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ファーストコンタクト

「てことは今日が初めての出会いってことか、

これは失敗できねーなー」

隣に引っ越してきたのは間違いなく夏虹の家族。

今日の夕方には、引っ越しの挨拶に来るはずだ。

「さてさて、どんな感じがいいかねー、俺も中身は27歳!7歳の子供相手に緊張なんてしないぞ」

さすがのるいも余裕である。

朝食を食べながら、独り言を言うくらいには余裕である。

「にぃにがぶつぶついってる、怖い…」

大丈夫ではないかもしれない。

(とりあえずどうする?多分いま小学校に入学する前だよな?、とりあえず部屋でおとなしく待つか)

昼過ぎまで、部屋でゴロゴロしてると

「るいー、ちょっとおつかい行ってきてー、牛乳と卵きれちゃって」

母がそう言って部屋に入ってきた。

(おいおいおい、もうすぐ夕方じゃねーか、今行ったらすれ違っちまうかもしれないし)


「えーちょっと忙しいからー」

「何言ってんの、ゴロゴロしてるだけじゃない!おつかいくらいもう小学生になるんだから出来るようになりなさい」

「でも…子供だけじゃ危ないし」

「すぐそこじゃない、それに大体この辺の人はみんな顔見知りだから心配ないよ」

(くっ、平和だな、20年後ならありえねーぞ、やっぱ時代感じるなー、仕方ないとりあえずさっさと行って帰ってくるしかない)

仕方なくスーパーへ向かった。


(くそっ100メートルくらいしかないのに子供だと時間かかるわ!しかも、スーパーで近所の人たちめっちゃ話しかけてくるし、まだ、来てないといいけど)

急ぎ、家に帰るとちょうど自分の家から出て来る夫婦とその子供

(やべっもう帰る所じゃん!やばいどうする?もう、こっちから声かけるしかないか!ちゃんと子供らしくしなくちゃな)

「こんにちはー」

大声で声を掛けると

「あら、この家の子かしら、こんにちは今日隣に引っ越して来たの、よろしくね」

20年後の夏虹にそっくりな母親が優しい笑顔で声を掛けてくれた。

(おばさんきれー、ってか夏虹にそっくりだな、あんまり話した事無かったけど)

少しどぎまぎしてると一緒にいた女の子、夏虹が振り返って、

「こんにちは、おとなりにきたななです」

ぺこりとお辞儀をした。

(やばい、夏虹ってこんな可愛らしかったっけ?)

そこには人形のように可愛らしく、幼さとあどけなさがありつつも完成された作品のような女の子が立っていた。

るいは一瞬固まってしまったが、

「ななちゃん、はじめましてぼくはるいっていいます!これからよろしくね」

(よし、掴みはこんなもんで大丈夫だろ)

すると夏虹も

「よろしくおねがいします」

と返してくれた。

(よしよしいいぞ、んじゃ握手くらいしとくか)

仲良しの印にと免罪符にただ夏虹に触れたくて近づこうとした時

「あっ」

るいは石につまづいた、そしてそのまま

「きゃっ」

夏虹におもいっきり抱きつきながら二人とも転んでしまった。

「あらあら」

夏虹の両親は微笑ましそうに見ていたが

「るいくん、ひどい!」

夏虹はスカートだった。

そして転んだ拍子におもいっきりめくれていた。

涙目で非難してくる夏虹

(やばい、涙目の上目遣いもたまらん、ってそうじゃなくて)

「わ、わわごめん。わざとじゃないんだ」

「るいくんのいじわる」

(ガーン、え、もしかしてもうゲームオーバー?早いって)

るいがラッキースケベと絶望で混乱していると

「夏虹、わざとじゃないんだから、謝ってるんだから許してあげなさい」

(おばさんありがとう)

「やだ!もうしらない!」

そういって自分の家に帰ってしまった。

「まあ、あの子ったら、ごめんねるいくん、ちょっと恥ずかしかっただけだから、これから仲良くしてね」

そういっておばさんも帰っていった。

「るいくん、娘はかわいいからね、これからも頼んだよ、夏虹のファーストハグを奪ったのだから!」

「えっ!あ、はい!」

今まで空気だった、おじさんがそう一言残して去っていった。

(おじさん、完全に忘れてたわ、でもこれはおじさんは公認ってことか、でも、いきなり夏虹に嫌われたんですけど!これ挽回できる?)

重要なファーストコンタクトを失敗?なのか分からないがお約束なようなそんな感じで終わらせてしまった。

(でも、前回は確かこんな顔合わせもなかった気がする。あっ、そうか、おつかい行って帰って来た時にはもうこのイベント終わってたんだ)

どこまでも前回は夏虹と縁がなかったらしい。

(まあ、これできっかけは出来た。後はどれだけ仲良くなるかだな。まあ普通に考えて隣に住んでたらいくらでも挽回は出来るはず!今度は上手くやって見せる!)

空回り気味だがなんとか気持ちを持ち直するいだった。

(くまさんパンツかー可愛かったな…)

前途多難である。


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