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サンライト  作者: 鬼京雅
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ヘルズドラゴンとの戦い2

 謎の仮面騎士が現れた事により、竜史は自由に動けるが仮面騎士も虚無を抑え込む事は完全に出来ていない為、新技に集中出来ない。どれだけ地上の三人の女子がヘルズドラゴンを引きつけようにも状況が好転しない。

「あれは誰? 誰が仮面騎士を……」

 その動きをメイサは注視する。刀による攻撃を受け続ける虚無は前とは違う違和感を感じていた。

(この感覚……何か違う。前は刀じゃなくサーベルだったし、剣速もやや早い。それに体格が小さくなっている……)

 瞬間、背後に後退した虚無は笑う。

「そろそろおいとまするわ。あのヘルズドラゴンは進化する魔獣。貴方達の活躍のおかげで更に進化したからここで充分。イクスに進化したらこんな所は一気に消える」

 言うなり虚無は炎の中に消えた。

 一応の安堵を得た全員は改めてヘルズドラゴンを見る。

 すると、その身体から白い煙が発生し突如腕が生えた。

「な……何だ? 進化してる……」

 その竜史のつぶやきが現実と化すように額に第三の目が開き、翼は左右二枚増え、系六枚羽根になる。上昇を始めるヘルズドラゴンイクスは真下の人間達を見据え、禍々しい口に粒子を集中させる。

「まさか――! 竜史! 下の連中を助けるぞ!」

「!? あっ、あぁ」

 一瞬、仮面騎士に名前を呼ばれ驚く竜史は屋上から飛び降り、地面にサンライトをぶつけ着地した。目の前の仮面騎士はイエローの閃光を発し、地面を消滅させて着地した。それを見たメイサは、自分達に近づく仮面騎士にサーベルを突き出し、

「どういうつもり月下ヒカル? まさか月下光史朗があの化物を止める指示を出すはずが無い。貴女が父親の指示を無視するとは思えないし。答えなさい」

「……私は私個人の意思でここに来ている。私は仮面騎士だ。今は貴様等に見方する」

 その間にも上空のヘルズドラゴンイクスの口には恐ろしいほどのエネルギーが収束して行く。地上ではメイサと仮面騎士が黙ったまま見つめ合う。蘭子とパン子は毒を吸いすぎてフラフラであり、見かねた竜史はその二人の間に割って入る。

「今は奴を片付けるにはいい見方だ。それがたとえ月下ヒカルだったとしてもだ! やるぜメイサ――」

「竜史! サンライトを全開にしろ! 来るぞ!」

 ブフオオオオオオオッ! という紫のエネルギーバスターが口から放たれ、地上の全員に迫る。ズボウンッ! という騒音を上げ、校庭の土と校舎の一部は蒸発する。その衝撃波は月下山脈の森を駆け抜け揺るがす。そして、空間を覆っていた煙が晴れると、土にまみれる男女の姿が現れた。

「生きてるかみんな!」

 叫ぶ竜史の声にかすかな返事がある。パンツ丸出しで倒れるパン子の身体にかかる土を払ってやり、全員の無事を確認する。真上を見上げる仮面騎士は般若の仮面の奥で笑いながら言う。

「もう二発目の準備に入っている。急がないとこっちの反撃の時間が無くなる。竜史、盾になれ」

 その言葉にメイサは反抗する。

「盾になれってどういう事よ? 貴女はあの竜に勝てる策があるとでもいうの?」

「あるさ。だから全員下がれ。ここは竜史と私で対応する」

「そういうわけにはいかないわ。私達は仲間だから」

 仮面騎士の言葉を聞いてすぐさま逃げ出そうとするパン子の足が止まる。竜史と蘭子は二人の会話に聞きいる。メイサはひたすら仮面騎士に噛み付くが、仮面騎士は話の妥協点を捜す。

「……では一分。一分稼げ。そうすれば決着はつく」

「それならいいわ。皆さん、一分を稼ぎましょう」

『任せろ』

 メイサ、蘭子、パン子の三人は残る力の全てをもってヘルズドラゴンイクスの注意を引き続ける。邪竜の六枚羽根から放たれる死の花弁が空間を爆撃していく。この状況も後一分も持たないだろう。つまり、後一分後には全てを決着させなければならない。作戦会議をする竜史とヒカルは上空の悪魔を見上げ、

「あいつをお前のルナティックで消滅させる事は出来ないか?」

「全開でルナティックを使えば消滅はさせられる。だが、父上からは手をだすなと言われているんだ。だからここは朧で制御する。せめて大会が終わるまでじっとしてるような強力な朧でな」

