決勝戦
「今回こそは、うさ耳デッドアイズ、お前を倒して優勝させてもらう」
「だから、その名で呼ぶな!」
何だかんだで、毎回タケルは、俺と一緒に決勝に残る。中々に、器用な奴だ。
だが、今回気を付けなければならないのは、やはり、タケルの悪魔の杖を消し去った、輝剣を作った、フードだろう。
「皆様お待たせしました。それでは、決勝戦のルール説明をさせて頂きます。決勝戦は、バトルロワイヤルです。2回戦で作っていただい武器で、戦ってもらって、武器が折れるか、気絶するか、負けを認めると負けになります。最後まで、生き残った人が優勝です。なお、魔法の補助は、ありですが魔法攻撃は禁止です。では、準備はよろしいでしょうか?」
参加者全員が頷く。
「決勝戦・・・・開始」
「フード、漆黒のハニワの敵を討たしてもらう。行け、漆黒の人面樹」
「ぎゃぁぁぁぁ」
「結局呪われてんのかよ!」
やはり、気色の悪い杖を持ったタケルがフードに突っ込んでいく。
「く、眩しい」
フードの輝剣が一層光りだした。
「ぎゃぁぁぁぁ」
「おい、また浄化されてんぞ」
「漆黒の人面樹!!!!!」
「変な名前付けんな呪うぞ」
「お前とは、短か・・・」
「もういいわ、何回やる気だ!」
杖もろとも、タケルを場外に蹴り飛ばす。
フード以外の二人は、最初に切りあった時、一緒に折れて失格となっていた。
木刀にエンチャントをかけフードに切りかかる。
「中々、速いですね」
そういいながら、フードは、軽く俺の木刀を受け流した。
「こいつ、滅茶苦茶強い」
それより、この声とこの動き昔どこかで見たことがある気がする。
「昔、俺とどこかで会った事あるか?」
「さぁ、どうでしょう、私に勝てたら、教えてあげますよ」
武器のスッペクでは、明らかにあちらが上、なら捌ききれないほどの手数で、本体を気絶させる。
「うぉぉぉ」
一気に距離を詰めを連撃を加える。しかし、その全てを受け流される。
そして俺は驚かされる事になる、剣圧によって、フードが外れたのである。
その顔を見た時、全てを思い出した。
「あ、貴方は、先代の勇者様」
その瞬間、先代様の輝剣が折れた。
「認識阻害が効かなかったみたいだね。驚いて、輝剣に神気を加え過ぎてしまったよ」
「シンさんの武器が壊れましたので、優勝は、うさ耳デッドアイズさんです。おめでとうございます。」
驚きすぎて、優勝コールは、耳に入ってこなかった。そして、先代様は、出口に向かって歩いていた。
「待ってください、聞きたいことが沢山あるんです。」
「ああ、そう言う約束だったね、じゃあ今夜、大和湖の西の畔で待ってるよ」
そう言い残すとと、先代様は、去っていた。
「うさ耳デッドアイズ、あいつと何話してたんだよ。」
「大事な話だよ」
優勝の賞金を受け取り、ハナコちゃんを家に届けて、こうして、俺の丸太杯は、終わった。