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ダリア、代行者達に会いに行きます。3

「だ、ダリア様? 顔が青いですよ?」


後ろから巨乳の人の心配そうな声が聞こえてきた。


「だ、大丈夫だって。ちょっとビックリしただけだから。……これって、瞬間移動?」


「正確には空間転移ですね。それと同時に飛行の魔法をかけました」


「へ、へぇ~」


サラッと言ったが、空間転移って凄いんじゃないだろうか? 聞いたことない魔法だ。あ、俺の知識が無いんだな、反省します。


「ダイナ・マ・イトボディ、ダリア様の気分を削ぐとは何事でございますか? 感心しませんね。もう少し配慮というものを」


と、眉を寄せるメイドさん。


「ご、ごめんなさい、メイドさん。予告無しでダリア様を空に転移させるのは早計だったよ。張り切っちゃって……」


「まあ、ダリア様も大丈夫だと言っている。思い詰めてもダリア様の迷惑になるぞ」


そう言うマックロネコは、巨乳の人のツインテールに猫パンチでじゃれていて説得力に欠ける。てか可愛いな。



 ☆



「あそこです」


と巨乳の人が下を指差す。どうやら目的地に着いたみたいだ。


時間にして約10分。風の抵抗を受けない魔法をかけて結構なスピードで飛行をしていたが、予想以上に早かった。


障害物が何も無いって凄いな。地面の凸凹とか坂とかを無視出来るって凄いな。楽だわ。


「……ん?」


下を見て、俺は声を漏らす。着いた場所が視界を覆うほどの大森林なのだ。


巨乳の人が指差す先には、緑に染まった大地にぽっかりと空いた穴があった。目を凝らして穴を良く見ると、水色があった。どうやら湖みたいだ。


その湖の中心には、噂の廃城の姿があった。あそこに代行者達がいるのか。


しかし、と俺は顎に手を当てて考える。


王都アイテールの北東に位置するこの“悪魔の大森林”には強力な魔物が多く生息している。Lv.40オーバーの魔物も、随分と昔だが確認され、討伐された事例もある。王国でもっとも警戒されている“吸血鬼”の目撃例もある。


なぜこんな危険地帯の側に王都を構えているのかと言うと、王都と大森林の間には“カルゼン大河”といい巨大な川が流れているからだ。不思議な事に、魔物はこの川を超えてくるという事が滅多に無い。何か魔物を寄せ付けない力があるそうだ。


あと、この大森林には貴重な資源が豊富というのもある。王都を発展させるには重要なのだろう。専門家じゃないので詳しくは知らないが。


でも、何故あんな所に城があるんだろうか? 建てた奴が馬鹿だったのか、強い傭兵でも雇っていたのか。もしかしたら昔はそれほど魔物が多く無かったのかもしれないな。



「な、なあ。あそこに寝泊まりしてるの?」


恐る恐る巨乳の人に聞いてみる。魔物に囲まれてるとか、想像したくないな。


「そうですよ。昨日の内に半径1kmぐらいの魔物は狩っておきました。魔除けもしてあるので、近寄って来る魔物は少ないと思います」


「す、凄いな。大変だったんじゃないか?」


「いえ、全然。ダリア様の為ですからね」


そう言って、廃城に向かって降下を始める。



ダリア様の為? なんだろうか。気になるな。


巨乳の人に尋ねる間も無く、城の玄関だったと思われる位置に着地し、


「お待ちしておりました、ダリア様」


ルシファーがお辞儀で出迎えてくれた。両脇の白井さんと竜王ウロオボエも同じく丁寧なお辞儀を見せる。


「あ、ありがとう。出迎えてくれて」


「配下の者として当然の事です」


一日しか挟んで無いのに、久しぶりにあった気分だ。ま、とりあえずアレだな。今日の二つの本題にでも移るか。


ずっと思っていたが、名前が酷い。だから改名するのが一つ。


あと、こんな場所での寝泊まりは俺としては許可したくない。良心が痛む。まあ本人達は大丈夫って言ってるけど。だから話し合うので二つ、だ。


改名後の名前を書いたメモ帳が入っているポケットに手を入れると、誰かに袖を引っ張られた。


「だ、ダリア……始めまして」


銀髪の少女、竜王ウロオボエだった。

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