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god another make earth  勇者編  作者: wanikame
2/12

丸太杯

月日は流れ一年半がたった。

今回も、いつもの声が聞こえる。たまに、見る夢だ。

「大会で優勝して」

それだけ言うと、少女はいつも去ってゆく。

そして、それがすごい大事な事がして、毎回問いかけてしまう。

「待ってくれ、何の大会に優勝したらいいんだ!」


そして、今日も目を覚ます。

「お兄ちゃん、目が覚めたの?」

「うん、おはよう」

「お母さんがもう、朝ご飯出来てるって、私先、下に行ってるね」

「うん、僕もすぐ行くよ」

下に降りる音がした後、声が聞こえる。

「お母さんお兄ちゃん起きたよ」

待たせては、悪いのでさっさと軽い身支度を済まして、テーブルに向かう。テーブルには、既に、主人のトウヤさん、その奥さんのアカネさん、その子供のハナコちゃんの3人みんなが集まっていた。

「お待たせしまいすいません」

「いや、構わないよ、昨日も大会あったんだろ」

「お父さんすごいんだよ、お兄ちゃん、また優勝したの」

「ハナコは、本当にお兄ちゃん好きなんだな」

「うん、大好き」

「ライトくん、これからもハナコを頼んだよ」

「はい」

「このままでは、ご飯が冷めてしまう、そろそろ、食べようか」

食に感謝を告げ、楽しく歓談をしながらご飯を食べる。


そし身支度を済ませた後、アカネさんに会いに行く。

「アカネさん、昨日の優勝賞金です。」

「あ、また全部、もういいって言ってるのに」

「命を助けて貰ったうえに、住まわせて貰ってるですから、当然ですよ。それに、お小遣いアカネさんから貰ってますし、あまり使う事もありませんから」

そう、アカネさん達家族に救われたのだ。僕は、町の前に倒れていた僕を見つけた、アカネさんがつれ帰った、目を覚ました僕は、名前以外の自分を事を覚えていなかった。そして、怪我が治るまでずっと看病してくれた。

「お小遣いって、いわないと受け取らないからでしょう。毎回こんな貰っちゃって、うちもう小金持ちよ、お父さんより、収入多いんだから。お金に困ったらいつでも言ってね」

ちなみに、豆腐屋をしているらしい。

もう習慣になり始めた会話をして、家を出る。


後ろからトコトコ、着いてくる足音に振り返るとハナコちゃんがついてきていた。

「一緒に行っていい?」

「いいよ、はぐれないようにね」

「うん、ずっと手繋いでる」

「今日は、隣町で開催がだから、隣町まで行くよ。」

「ワッカター」


馬を借りて、隣町へ向かう。

「わあああ、速い」

「落ちないようにしっかり掴んでいてね。」

「ねぇ、お兄ちゃんは、どうしていろいろな大会に出ているの?」

「大会に優勝しなきゃいけないんだけど、何の大会に優勝しなきゃいけないの分からないから、かったぱしから出てるんだよ」

「ふぅん変なの、じゃあその何かの大会に優勝したらどうなるの?」

「僕も分からない、でも、その大会で優勝したら、思い出せる気がするんだ。」




話し込んでいるうちに、馬は会場についた。

「丸太杯、参加者の方は、こちらの控室になります。」

「じゃ行ってくるね、何かあったらこの鈴を鳴らして、すぐ駆けつけるから」

「うん、頑張ってね」

ハナコちゃんと別れ、控室に向かう。

「参加者の方ですか?」

「はい」

「開始は10分後です。急いでください。5分前に、アナウンスしますので、それまでお待ちください。」

僕が控室に入ると、視線が集まる。

「おい、あいつ」

「ああ、数々の大会で優勝しまくってるって聞く」

「その名も、うさ耳デッドアイズだ」

「「それだ!」」

「ぎゃああああ、その名を口にするな!」

何で、こんな異名が付いたかというと、異名づけに大会出た時の事だ。決勝戦のお題は、相手の異名を考える事であった。そこで、俺の特徴の死んだ魚のような目、そして、なぜか外れないうさ耳から、この異名ができた。

補足、死んだ魚の目のA dead fish's eyesの魚の部分を省いてできたらしい。

そして、ある一人の男のせいで、この異名は、広がることになる。

「今日も騒がしいな、うさ耳デッドアイズ」

「だから、その名で呼ぶなぁぁぁ!、なんで、騒いでると思ってる!」

「お前のいつもの発作じゃないのか?」

「違うわー!会うたび、会うたび、その名で呼んで、この名、広めやがって」

「この俺、漆黒の貴公子タケルが付けてやったんだ、かっこいいだろ、何が不満なんだ。」

漆黒の貴公子タケルは、決勝で俺が付けた。ちなみに、貴公子ではなく、奇行師という意味でつけた。正直黒歴史なので、そっちも広めてほしくない。

「ちなみに、お前の出場名もうさ耳デッドアイズに変更しておいたぞ」

「何の嫌がらせだよ!」

そう、こいつが俺にこの名を付け、広めた張本人である。こいつは、大会で俺に負けてから、俺を勝手にライバルし、俺の出る大会、出る大会に、現れるようになった。

「お前にもっと、うさ耳デッドアイズとしての自覚を持たせるためだ。」

「持ちたくないわー!」

「5分前になりました、参加者の皆さんは、一回戦会場まで向かって下さい。」

アナウンスが終わった瞬間、空気が変わり、みんな一斉に会場まで走り出した。

「今回の参加者は56人らしい」

「急ぐぞ」

「絶対、後ろ6人には、なりたくねー」

「なんだなんだ!」

気が付くと周りには、俺とタケルとローブの男?しか残っていなかった。

「なんなんだ」

「分からん」

「良し行くぞ、うさ耳デッドアイズ」

「だからその名で呼ぶなって!」


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