最終決戦
ある時、「5大国でそれぞれ、一人ずつ、神のゲームに、参加する代表を決めよ。2年後神の神殿の前に、集まれ。そして、ゲームを勝ち抜いた暁にはどんな願いでも叶えよう」と、五大国の巫女に、それぞれに、神のお告げがあった。
その1っか月後、軍事国家では指揮、和の国では武術、魔法国家では魔力、化学国家では技術、ギャンブル都市では勝負強さを競う大会を行う事を順に表明した。
それは、お告げがあった1年前の事。
俺たちは、仲間達と魔王の住む城までたどり着いた。ここには、瘴気濃度が濃く、普通の人間では、近づく事さえできない。それでも、その瘴気に耐えられる仲間を3人も集める事が出来た。前衛のドトウ、中衛のフレント、後衛のマナ、そして、オールラウンドのこの俺ライトの4人パーティーだ。
「ついに、ここまできたな」
「ここに、魔王がいます」
「一夜にして、一つの国を滅ぼしたらしいです」
「そんなの噂だろ。いくら魔王でも、そんな事出来るはずがない」
「ここまで来たから言いますが、帰ったら幼馴染と結婚するんです。」
「今だから、言うが俺最初は、お前から、宝を盗もうとして、近づいたんだよ。」
「私からも一つ、もしも私が死んだら、妹にこれを渡して」
マナをそう言うと、指輪を渡してきた。
「みんな一言だけ、言わしてほしい。なんか、・・・死ぬ気しかしない!」
「俺一番」
そう言いながら、ドトウは魔王城の扉を開けた。
「もうやめてくれ!!!!!」
魔王城の扉を開けると・・・そこには、マグマが広がっていた。
「なんだこりゃ」
「空間が捻じれていますね」
「とりあえず、あの山の上にある螺旋階段を目指そう」
「よく見えるな」
「ライトは、勇者ですからね」
「そういうもんか」
勇者には、特殊な性質がある。普通は、モンスター倒したって、そこまで強くはならない。しかし勇者は、モンスターを倒したら、その瞬間に強くなる.だから、勇者は身体能力がかなり高いのである。
ちなみに、勇者はどうやって、誕生するかと言うと、勇者が死んだ時、新たに選ばれた勇者の前に、聖なる武器が現れ、同時に歳を取らなくなり、特殊な力を得る。
途中、雑魚が何匹が出たが特に問題なく山頂までたどり着いた。そこには、1匹の竜がいた。
「寝ているようだ」
「寝ている今なら、俺一人でも倒せるぜ。良し、今の間に倒そう」
「だから、やめてくれ!!!!!」
攻撃を仕掛けようとしている、ドトウを羽交い締めで、抑え込む。
「何をする!」
「竜が起きて追っかけられる未来しか見えないからだよ!」
「しょうがありません、ライトがやかましいので、起こさないように上に行きましょう」
「しょうがない奴だ」
「しょうがない人ですね」
「何か、釈然としねー」
こんな時だけ、息ピタッリだな。このパーティー。
音を立てないように螺旋階段を上る。
螺旋階段の先には、赤と青の二つの扉があった。
「どっちの扉を開けましょう」
「どっちも開ければいんじゃないか?」
「待て、片方は、罠かもし・・・・」
最後まで話を聞かず、ドトウは赤の扉を開けた。
「話聞けよ!」
そこは、お婆さんの家だった。
「なんだい、なにかようかい」
「あ、間違えました」
そして、ドアをそっと閉めた。
「知らない、お婆さんがいた」
「赤は違うみたいだ」
「そうみたいですね」「そうみたいね」
「いや、ちょっと待てよ。おかしいだろ」
「何がだよ?」
「ライトでしょ。いつもの事じゃない」
「それもそうですね」
このパーティーなんか、俺に冷たい(-.-)。
「今度は、青を開けるぞ」
「今度こそ、慎重に開け・・・・」
今度も話を聞かず、青の扉を開けた。
「何度もなんだい、冷やかしなら帰っておくれ」
この時、俺の中の何かがが爆発した。
「なんで魔王城の扉がどっちもお婆さんに繋がってんだよ!、何だ、魔王はお婆さんか!?」
「何をわけの分からない事を言ってるんだい、魔王さんの家は、隣だよ。魔王さんの家は、竜の寝ているところの下の扉だよ」
「それは、失礼しました」
ライトは、そっとドアを閉め、そして・・・・
「そんなわけあるかーー!!」
扉をいきよい良く開けた。
「ククク・・・よくぞ見破ったな勇者よ」
「そもそもこの城、瘴気でほとんどの者は、近づくことすらできないのに、お婆さんが住んでるわけないだろ!」
そう言うと 婆さんの姿は見る見るうちに、綺麗な白い髪の若い女性の姿になり、周りの景色も変わっていた。
「では、始めようか」
