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27 すべきことは
夜。
「・・・」
無言のまま昨日と同じように大剣を背負い、鞄を持つ白神。まだ月は昇りきっておらず、周囲のほとんどの建物の窓からは明るい光が漏れていた。
少女には悪いが、これだけ早い時間から動くことができるのは幸運だな、と。そんなことを思いながら窓枠に足をかける白神。この時間ならば、日が昇る頃くらいにはなんとか全ての用件を済ますことができそうだった。
外に降りる前にベッドへと目をやる。そこでは毛布にくるまったままの少女が眠っていた。あの後、少女は泣き疲れたのかすぐに眠ってしまったのだ。
ぎゅっ、といつも袖を掴んでいるように毛布の端を握っている少女。
その様子を微笑ましく感じながらも白神は視線を外に戻す。少女のためにも余計なことは考えず、できるだけ早く終わらせるべきだろう。
窓枠を蹴る白神。
今夜も街は静まり返っていた。




