ダリア、代行者達に会いに行きます。4
「えーっと、竜王ウロオボエだよね」
竜王ウロオボエは小動物のような可愛さだった。
身長は140ちょっとだろうか。腰まで伸びた銀の髪は鮮やかな色艶で、先端にかけて虹が出来ているみたいだ。綺麗な髪から覗く目は眠そうに垂れ、瞳は 常に色が変化していて、これも虹のようだ。
頭の両側面からは黒く長い角が伸び、尻の方からは爬虫類に似た長い尻尾が生えている。
そして、ゆるい雰囲気のある服装の上からではあるが、、少女らしからぬ発育の良さが滲み出ている。いや、こいつが何歳かは知らんけど。
メイドさんもそうだが、胸がある奴多いな。小さい頃の俺はデカい胸が好きだったのか。マセ餓鬼め! 良くやった!
彼女らに対抗するために俺も胸筋でも鍛えようかしら。
「そう……ボクは竜王ウロオボエ。会いたかったよ、ダリア……」
か細い声で腕を伸ばし、腹に回してきた。が、
「お止め下さい! 竜王ウロオボエ殿」
「メイドさん……離して。抱き付かせて」
メイドさんが抱えてそれを阻止した。竜王ウロオボエがバタバタもがいている。
「ダリア様、竜王ウロオボエは結構な怪力の持ち主なのです」
そう苦笑いしながら説明し出すのはルシファー。
「ダリア様が居ないと気分が低下し、非力になる上に良く転ぶようになります。逆に、ダリア様が目の前に居るとなると……」
「……ああ、潰されるのか」
「はい。しかも今日がまともなダリア様との対面になりますからね。気分の高揚具合は尋常では無いでしょう」
俺はゴクりと唾を飲み込む。あんな細い腕のどこにそんな怪力があるのだろうか。とんでもないな。
「……分かったよ。ボク、我慢するよ。確かに思い切り締め付けそうだし……」
なんか銀髪少女が怖いこと言ってる。
視線を銀髪少女からルシファーの隣で静かに立つ白い人にスライドさせる。
「で、君が白井さん……だよね?」
「はい。白井さんと申しますわ、ダリア様」
と、白井さんが一礼。前にも思ったが、やっぱ白いな。
モデルを出来そうな女性の体型だが、真っ白。顔まで真っ白で、のっぺらぼう。
白井さんを見て思い出したが、都市伝説の一つに白い人型の妖怪の話があったな。うねうねだかこねこねだか忘れたが、確か正体が分かった者は発狂し、廃人になるんだったか。
パッと見、白井さんはそっくりな気がする。彼女? が、変な踊りをしているところ想像すると……寧ろ爆笑しそうだ。
「それで、ダリア様。本日はどのようなご用件で?」
と切り出すルシファー。
「ああ。ちょっと話したい事があってさ」
俺はポケットからメモ帳を取り出す。
「皆の名前がアレだからさぁ、改名したいんだけど……いい?」
「はっ。ダリア様の贈り物なら喜んで」
ルシファーが膝をつき頭を下げ、他の代行者達もそれに続く。
メイドさん一人がひざまづくのですら何事かと戸惑うのに、それをこの人数でやられると一歩後退してしまう。
うん、慣れない。多文未来永劫慣れない。
さて、じゃあ成長したネーミングセンスを披露しようか。
「じゃあ先ずはルシファーなんだけど、君は変更無いな。一番まともだし」
「はっ」
「次に白井さんだけど、シロにする」
「畏まりましたわ」
「えー、次はダイナ・マ・イトボディだけど、君はナイトね」
「分かりました」
「竜王ウロオボエは、リュウ」
「うん、分かった……」
「マックロネコは、コロネ」
「了解した」
「最後にメイドさん。君はイサメね」
「有り難く頂戴致します」
メモ帳を閉じ、フッと息を吐き、思う。
あれ? 大してネーミングセンス無くね?
やっべ、前の方がセンスあるよきっと。人前には出せないネーミングだけど。
なんか恥ずかしくて死にたくなった。
「格好いい……」
いや待て銀髪娘。なんで喜んでんだ。あんまいい名前じゃないぞ。
「感動です! こんなわたくしめに新たな名前など……」
おい金髪メイド、鼻血を出すんじゃないよ。そこまで感動されると恥ずかしさが限界突破してしまう。




