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毎日太ももを筋トレしてたら、、、、

作者: 相澤 遥歩

”太ももの筋肉を鍛える。”

そんな日常的かつ普通のことを私は5歳から毎日続けた。

そして月日は流れ、16歳の春のことだった。



私は相澤遥歩(あいざわあゆむ)、なぜか名前で男だと間違われるが生粋の女子である。

私には、今非常に困ったことがある。

それは、、、、

何故か突然、太ももがとてつもなくマッチョになってしまったことである。


===============相澤遥歩の夢==================

この日の夢は、はじめは、幼い頃の太ももを鍛えている自分の姿が見える。まぁつまらない夢だった。

しかし、よくよく見ていると、5歳から、15歳までは全く、太ももが太くなっていなかった。

むしろ、「遥歩ちゃん。今日も太ももぷにぷにだね」と言われたことすらある。


その謎の夢のあと、自称神がやってきた。そして、出会って最初に、、、




土下座してきた。


この時点で私は、”何だこの破綻した夢は。”と思ったが、その後自称土下座神は、

「この度は、私達神の手違いで、太ももの成長を反映し忘れてしまっていたことを、

心よりお詫び申し上げます。

只今から、反映いたしますので、どうかお許しください。」


とか言う珍発言をし、こちらの言い分を聞かずに帰っていった。


================朝の話====================

目が覚めると私は驚愕した。


”確かに太ももがとてつもなく太くなっていることに。”


太くなった太ももにより、私のパジャマのズボンはビリビリになっていた。

そして何より、むちゃくちゃ足が重そう。

しかし私の予想に反し、なぜか足は異常に軽く、ベットから起き上がることはできた。

そして冒頭に戻るのだが、


私は寝ぼけ頭のまま、顔を洗い、改めて、自分の太ももを見た。

どうやら、現実らしく、太ももは太いままだった。

そして、私はもう一つ気づいた。

始業式に遅れるということを。


=================焦ってみる=================

私はすぐさま着替えた。

学校なので、唯一の救いは、スカートであり、唯一の欠点もスカートであった。

メリットは、とりあえず今履けるものであるから、

デメリットは、この極太太ももが見られる可能性が高いということである。


私は、家から出て、学校に向かって走り出すため、一歩踏み出した。

すると、なんか足元から異音がした。

”バキバキバキ”とやばい音を立て、地面に足をついてしまった。

すると、コンクリートの地面に突然ヒビが入った。

どうすることもできず私は足に力を入れた。


”バコーーーーーーーーーン”

という音とともに激しい砂埃ができ、地面にはちょっとしたクレーターができた。

私は冷静に振り返り、どうすべきか、考えた。

そう、自称神が馬鹿すぎる故に、私は、今空を飛んでいる。

実際には落ちているんだが。


===================解決策=================

私は冷静になって考えた。

”これワンちゃん学校まで行けるんじゃない”

