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ダリア、引っ越しします。1

朝の3時。まだ太陽が顔を出さない時間帯だ。


俺の朝は早い。俺に睡眠は必要無いのだ。だって堕天使だから。エネルギー効率がハンパないんだ。


場所は屋敷の外。完成した屋敷をバックに置き、前で眠そうに目をこする女共を見下す。シロとナイトとリュウだ。叩き起こしてきた。


シロは寝覚めが良くて確り立っているのだが、ナイトとリュウは別だ。こんな素晴らしい日が来たというのに、腑抜けた面で欠伸をかいている。


「おいテメーら。今日からダリア様がここに住む事になるが、覚悟はできてんだろうな? おいそこ2人、お前達に言ってんだよ!」


キレた俺は足下の石ころをナイトとリュウの頭に向かって投げつける。石ころは見事に2人の額に直撃し、リュウがそのまま倒れた。


「……ねえ、ルシファー。まだ3時なんだけど」


額を押さえたナイトが愚痴を叩く。まだ覚醒しきってないせいか、身だしなみがだらしない。


「もう3時、の間違いだろ」


「いや、貴方の常識は私達に通用しないから。まだお休みの時間なの」


「……そーだそーだ,横暴だ。訴えてやる……!」


リュウが応戦してきた。


「……ボクらは睡眠が必要なんだよ、キミと違ってね。寝不足は美容の大敵なんだよ……? ボクの成長が止まったら、ルシファーはどう責任取ってくれるの……?」


「俺の髪の毛1本やるよ」


「それより、私達をなんで起こしたの? 暇潰しの相手でもして欲しいの?」


「ちげーよナイト。ほらアレだよ、決意表明。ダリア様が来る前の最終確認だ」


「それ今やらなきゃ駄目なの? なんでこの時間なの?」


「バカ野郎! 決意表明は今の時間じゃなきゃ意味無いんだよ!」


「なんで?」


ナイトの口調に疲れが見え始めてきた。イラつき度も溜まっていそうだ。リュウなんかさっきから黒いオーラ出してるし。


仕方無いからナイトの質問に答えるか。


「だって今起こせばお前達の面白い顔とか見れんじゃん?」


「は?」


「暇潰しに付き合ってくれてありがとう。大変満足しました。あ、お前達のダリア様へ忠誠心は死ぬほど知ってるからやっぱ決意表明は無しで。もう寝ていいよ。解散!」


笑いながら手で虫を払うようにヒラヒラ動かすと、ナイトがキレて頭突きしてきた。


「……あ、ちょ、待てって。遊び心だったんですって」


「私は遊ぶ時はいつも全力よ」


ナイトが眉間にシワを寄せてひたすら肩パンしてくる。痛いな、止めろよ。


追い討ちをかけるようにリュウが俺の天使の翼に噛み付いてきた。


「あ、待ちなさいリュウ、噛むなよ。手入れしてんのが無駄になるじゃんかよ」


「……心外だなぁ。ボクは手入れをしてるんだよ」


そう言ってほくそ笑み、リュウが俺の羽をむしり出す。流石にそれは止めて欲しいので、謝罪をしてみる。


「ごめん、悪かったって───痛っ! ちょ、謝ってんじゃん! 腹パンはないわ!」


「遺言はそれだけでいいの?」


「はい。ごめんなさいです」


ナイトの圧に潰されて土下座してやった。反省は別にしてない。


「俺が悪かったです。でも、暇な時にまた起こしに行くのでその時は宜しくお願いします」


そう丁寧にお願いしたにも関わらず、ナイトとリュウが足で蹴ってきやがった。ふざけんな。俺が悪いみたいじゃないか。


「待てって! 話を聞け!」


痛いのは嫌なので弁解を試みる。


「シロを見てみろ! 夜中に起こされてもお前達と違って全く怒っていない。それに綺麗な姿勢を保ち続けている。それに比べお前達はなんだ? 身なりがだらしない上に平気で欠伸をする。女性としての恥じらいはないのか?」


「……ねえルシファー、キミかなり無茶苦茶な事を言ってるよ?」


自分を正当化しようとしたらリュウに指摘されてしまった。いいんだよ、無茶が過ぎれば通りが引っ込むんだよ。


「あと言っておくけど」とナイト。「シロ寝てるからね」


マジかよ。分かりにくいな。


本当に寝ているのか確認する為、そののっぺらぼうに油性ペンで顔を描いてあげた。しかし反応が無く寝息も微かに聞こえるので、本当に寝ている。マジで分かりにくい。



ま、この後みんなにこっぴどく叱られたけど。

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