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低レアさんのほどほど無双  作者: 亜空間会話(以下略)
一章「罪に沈みしもの」
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001 めざめ

 やっとできたので投稿。


 いろんな作品のいろんなアイデアを再利用して作った作品です。どうぞ、お楽しみください。

 頬が冷たい。ベッドの中で端末をいじっていて寝落ちするのが最近の眠り方だったので、枕の柔らかな感触くらいはと思ったのだが、どうも石畳の上に寝ているらしい。周りを見ると、ほとんどの人は目覚めていた。


「なんだここ……」


 言った声が、妙に細かった。起こした体はやたら重くて、しかも――


「えっ、なんで女装してんだ俺」


 俺の通っていた高校の、女子の制服だ。ドッキリにしてもひどいものだし、先輩からかわいいかわいいと言われてはいても、先輩と交換したブレザーとスカートはいろいろ刺激が強すぎたのもあった。いい思い出とは言いにくいやつである。


 しかし、どうも違うらしい。背中まである髪は引っ張ってもかつらみたいにズレないし、ほゆほゆとヘンな感触の胸は詰め物ではないし、肌の質感やら声もかなり違う。めくって確かめるのはあれなので暫定だが、ナニもない。


「えーっと……君の、そう……キャラネームは?」


 混乱の極みにある俺に、カバンを持ってないサラリーマンみたいな人が話しかけてきた。袖口がちょっと白いので、教師かもしれない。


「ジクス、です」


 ついつい「俺は」と言いかけたが、お互いに誰が誰なのかまったく分からない状態だ。いきなり「もとは男でした」と女が言い出しても、混乱が増すだけだろう。


「うちの学校の制服だね。とりあえず、固まって避難しとこうか」

「はい」


 見覚えのない人だが、教師としてちゃんと動いている。何が何だか分からないこの状況でも落ち着いて教師でいられるなんて、本当にすごい人だ。案内されたところへ行くと、確かに見覚えのある制服がひとクラスより少ないくらいに並んでいた。見知った人同士で集まっているようで、ところどころで会話が弾んでいる。


「あ、スズナ先輩!」

「ん、ユーくん……ん?」


 しまった、と思った――のだが、どうやら見ただけで同一人物だと分かったらしい。


「相変わらずかわいいなぁ。趣味として極めてくれたんだね、女装」

「違うんですよ……本物ですよこれ」


 みょんみょんと髪の毛を引っ張ると「おやー?」とスズナ先輩は不思議そうな顔をする。そして、すすっと俺に歩み寄った。一瞬でしゃがんでスカートの中をのぞき見たあと、太ももをちょんとつっつく。


「な――ひにゃぁっ!?」

「わ、本物だ」


 めっちゃくちゃぴくっとした。


「こっちもだ……」

「ちょ、ちょやめ」


 ぽいんぽいんとクッションで遊ぶように胸で遊ばれている。


「後輩に何やってんのさ、スズナ」

「私のかわいい後輩だから、何をやってもいいの」


「言い切らないでくださいよぉ……」

「あ、かわいい」


 泣きそうな顔がかわいいとか言われてしまうとだいぶマニアックな気がする。


「後輩ちゃんで遊ぶのはいいけど……」

「よくないです」


「いいけど、ここどこだろうね」

「そうだよね。ヨーロッパって言うには、ちょっと変だけど」


 西洋あたりの、古い街並みを残した場所のようでもある。ただ、現実的にあり得ないものがいくつか、物質的にも、法則的にもある。何百人も入れる広場だって、それを作ろうという声すら上がらないかもしれないもののひとつだ。


 真珠で作られた人魚の像が据えられた噴水――継ぎ目も風化の跡もない、二メートルはあろうかという真珠は、この世にはない。それに、あらゆる意味で耐久性が低い真珠で像を作ろうなんて考える人などいるわけがない。


 あちこちに設置された角柱と、その上でくるくると回る結晶体。俺たちの知っているような動力もなく、浮かせる力も動かす力も、俺にとって未知のものだ。ガラスに閉じ込めたおもちゃなら近いものもあったが、同じには見えなかった。




 突然、空からシュルシュルと光のヒモのようなものが集まり、空中にモアイのような形を作り出した。そして、そのモアイは穏やかな口調で話し出す。


『ようこそ、クロニカ・エムロードの世界へ。あなたたちはとある災害で亡くなった被災者の方々です。すこし死者が多すぎて冥界の入り口が混乱していましたので、しばらくはこちらでの預かりということになっております』


 クロニカ・エムロードという言葉を聞いた瞬間、おそらくその場にいる全員が納得した。真珠の人魚像は、あのゲームのPVにも登場するスタート地点「真珠の街」のシンボルだ。ストーリー上でもこの街に来る機会は何度もあって、見覚えのある人は多いに違いない。


 それはともかく、モアイの言ったことは重大事だ。


「先輩、俺たち死んでるみたいですけど」

「そうは思えないんだけど」


 むしろ新たに何か始めますと言われた方が納得できる。


「だよね……これから何が始まるのか、そっちの方が大事なんだよね」


 スズナ先輩と一緒にいた、ボーイッシュな先輩が言った。


 周囲は騒がしくて、モアイを質問攻めにしている。


「俺たちはほんとに死んでるのか? 復活はできないのか?」「死んだっていうけど、そんときの記憶がないじゃないか! どうやって連れてきたんだ?」「さっさと死なせてくれない?」


 明るい言葉も暗い言葉も入り混じっている。そして、モアイは口を開いた。

 ソシャゲ×TS×人外主人公(?)な新作、開始です。TSは大学以降久しぶり……たぶん三年から四年ぶりにやるから、リョナ以外の全部の性癖ぶち込んでいきますよー。ふへへ。


 初日に4話まで更新、そのあと一章の終わりまで連続更新の予定です。

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