問題は着地手段と言い訳の内容である。

着地手段は、とりあえず学校の壁にぶつかって止まることにしよう。

問題は着地したあと、どうやって先生に言い訳を述べようか。

そもそも、学校の壁ぶち破ったら言い訳どころではない。


このとき私は忘れていた。

着地手段の前提となっていた学校の壁にぶつかることだが、

そもそも、壁に接触できるかその時の私は考慮していなかった。

===================3分後=================

私は、どうすればいいかわからなかった。

よく考えれば、私はただの高校生で、物理で斜方投射を習ってはいたが、自分の足から出た初速度は知らなかった。

そしてとっくの昔に学校の上を通過した。

そして、もう一つやばいことがある。

もう少ししたら、ビルにぶつかってしまうことがわかった。


目の前には高層ビルの立ち並ぶ、東京が見えていた。

私の家は甲府にあるので、もはや、学校に間に合うか、などといったしょうもない次元の話ではない。

私は目の前にあるぶつかる予定の高層ビルに向かって心のなかで深くわび、目を閉じた。

=================その後ー全国放送のニュースにて。======


今日午前8時ごろ、甲府市に住む女子高校生が新宿区内のビルの17階に衝突するという前代未聞の事故が発生しました。

女子高校生は、意識不明の重体で、なぜか、太ももが異常に発達していることがわかりました。

警察が、女子高校生宅の周辺を調べたところ、自宅前の道路に深さ30センチメートルのクレーターができており、この事故との関係を調べています。


===============夢の中======================

私は、また自称神にあってしまった。

やつは、また、土下座してきた。

やつ曰く、

「今までの努力量に、反映し忘れた分のおまけとして、1.5倍してあげたんだけど、

まさかぶっ飛ぶとは思わなかったんだよね-。

ほんと、申し訳ない。まあ、生きてるから許して頂戴。」

そう言って、帰ろうとするやつを私は、捕まえて言ってやった。

「この足を戻してよ!!!」

切実に思った。こんな、日常を完全に壊していくような足など存在価値が、まじでない。

しかし、期待とは裏腹に、やつは、

「無理なんだよなぁ。僕の専門は、コントロール機能と成長促進が担当だから。」

どうやら、現代の神も分業制らしい。


いや、待てよ。

なんでこいつコントロール機能担当なのに、私の足に、コントロール機能ついてないんだ?


やつは、私の思考を読み取っているのか、苦笑いした。そして、

「いやー。実はさ、人間の努力量って大したことないって思って、

コントローラーつけなかったんだけど、

さっき見たら、君の努力量が、もはや神レベルでさ、

多分コントローラー必須なレベルなんだよね。

でも君は朝、普通に活動してたから、

大丈夫だと思って、すぐ寝ちゃった。」

私はやつの話の聞いて、”神って寝るのかよ”って思ってしまった。

「まあ、やっちゃったことだから、コントローラーは無料でつけてあげるよ」

そう言って、私の意識を奪い取っていった。


================復活===================


私は、目が覚めると、案の定病院にいた。

医者いわく、

「いやー。君の体は一体どうなっているんだい?

救急車に乗っている間に、君の体が発光しだして、

体の細胞が一気に、修復されたって聞いたけど?

君、今日の朝ごはんは何を食べたんだい?」

私は、遅刻すると思って、食べていないことを伝えた。

それと同時に、私は、

”やつめ、なんでゆっくり治すって発想ないんだよ”

と、切実な怒りを感じていた。


この怪事故による負傷者はなく、更に、ビルの修理費は、

謎の男が私の代わりに支払うという書き置きとともに、

50億がビルのオーナーに渡されており、工事は着々と進んでいるようだった。


=================普通じゃないこと=============


私は、やつが作った、コントローラーが、はじめはどこにあるかわからなかった。

だが、次の日になると朝、目が覚めると、

ファンタジーで出てきそうな、アイコンが視界に見えるようになった。


アイコンに視線を合わせると、テキストエディターが表示された。


”ハロー。

私はコントローラの神であります。

やっとこのコントローラアイコンに気づいてくれたんですね。待ちくたびれましたよ-。

でもって、コントローラの使い方なんだけど、

基本的には、5種類のプリセットである、

最強(ジサツ)モード

・すげーモード

・アスリートモード

・人モード

・おやすみモード

を使ってね。

あとは、自分でプリセット作れるようになってるから、

色々試してみてね。

グッバーイ”


