ダリア、代行者達に会いに行きます。5
「あと、君らの寝泊まりしてるこの城なんだけど、やっぱ危ないしさ」
「それは魔物の事ですか? でも魔除けはしてありますし、この森に生息している魔物達はそれほど強くありません。私達で対処出来ますよ?」
自慢気に語るナイト。
「ほら、城が崩れたりしたら危ないし。食事とかも満足には取れないんじゃない? こう……不便じゃない?」
だからって、俺が何か出来る訳じゃないが。でも、皆で考えれば何か思い付くんじゃないだろうか。
他力本願だけど。情けない話だ。
「くっ……!」
悔しそうにルシファーが地面を殴る。
「ダリア様にご心配を掛けさせるとは……このルシファー、自分の非力をこれほど恨んだ事はありません……!」
「よしなさいルシファー。貴方だけの責任じゃないわ」
シロがルシファーの肩に手を乗せて慰める。
「気が回らなかった私達にも原因があるのよ」
「……ああ、シロ。ありがとう」
あの……いちいち大袈裟過ぎやしませんかね?
「しかし、それならご心配には及びません!」
ルシファーが力強く立ち上がり、自分の胸をドンと叩く。でも強く叩き過ぎたのか、むせた。
「ごふっ……。も、申し訳ありません、ダリア様。ですが、それについては考えがあります。この廃城ですが、建て直します」
「うぇ? い、いや……どうやって? 結構な大金がいるだろ」
「ナイトを“ヴィジランテ”へ行かせます。それが一番手っ取り早いかと。我々では目立ちますが、彼女なら素でも街を歩けますし」
「いや、それは……」
ルシファーの出した案に渋る俺。
“ヴィジランテ”とは危険因子の排除、要人の護衛、危険地帯への資源回収などを主とする民間企業の事である。
元は、国が対処しきれない魔物の群れや賊の為に結成した小さなボランティアの自警団だったが、当時の頭の良い奴がそこに介入し、実力のある者を集めて一大企業にまで成長させた。
依頼者は個人から国までと幅広く、魔物が現れても集団で動く軍より、少数編成されているヴィジランテのメンバーの方が到着が早く、国民にとっては軍より評価が高い。
名を早く上げたいならヴィジランテで功績を上げるのが一番だが、実力がものを言う上、個性的な者達が多い。悪く言えば荒くれ者だ。悪い評判の者も多いのだ。
因みに、クラスレジェンドの『星呼び』と『風神』が在籍している。
「新人潰しってのを聞いたことあるし……相場は良く知らないけど、ランクBぐらいの依頼を受けないと、大金は手に入らないんじゃない?」
「心配しないで下さい! 私なら全然大丈夫ですから」
巨乳の人改め、ナイトが自信満々にけしからん胸を張る。
……うーん、大丈夫だろうか。そういや、天域魔法使えんだな。なら大丈夫か。折角のやる気を削ぐのも悪いし。
「そ、そうか。分かった」
「ありがとうございます! ダリア様の名に恥じぬ活躍をしてきます」
深々と頭を垂れるナイト。
「ねえ……ダリアは城が完成したら一緒に住んでくれるの?」
「え?」
竜王ウロオボエ改め、リュウが俺の袖を引っ張りながら意味不明な事を聞いてきた。話の筋が見えませんねぇ。
「ダリア様、それについてどうしても了承して貰いたい事があります」
「何、ルシファー?」
「なるべく早くこの城を竣工させますが、ダリア様にはこちらへ住居を移して欲しいのです」
「え?」
いきなりだな、そりゃ。
「ダリア様が戸惑われるのも無理ありません。……が、こればかりは譲れません。ダリア様の住まいがアパートの一室など、心が痛みます。それに万が一の事を考えた場合、我々が付いていた方が安全なのです。どうか、了承の意を……」
ルシファーが膝をつき頭を垂れ、ルシファーに続いて他の者達もひざまづく。
いや……そんな急に言われてもなぁ。
簡単に承諾は出来ないよねぇ……。
「……ダリア様」
なんだよイサメ。そんな助けを求めるような目で見ないでよ。
「………」
なんだよ猫ちゃん。捨てられた猫みたいなオーラを出すんじゃないよ。
「ダリア様」
なんだよ巨乳の人。そんな上目遣いされても、簡単には承諾出来ないんだってば。
「ダリアぁ……」
そんな悲しそうな声を出すなよリュウ。ちょっ、涙ぐむんじゃないよ!
「ダリア様」
くぁwせdrftgyふじこlp。
心が折れたので承諾しました。




