二回戦
そこには、一回戦を突破した15人それぞれが大きめの丸太の前にいた。
驚いたことに、最後に残ったクレヨンを使っていたフードがいた。
「どうやって、丸太割ったんだ?」
「1位通過で、クレヨンで縦に線書いただけで、割れたらしい。」
「なんだそりゃ、てか、ちゃっかりお前も残ってんな。」
「当たり前だろ、俺を誰だと思ってる俺は、漆黒の貴・・・・・」
「はいはい、分かった、分かった」
どうやら、一番気を付けないといけない相手は、あのフードらしい。
「引き続き、2回戦のルール説明をさせて頂きます。
一人一つずつ丸太を掘って武器を作ってもらいます。その中からいい武器を作った上位5名が決勝進出です。制限時間は、1時間です。
それでは、2回戦開始致します・・・・始め」
俺は、何を作りたいか考えた時、一本の刀が頭の中に浮かんできた。
そして、何か思い出せそうな気が・・・・。
「おーい、あれ見ろ、なんかすごいぞ」
観衆が指さす方を見ると、そこには、タケルと動き出す・・・呪いの杖?があった。
「なんじゃこりゃー!、てかキショイ!」
「キショイとは、なんだ、こんなにかわいいのに」
「ぎぎぎゃゃぁぁぁ」
杖から、断末魔のような声が聞こえた。
「ごめん、キショイんじゃない、怖い。それに、呪われそうだし」
「呪われて、なんかいねーよ。ただ、持ってると精力を奪われて、夜な夜な悪夢を見るだけだ」
「それ、呪われてんじゃねーか!」
気付いたら、もう20分もたっていた。
「ダメダメだ、自分の集中しないと」
あんなのに、一々構っている暇は、ない。
「おーい、あっちもすごいぞ」
声が聞こえるが、集中、集中。
「なんで、木があんなに輝くんだ!」
集中、集中、集中。
「ぎぎぎゃゃぁぁぁ」
集中、集中、集中、集中。
「おい、あっちの悪魔の杖が輝く剣に向かっていたぞ」
「あ、剣が一層輝きだした。」
「光に当たった、悪魔の杖が消えていく」
「浄化されているのか!」
「なんて、安らかそうな顔だ」
「漆黒の貴・・・忘れた。タケル短い間だったけど、お前の杖に成れて楽しかったよ。」
「おい、杖がしゃべったぞ」
集中、集中、集中、集中、集中。
「漆黒のハニワ、お前との楽しかった日々は俺も忘れないぞ。」
「その、名前は、二度言うな呪うぞ!」
「達者でな」
「お前もな」
振り向くと杖とタケル抱き合うというシュールな光景が広がっていた。
「やかましくて、集中できるかーー!」
そして、杖は、消えた。
「さぁーて、あのキショイ杖消えたし、次の作るか」
「タケルお前、結構ひどいな」
「いや、丸太が呪われていたみたいで、どうしようかと思ってたんだよ」
「はぁ、そうか」
そして、残り時間は、20分になっていた。
「時間が無い、兎に角、掘りながら考えるしかない」
そして、何とか、一本の木刀が出来た。
結果は、ぎりぎりの5位通過だった。ちなみに、フードが1位通過、タケルが4位通過である。