 言った瞬間、死の花弁は止み収束していたカオスブラスターの波動は真下に向けられて放たれる。カッ! と目を見開く竜史は全快にしたサンライトを帯びる両手で滝のようなエネルギーを防ぐ。ズシンと足は沈み両腕はすでにヒビが一直線に入る。奥歯は欠け、瞳孔は開き顔は死を受け入れ始めている。

「ぐううううあああああああああああーーーーーーーーーーっ!」

「少しの辛抱だっ! 月よ我に力を貸せ! ――おおっ?」

 周囲に拡散したエネルギーが地面で炸裂した風圧で体勢が崩れて瞳と瞳が合わない。

 ザクリ……! と鋭利な爪がヒカルの利き腕である左腕を大きく抉る。

「ぬぐっ……あああっ!」

 血まみれで落下する仮面騎士を竜史は受け止める。

 グッ……と仮面騎士を睨むメイサは拳で地面を叩き、全員の心は一致する。

 失敗した――。

 仮面騎士の朧は失敗し、仮面が爆風で吹っ飛んだ。転がる竜史は残るサンライトのパワーではもう防ぎきれない。もうメイサ達にも手助けをする力が残っていない。絶望が広がる全員の心に仮面が吹き飛んだヒカルの声が響く。

「信じてくれ! 私とて通っていた学園だ。愛着もある。あんな化物に壊されるのは気にいらん。女の園を無くすわけにはいかないんだ!」

 般若の仮面をかぶって感情を消しているはずなのに感情をむき出しにて叫ぶその女に全員は驚愕する。ガッ! と肩を組み竜史は言う。

「信じるぜ……お前がこんなに必死になってんのを始めて見た。サンライトとルナティックで奴を抑え込むぞ!」

 そしてヘルズドラゴンイクスのカオスバスターが容赦なく放たれる。ドス黒いエネルギーの本流が竜史のサンライトに直撃する。それをさばききれない――が、

「お前達!」

『仲間をほっとけるわけないでしょ!』

 竜史の三人の仲間の少女が竜史の横に現れる。そしてメイサは、

「この仮面騎士は気に入らないけど、考え方には共感出来る。たから力を貸すし、竜史が信じた奴は私も信じる。貴方は私の……世界の光だから」

『そーゆー事』

 メイサ、蘭子、パン子の三人が竜史に力を貸す。それは肌に触れているだけだが、竜史の底力を引き出すには充分だった。

「――ぐおおおおっ!」

 額の血管が浮き出て、指が数本折れ、腕はもう耐えられない。

 その四人の盾の真後ろにいる仮面騎士の両眼が月の形に変化し怪しく輝く。

「コード・ビャクヤノヨルニツキハカガヤク」

 月の加護を受ける強化コードを使うヒカルは全身のルナティックのオーラが三倍にまで増す。そして両目の月が回転を始め――。

「――朧」

 バッ! と微かにまだエネルギーの本流が残る両者の間に突っ込んだ。仮面騎士の仮面は吹き飛び、深手を負う左手から血が吹き出て、更に右半身も焼かれる――が、仮面騎士であるヒカルの両目は目の前の邪竜の瞳を篭絡していた。

「オオオオオオッ……」

 突如、放たれていたカオスバスターは消失し、空間に静寂が満ちる。少しの間メイサを見つめたヘルズドラゴンイクスは何かを思い出したのように翼をはためかせ虚無ラボラトリーに帰って行く。へたりこむ竜史はメイサに支えられ、蘭子とパン子も竜史のそばにより地面に座り込む。

「とりあえず、アレの決着は大会が終わってからだ。俺が大会で優勝して光税を無くせばもうあんなドラゴンは必要なくなるからな」

「月下に喧嘩を売るか……って言っても私は今は仮面騎士。私には関係ない話だったな」

 じっ……とその四人を見て仮面をつけるヒカルは慢心相違の身体をひきずるように姿を消す。半壊する月下学園の火災は収まり、生徒達は自主的に崩壊した校舎の消化活動にあたっていた。しかし、ここまで倒壊すると修復するよりも再建した方が早く、竜史は月下学園の女子生徒達に大会の優勝のあかつきにはこの学園の再建を申請した。そして、ついでにハーレムになる学園の生徒になる権利も主張し、真っ黒になる全員を笑わせる。そして、怪我を癒す間もなく準決勝の日が訪れる。

 相手は月下の闇を司る悪魔のオネエ。

 天災科学者であり怪物美男子の虚無隼人である。


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