表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンライト  作者: 鬼京雅
20/36

ヘルズドラゴンの襲撃

「寝姿はかわいいな竜坊。甘えん坊め」

 翌日、早朝。

 竜史の泊まっている月下ホテルの部屋の前にパン子が現れ、フロントから盗んだマスターキーで部屋に侵入し女二人の尻に挟まれる竜史に電気アンマをかまして無理矢理起こす。すぐに竜史と蘭子は起きるが、イビキをかくメイサは一向に起きる気配が無い。その騒音を聞きつつ、あくびをしながら頭をかく竜史はパン子の股間が濡れている事に疑問を持ちながら話を聞いた。

「……昨日の夜にドラゴンが現れたか。現場には人間の血と、ドラゴンらしき足跡……」

 そのドラゴンは虚無の飼うヘルズドラゴンに間違いないと思った。やれやれと思う竜史はパン子をなだめながら着替える。

「ノラドッグがいなくなって浮かれていた生徒達にヘルズドラゴンが襲いかかったという事だな……ヒカルの判断か、月下光史朗の判断か……ともかく、これからは夜間の外出は厳禁だ。手に負える相手じゃない」

「じゃあどうすんの? 倒せんの?」

 顔を洗ってきた蘭子は問う。

「対処せざるを得ないだろ。本当にヘルズドラゴンか確認ついでに今日の夜にその場所に行く」

 いつの間にか目覚めていたメイサは酷い寝癖を直し、朝食の準備をしている。ストレッチをする竜史は早朝から一人で森へ出歩くパン子に注意をした。

「一人で朝方マラソンしててもし、ドラゴンに出会ったらお前が殺されてる所なんだぞ。一人でチョロチョロすんな。次は死ぬぞ」

「途中でウンコしたくなったから地面が平らないい段差があったからそこでしてたら、ドラゴンの足跡だって気付いたの。地面に血もついてたし怖かったわー」

「お前はどこでもかしこでも野糞すんな。あーっ! そういえばお前の野糞踏んだ事あるわ!」

「たぶんノラドッグのじゃない?」

「俺の嗅覚なめんなよちくわちゃん」

「変なアダ名つけんな竜坊」

 ワッショイをしながらパン子は逃げようとするが、突然の振動で倒れる。大きな地震のような揺れに身を潜めていると、学園のほうで爆発音と煙が上がる。

 窓の外を見る四人はその光景を目の当たりにし――。

「俺とメイサが仕掛けた学園内の花火トラップが作動した……こりゃ奴さんがもう来店したらしーな」

「招かれざる客は月下学園に必要無いわ。始末するわよ」

「あぁ、行くぞ!」

「私の因縁も終わらせる……」

 朝食をかっこんでから四人は月下学園に急行した。





 月下学園の校庭には紫色の魔獣が逃げ惑う生徒達を嘲笑うように跋扈していた。

 突然の大きな振動を感じ、煙が上がる学園に学生宿舎から生徒達が向かうとヘルズドラゴンは炎を吐き出し建物を焼いていて、唖然とする生徒達はこれが光が呼び寄せる魔獣かと思い暴れる暴君から逃げ惑う。

「とっとと逃げろ! ここは俺達が引き受ける!」

 月下学園に到着した竜史はサンライトを全開にし、サンライトスラッシュを叩き込みヘルズドラゴンの意識を自分に向けさせる。火の手が上がる校舎の煙は月下山脈に広がり始める。それに気が付くヒカルは歯痒い思いをしていた。父親の光史朗に月下山脈で起こる全てに干渉せず、太陽計画のみに集中せよと直々に言われているからである。

「……このままだと月下学園はヘルズドラゴンの攻撃で消え、あの周囲は炎で焼け落ち更地になるだろう。くそっ! 私にはどうにも出来ない……」

 机を叩くヒカルは竜史の活躍を考えるが、それは虚無が阻むと思い歯を噛みしめる。

 そして更に強化されたヘルズドラゴンは空を飛び始め、ヒット&アウェイを中心とした攻撃になり始めた。炎を吐き出し校舎を焼き、身体の穴からは毒の霧を噴射して空間を汚染し、鋭利な爪や翼で人間を屠る。その進化した魔獣に手を焼く竜史は、

「このままじゃ拉致があかない。試した事は無いが、サンライトを応用して奴を倒す。時間を稼いでくれ」

「だって、サンライトスラッシュがまともに効いてないじゃない。どうするの?」

「それは竜史に任せて私達は動くしかないでしょ。パン子さん、足を止めたらダメよ」

 本当に大丈夫なのかと蘭子は疑問に思うが、メイサの言葉に従う。燃える校舎の屋上に駆け上がる竜史は目まぐるしく動き確実に毒のダメージを受ける三人を思いながらサンライトの力を更に増す。オレンジのオーラは広がっていき、逆立つ髪の鋭さが増す。

(……そうだ。新技なんて聞こえがいいが出来そうな気がした技があるてだけ。この前の白蓮三騎衆が使った竜巻……あれが出来れば俺のサンライトは大きく進化するはず!)

 これからじっくり修業をしようとしていた技を繰り出そうとする。サンライトを竜巻のようにして放てば、巻き起こる毒の霧も吹き飛ばせヘルズドラゴン自体も抑え込む事が出来る。

「燃えるぜ! サンライトボル――ス!」

 バッ! と両腕を前に出し喉を詰まらせながらも竜巻のイメージを目の前に作り出す。すると、暴れまくるヘルズドラゴンの真下に微かな炎の竜巻が生まれ出す。それを更に大きく出来る確信がある竜史は一気にそれを竜巻のように大きくするイメージをする。ブオオオオッ! とサンライトを帯びた竜巻が起き始めヘルズドラゴンはそれに呑まれ身動きが止まる。

「やるわね竜坊。中々の竜巻じゃないの」

 そのオレンジの竜巻を見て口から軽く血を吐くパン子は言う。ハンカチを差し出すメイサはこのままトドメをさしてくれと思う。学園の校舎の屋上の竜史の後ろに、白い長い髪の美男子が立ち、ペロリ……とその耳を舐めていた。

「こんにちは太陽竜史。新技らしいけど、邪魔はしないで頂戴。光は魔を呼ぶって話が無いと月下グループの光税が徴収出来なくなるからこの出来事は必要事項なの」

「貴様っ――ガッ……ハッ!」

 一撃で竜史は倒れヘルズドラゴンは全身をサンライトでカミソリのように焼き刻まれながらもまた動き出す。

 そこには虚無隼人が現れた。ヘルズドラゴンと虚無を同時に相手にするのは不可能である。地上の三人は動揺を隠せない。倒れる竜史は虚無に踏まれたまま動けず、この状況を打破する策も仲間もいない。誰もがこの状況から勝つ事を諦めた瞬間――仮面をつけた騎士の刃が虚無に殺到した。

「なっ! 何よあなたは!?」

「ただの仮面騎士さ」

「――!?」

 そこには般若の面をした金髪の長い謎の仮面騎士が現れた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