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god another make earth  勇者編  作者: wanikame
3/12

一回戦

会場に着くと、55番の札を渡され、大会のルール説明が開始された。

「では、ルール説明をさせてもらいます。」

この大会は、開拓の際に出た、沢山の丸太をどうしようかとなった時、全部薪にしようという事になり、この量だし、どうせなら、大会にしようってのが始まりらしい。


「一回戦は、丸太早割競争です、皆さんには、50個の丸太を半分の薪にしてもらいます。そして、参加者56人中から上位15名が二回戦に進めます。最後に、会場に来て頂いた順に薪を割る道具を選んでもらい、選んだ人から所定の位置についてください」

「ああ、だからみんな急いでたのか」


そして、参加者達が道具を取っていき残り7個になった時、残っていたのは、ノコギリ、まあ、これは、まだましだろ、ギコギコしていれば、時間掛かってもいつかは、切れるんだから。

問題は、残りの6個だ。

「これ、[子供の工作セット]じゃねーか!」

子供の工作セットとは、白夢カンパニーが作っている製品の事である。

白夢カンパニーとは、突如現れ、奇抜な製品を次々と出した、商会である。ちなみに、社長は、謎である。

残っていたのは、粘土、はさみ、お絵かき帳、クレヨン、定規、そのどれにも、コウタ名前が書いてあった。そして、最後にちくわである。

「やはり、あの噂本当だったんだ」

「発注ミスがあったってやつ?」

「くそ、あいつら、知ってやっがのか」

そして、俺の番が来た、この時、意外だったのがお絵かき帳とクレヨンが残っていた事だ。

正直、絶対ちくわは、残っていると思っていた。

とりあえず、お絵かき帳を選ぶ。


所定の位置に着くと横に、ちくわを選んだ奴の隣だった。

「それではみなさん、選び終わりましたので、開始致します。・・・・始め!」

「おりゃぁぁぁぁ」

ものすごい気合のこもった声の方を見ると、すごい勢いで、ちくわを丸太叩き付けていた。それで、丸太が真っ二つになる。・・・ような事はなく、ちくわが半分に千切れていた。

「く、気合が足りなかったか」

気合の問題じぇねーよ、なんでいけると思ったんだよ!?と心の中でツッコミを入れた。

「しょうがねぇ、帰るか」

そう言い残すと、手に持ったちくわ食べて、帰っていった。無残に千切れた、ちくわを残して。

「は、こんなことやっている場合じゃなかった。」

周りを見るともう、20個近く割っている奴もいた。

俺は、お絵かき帳を千切り、それにエンチャントを掛け、硬質化し、丸太を切る。

2つ切った所で紙が耐えきれず、灰になったが、50ページあるので、大丈夫だろう。

「よしこれならいける」

10個くらい丸太を割った時、2つの事に気づいてしまった。

正直このまま、気づかないで、いれればどれだけ良かったか。まずこのお絵かき帳中身が書いてあるのだ、それも日記が。

そして、主催者席にいる、子供の泣きそう視線である。お絵かき帳が灰になるたび、今にも泣きそうになっている。

あれは、間違いなくこのお絵かき帳の持ち主のコウタくんに間違いないだろ。

「僕の大切なお絵かき帳が灰になってゆくよぉぉぉ、沢山の思い出が詰まってるのに」

「お絵かき帳が無くなっても思い出は、消えないのよ、心の中にはちゃんと残ってるんだから」

「うん、お絵かき帳が無くなっても、思い出は、忘れないよ」

コウタ君とお母さんらしきひとの声が聞こえてきた。

「罪悪感半端ないわ!」

ここでやめたら、コウタ君に悪いので、最後までやりきる。そして、13位で1回戦を突破した。


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