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2/21までの夢

毎日のようにフルカラーの夢を見るので、夢日記を付ける事にしました。

ただ、それだけ……のはず。

## 2/15の夢

 この指先から感じる艶やかな感触が心地良い。愛でるように指と特注の木櫛で髪を結い上げて行った。

 あぁ、この人肌ではない触り心地は感動する。

「君も飽きないね」

彼は髪を撫でる指先を見つめながらため息を漏らす。

「そろそろ、義体に接続したいんだけど」

 この髪へ興味を失った。

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## 2/16の夢

 言葉で噛み付くのは面倒だ。いや、相手の事を考えなければ良い。私は実際に噛み付き、舌で温もりに満ちた柔らかい皮膚を撫でる方が好きだ。首筋や手首を好む者もいるが、足首や、内股の方が良い。

 一族の趣向的な問題で臀部と言い出す輩までいるから、吸血鬼は一筋縄ではなかった。

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## 2/17の夢

 それはほんの一瞬の出来事。誰もが気付かない内に誰かが死を覚悟した。

 彼はベルトのバックル装置にあるボタンを規則正しく押すと、身体の周囲に光が集まる。閃光と耳を貫くような音が疾走した。

 歩いている人の誰かが振り向く。その人だけが、半獣を殺した彼の姿を記憶の外に留めた。

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## 2/18の夢

 僕にしか知らない彼女の秘密がある。それは両肩甲骨の中間部分に、扉のようなタトゥがあった。実はそのドアを開ける事ができる。

 頬を染め快楽に染まる彼女を気にせずに扉を開けてやると、全て忘れてしまったような惚けた表情になり、男の声で別人になるのだ。僕はお前に興味がある。

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## 2/19の夢

 眠りから意識が目覚めようとしているからだろうか?やけにリアルな夢を観たような気がした。それとも、これがデジャブ?

 少し微睡んでからベッドを抜け、ウィンナー炒め、きんぴら、卵焼き、おにぎりの簡単な弁当を作って出かけた。オフィスにはやはり彼女がいる。

「ほい、お弁当」

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## 2/20の夢

「はじめてだったのに…」

 ようやく身体の自由を取り戻して、部屋の中を動き回る。鏡に写る自分の姿を見て溜息を漏らした。服の汚れが気に入らない。そこは気を配ってくれても良いのに。

「わ、私をどうするつもり…』

眼前には身体の自由を奪った人がいる。

「同じ事をするだけだから」

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## 2/21の夢

 熟れた果実を頬張るように、指や二の腕や肩、鎖骨や首筋など甘く牙をたて痛覚を飲むように唇をはわせる。

 背後で見ていた重装備の彼女が呆れているのを感じた。

「視姦がお好みで?」

 照れ隠しで投げられたリンゴを背中で受ける。

「で、どうなの?」

「11時間経過、狼人になりかけ」

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