機能説明が出てきたが、はっきり言って、実用できそうなのが、人モードかおやすみモードしかない。

一応モードごとに説明もあって、

最強(ジサツ)モード=>神すら超えれるすげー力。宇宙服、酸素必須。

・すげーモード=>おそらく、人間とはおもってもらえなくなる力。

         マックス3000km程度ならひとっ飛びできる。

・アスリートモード=>運動神経でモテタイ女子必須機能。

           太ももが普通のヒトぐらいの太さになります。

           秒速17mで移動できるスグレモノ。疲れません。

・人モード=>太ももが普通のヒトぐらいの太さになります。日常生活で困らないぐらい。

       100mを8秒で走れます。疲れません。

・おやすみモード=>太ももが普通のヒトぐらいの太さになります。

          休憩させるモードなので、100mを11秒で走れます。

          休憩すると力がたまり、アスリートモード以上のときにより

          高いスペックを出せるよ。疲れません。


やはりやつは、自称神だ。いや、もしかすると、邪神かもしれない。

私は、おやすみモードにして、病院を出た。


===============帰宅編=====================


私は、自分の持っていた、かばんを見て、焦りを感じた。

かばんの中には、スマホと2000円とデビットカードが入った財布と、学校の用意があった。

親はいない。私が中学を卒業してすぐ、あおり運転で殺された。

私の身内も存命な人はおらず、遺産と自宅などはもらった。

父も母もどちらともが、隠れてちょっとやばいがくを貯金していたがために、

相続税はすごかったが、

私一人生きるには十分だった。

病院代も、デビットカードから引き出したが、このカードとつながっている口座には、

お金をあまり入れていなかったため、残金は数百円しかなかった。

私は、さっきのコントローラの説明とスマホのマップアプリの画面を見て考えていた。

画面には、自宅までの距離として、125kmと出ていた。

そして、アスリートモードは、疲れず、更に秒速17メートル、時速61km程度で走れる。

つまり私は、車道の近くを時速61kmで走れば2時間ぐらいで帰れると考えた。

私は慎重にコントローラの設定をアスリートモードに変更し、病院前にいる報道陣を突っ切る準備をした。



入り口の自動ドアが開き、報道陣が突っ込んでくる。私は、慎重に、上方向に飛んだ。


報道陣をなんとか躱しつつ、なおかつ地面に被害を出さずに飛べた。

少しだけ、やつに感謝した。


私は、車道を、一応法定速度ギリギリで、走っている。

車の法定速度は40kmだったのでうまくバランスを取りつつ、走っていた。

40kmになっても3時間弱で着くらしい。


私は無我夢中で走った。

周りには、なぜか私を写真で撮っている人もいたが気にせず走っていった。




家についた。が、家には入れなかった。

目の前には、自分が開けたであろう大穴があり、その周りには立入禁止のテープが張ってあり、警察もいた。

警官がやってきて、

”あなたが、相澤遥歩(あいざわあゆむ)さんですよね?

署の方でお話よろしいですか?”

やっぱりか。

==============警察署にて===================


私の目の前には、刑事ぽい人と担任の先生がいた。

私は、”信じてもらえないだろう”と思いつつ、夢での出来事を話した。

すると、刑事は、何故か納得したような声を上げた。

「だから、あなたの家には、麻薬もドーピング剤も爆薬もエンジンも発射台もなかったんですね。

これはもう、神のいたずらとしか言えませんね。

病院側もさっぱり異常はなく、あの太ももの状態も筋トレしてる人と同程度で異常はない。

って言ってましたから。

とりあえず、これは、中の水道管が爆発したことになってますので、

どうぞ、お帰りください。

あと、この話は、あまり広めないようお願いしますね。」

と言われた。


家に戻ると、たしかに水道は使えなかった。


==============エピローグ:日常へ================

あれから1周間がたち、学校から、また登校して良いと言うことになった。

学校に行くと、2年生の運動部の先輩に、あれこれ勧誘された。

結局、陸上と水泳とサッカー部に入部させられた。

3部活を交互にまわり、

試合では順調に成績を出していった。


私は、こんな変な力を手に入れてしまったが、

これを乱用するつもりはない。

私のコントローラーの設定は何があっても、この設定から、変わることはないだろう。


設定名:私が私であるための設定

    太ももが普通のヒトぐらいの太さになります。

    疲れます。(日々運動していると疲れにくくなるように変化します。)

    100mを10秒前後で走れます。(努力量によって変わります。)

    休憩すると体力は回復しますが、力はたまりません。

    注:この設定は、自分が自分の力で成長させるのであって、

      与えられて使うものでは、ありません。




この設定で1年後また彼女は悩まされるのだが、それはまた、別のお話。

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