな!自分の体は大事にしないと!それにエルフ族は操を大事にするんだろ?無理をすることはないんだよ?」


「確かにそうです。 ですがこれ以上、私に恥をかかせないで下さい・・・。 お願いします・・・。」


「・・・。」


正面から抱き着いている彼女も少し震えていた。 さむいからではない。

決意の中でもまだ恐怖や不安があるからだ。


「主様・・・お願いします・・・。」


「ヤニス・・・良いのか?多分、止まらないぞ?」


「構いません・・・お願いします。」


ブチン!


自分の中で何かが切れたような音がした・・・。

俺はそのまま、ヤニスをベッドに押し倒し、覆いかぶさった。

そこからは記憶があいまいになった・・・。

そこからは断片的なヤニスの艶のある声と互いの体が触れ合う音とベッドの軋みと掛け布団の動く音、彼女は男から受ける事をすべて受け入れて、何度も高みへ。

饗宴が終わったのは、日が昇り始めた頃に終わった。


「やってしまった・・・。」


「主殿?離れては嫌です・・・。」


「ああ、分かったよ・・・。」


「主様・・・。 大好きです❤」


「俺もだよ。 これからもよろしくな?」


「勿論です❤」


この後、二人で抱き合うように寝た。

二人が再び起きたのは、日が昇り切った頃だった。 起きた後で汗を流して、軽食を外の屋台で食べて、冒険者ギルドへ。

しかし、昨日と違うのは彼女ヤニスがよそよそしくない事。

互いに信頼し合える関係が築けたから。


今日も頑張ろう!  

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