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ダリア、引っ越しします。2

 ☆



さて、今日も晴天である。雲一つ無い青空だ。今日は最高気温更新らしい。雨は嫌いだが、こうも暑い日が続くと恋しくなる。雨降ると涼しくなるし。


で、話は変わるが、ついに城が完成したらしい。宣言通り2週間キッカリで。ナイトが嬉しそうに知らせに来た。


規模的には城じゃなくて屋敷に近いらしいが。どちらにしても尋常じゃない速さだ。一体どんな手品使ったんだよ。


まあそんな訳なので、俺とイサメとナイトで荷造りをしている。猫ちゃんはダンボールに入って毛繕いしてる。


王都に引っ越して来る時にはダンボール4つで済んだ筈なのに、2年半経った今では物置が溢れ返っていてビックリした。


中は漫画とか雑誌関係ばかりだ。そういやイサメに、綺麗にしたいから仕分けしてくれ、と言われてた気がしないでもない。


勿体無いじゃん、って言ったらイサメが黙っちゃったような記憶もある。


貧乏性なんです、はい。ゴメンねイサメ。



「……えーっと、なんだコレ」


荷物を年末の大掃除並みに整理していたら、懐かしい物を見付けた。


刀身は柄からもげていて使い物にならない木刀である。


夏休みに入る前のあの日の事が頭をよぎる。イサメ達を召喚したあの日だ。護身用で持って行いくも火の玉にあえなく敗北した思い出が目蓋の裏に甦る。


ついでにビビりまくっていた自分の事も思い出してしまったので、直ぐに頭を切り替えた。


要らないのでゴミ袋に突っ込むと、


「ダリア様」


イサメがそのゴミ袋から木刀を回収した。


「ん? 何?」


「この木刀は廃棄されてしまうのですか?」


「だってそれ折れてるからね。使えないでしょ」


「わたくしが戴いても宜しいでしょうか?」


「え」


言葉が詰まった。使い道ないだろ、それ。


「な、何に使うの?」


「ダリア様の恩恵を受けた木刀です。刀身と柄を接着し、肌身離さず常時帯刀させて頂きます」


恩恵ってなんだし。それ土産で買っただけなんだけど。


「そ、そうか。欲しいならあげるよ」


「ありがとうございます」


廃棄物をあげただけなのにイサメがひざまづいて頭を垂れてきた。だからオーバーリアクション過ぎんぜ、君。



「なあコレ、荷物ってどうやって運ぶの?」


俺はふと気になったので聞いてみる。ナイトが飛行魔法で飛ばしてくれんかな?


「荷物ですか? こうします」


ナイトはそう言ってガムテープで封をしたダンボールを膝ぐらいまで持ち上げる。


「よいしょ」


そのまま荷物を積み上げるような動作をしたかと思うと、ダンボールがぐにゃりと歪み、消えた。


「……え?」


状況が理解できずに目をこする俺。……あれ、可笑しいな。視力落ちたかな。


「な、に、したん?」


「えっと、異空間を造りました。ほらこの通り」


ナイトが虚空に向かって腕を伸ばすと、肘から先が消えた。


「ここ、少しですけど陽炎みたいに揺れてますよね? 異空間に繋げて収納スペースを作りました。荷物はここに入れるので大丈夫ですよ」


「へ、へぇ~」


相変わらず凄い魔法使うな、この人。全国の主婦&主夫の方々が喜びそうな魔法だ。


「あとさ、ナイト。もう1つ聞いていい?」


「なんですか?」


「君の髪の毛……独りでに動いてない?」


さっきから気になっていた。ナイトの赤のツインテールが意思を持っているかのようにダンボールに荷物をまとめているのだ。


「魔法ですね。操作系の」


「ナイト殿、その髪の毛が蛇みたいで気持ち悪いそうですよ。ダリア様を傷心させるとは何事でございますか?」


イサメがキッとした目でナイトを睨み付ける。


……いや、気持ち悪いなんて思ってないし、そんなんで傷心するほどメンタル弱くないんだけど。


「……切ります」


ナイトが消沈しそうな声でツインテールを掴んでハサミを取り出したので、焦った俺は制止を試みる。


「い、いや待て! 大丈夫! 綺麗だから! そりゃあもう宝石みたいに!」


「綺麗……ですか?」


「あ、うん。綺麗」


「綺麗……私が?」


「いやうん、髪だよ、髪。美人だとも思うけど」


「び、美人……!?」


ナイトは『美人』と言う言葉を復唱しながら両手を頬に当て、顔を真っ赤にしてくねくねと動き出す。


「……いや、そんな、美人だなんて! そんな……もうダリア様! 美人だなんて!」


ナイトがバグった。


しかもツインテールで器用にハートまで作っているというオマケ付き。

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