その言葉が響くとともに、空間に穴が開き中から下にいたはずの竜が現れた。
「こんな事なら、寝ている間に倒しておけばよかったぜ」
「すまない、30秒、魔王を引き付けておいてくれその間に竜は倒す。」
「こちらは気にせず、竜に専念してください」
「死んでも、時間を稼ぎます」
「別に倒してしまってもいいんだろ」
何だろ、全然30秒持たしてくれる気がしない。
「とりあえず、命、大事にでお願いする」
そう言った時には既に、仲間たちは、顔だけ出た状態で、埋まっていた
「動けません」
「すまねえ、いきなり下に穴が開いて捕まっちまった。」
「土の中気持ちい」
「秒殺!!!」
「別に30秒なら待ってやるぞ、ほれやってみぃ」
「舐めやがって」
さっさと倒してやりたいが今は、竜が先だ。
そうこうしている、間にドラゴンは、ブレスを吐いた。・・・魔王に。
「わあああ、熱い、熱い」
「なんでお前がくらってんだ。手下じゃないのか?」
「違う、気づいたら城の中に、居座ってた」
「なんでそんなもん出してんだよ!」
「だって、ついでに倒してくれた一石二鳥かと思って」
このまま放置したら、竜が魔王倒してくれるんじゃないか。
真面目に、竜を倒そうかを考えていると、魔王は空間に手を突っ込み何かを探していた。
「あった!」
その声を聞いた時には、もう手遅れだった。いつの間にか横の空間に穴が開き、そこから匂い袋がとんできていた。
「ん、なんだこの臭い」
「その竜の大好物のニンニクの臭いだ。」
竜は、目の色を変え、魔王から俺に目標を変えていた。
「エンチャント氷」
聖刀に氷のエンチャントをかけている間に、竜は目の前まで来ていた。
「グォォォ」
しっぽ攻撃が来た。
「速い」
何とか聖剣で受け止めるが、数百メートルも吹き飛ばされてしまう。
「強い」
「そいつは、成竜だからな」
どうする使うか、魔王の前で手の内を見せて、大丈夫か?そうこう考えている間に、竜は一気に距離を詰め、こちらをかみ砕こうとしていた。
「仕方ない、スロータイム」
その瞬間世界から音が消え、自分を除くすべてのも動きが三分の一になる。
「一気に決めさせてもらうぞ、5秒しか持たないんだ」
竜を一刀両断する。
そして、再び時間が動き始める。
そこには、氷で出来た竜のオブジェクトがあった。
「次は魔王お前だ・・・・って何やってんだ!!」
魔王は、仲間たちを大きな鍋で煮ていた。
「いや、煮たらおいしいかなと思って」
「スロータイム」
もうなりふり構わず鍋を倒し仲間を助ける。
「熱くて死ぬかと思った。」
「いい湯でした」
「お腹すいた」
「全く冗談のつうじん奴だいくら私でも、流石に人は食わんよ」
魔王は、急いで両手に持っていたナイフとフォークを隠した。そして、仲間たちからスパイスの臭いがしていた。
「嘘だろ!!」
魔王をじと目で見る。
「べ、べ、べ、別に嘘じゃないし、魔王嘘つかないし!」
魔王は、逆切れ気味に、攻撃してきた。
「まじやべーぞ」
「これは、流石に」
「指輪ちゃんと、届けてね」
一瞬にして、一つ一つが人の大きさほどある火炎弾が数千個現れた。
「兎に角逃げろ、火炎弾は俺が何とかする。はエンチャント水」
聖刀にエンチャントをかけ直し、火の玉を捌きながらを来た道を引き返す。、スロータイムも使っているがインターバルが30秒あるので、全ては捌ききれずどんどん火傷が増えていく。
「あった」
仲間たちが扉から外に出ていく。
「ライトも速く!」
その瞬間、目の前の扉が無くなった。
そして、空間に穴が開き魔王が現れた。
「お前は逃がさない」
「こりゃ、死んだかな」
正直、魔力の桁が違いすぎる。それでも、この距離なら魔法を使う前に一撃入れれる!。さらに、聖なる武器で魔の物を切るとその傷は、治りにくい。
「スロータイム」
一気に距離を詰め一閃する。
「遅いな、この程度か」
「何!!」
いつの間にか持っていた扇子に、弾き飛ばされていた。
「うぁぁぁぁ」
そして、スロータイムが切れた。
「なぜ、普通に動ける」
「なーに、お前が三倍で動いたからこちらも三倍で動いただけだ。」
次元が違いすぎる、その時、初めて本当の絶望を味わった。
「これで終わりだ」
見えないほどの速さで振り下ろされた扇子に切り裂かれ、意識を失った。
「さぁーて、始めようかな」
魔王は、勇者に三つの魔法をかけた。
そして、倒れた勇者の応急手当てをし、ある町の入り口に空間を繋げ、そこに勇者を放り込む。
「シン約束は、守ったよ」
この日を境に、勇者は行方不明となった。