過去編 2
俺の家が燃えている?どうして、何で―――――
そう言えば、颯汰は...颯汰はどうしたんだ?
周りを見回したが姿は見えない...
まさか――――――――
頭より早く体が動いていた。
「やめなさいっっ、中に入っちゃだめだ!!」
誰かが叫んだがそんなことは構わない、一刻も早く颯汰を助けないと―――――――
多分、颯汰は2階の自分の部屋にいるのだろう。落ち込むことがあるといつも2階の自分の部屋にいるから 2階に上がろうとしたが火の勢いが強くなかなか前に進めない。そんな中、俺はさっき颯汰に言った言葉を思い出していた。
「お前なんかいなくなっちまえっっっっ!!!」
まさかホントにいなくなっちまうのか?嘘だよな、嘘だと言ってくれ。
いや
そもそも俺が家を飛び出さなければこんなことにはならなかった。
颯汰にあんなこと言わなければ。
もっと勉強を頑張っていれば。
後悔は後からやって来るっていうのはホントなんだな。後悔することをしている時には気が付かない。
「颯汰っっっっ!!何処にいるんだ!!返事してくれっっ」
俺の精一杯の声を出して颯汰を呼ぶ。だが聞こえていないのか返事が返ってこない。まさかもう.....
はっ、何を考えているんだ、そんな変なこと考えるんじゃない。そんな訳ないじゃないか。生きてる、そうに決まってる。
「お....おにい..ちゃん....」
「颯汰!!!」
声が聞こえたほうに目を向けると床に横になっている颯汰がいた。一生懸命こっちに手を伸ばしてきている。良かった!!弱々しくなってはいるが生きている、生きていた!!
「颯汰!!今助けるからな!!今すぐ.......」
そこまで言った途端、突然目の前で助けを求めていた颯汰が見えなくなった。上から炎で脆くなった天井が落ちてきたのだ。
「颯汰っっっっ!!??!」
――――――――――――――それからの事はよく覚えていない。気付いたら病院のベッドの上で寝ていた。俺はどうやらあのまま気を失ってあそこで倒れていたらしい。
颯汰は、颯汰はどうなったんだ、と聞いたら......
「颯汰は.....颯汰は...」
とそのまま顔を伏せて泣く母親を見て全てを知った。
颯汰は死んだ。死んだ.....死んだ。
前作から時間が空いてしまってすいません。これからもちょくちょく書いていくのでよろしくお願いします。