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第六回スコップ・また番外

 今回は、なろう作品の紹介はなしです。

 商業作品、それも大御所出したので並べるのはちょっと。(汗




 森村誠一著、「黒いファントム」を今さらで読み始めました。

 家にあったのになんとなく敬遠していたんだけど、軍関係の話を考えているので、参考になるかと思って読み始めて。はっきり言って、偏頭痛との闘いのが激しくて内容はイマイチ入ってません。

 ちょっと集中するとズッキンズッキン、地獄だ、地獄っ! だが負けん!!

(病院へ行けとな? 病院は痛いし怖いから嫌だ。放っときゃ治るからいいんだよ。)


 で、自衛隊を扱ってるんだけど……もにょもにょする。

 今でこそ、震災関係とかでどんだけ彼らが人間味に満ちた、本当に普通の人であるかは森村氏ほどの作家ともなれば分かることだと思うんだけど、当時はやっぱり風当たりが強かったわけでさ。

 わたしは、実際、『性悪説』に近い立場を取って物事を見ているんで、世の中に善人と悪人が居るとかいう考え方は嫌いなんだよね。

 すべからく、人は『愚か』なだけであって、その程度に差があるだけだと思っているから。

 だから、軍人が型に嵌ってとんでもない事をやらかす、作品中に表わされるメカニズムについても、疑問符だらけでモニョモニョしっ放しだ。


 政治家でも官僚でも富豪でも幕僚でも、完全に利己的で自分のことしか考えてないような人間は、そもそもそんな地位には付けないと思うんだ。

 政治家のタイムテーブルを、何かの番組で知ったけど、あれだけハードなスケジュールを、私利私欲の為だけにこなせるなんて思わないよ。

 官僚にしたって、大富豪にしたって、その地位にはそれに見合うだけのハードでクソ重たい責務というものが必ず付いて回るだろうし、欲や金にはそれに耐えうるだけの魅力はさすがにないと思うんだ。

 信念を支えるものは、理想であろうし、使命であろうし、だからこそ、とんでもない間違いだって起こしてしまうのだと思うんだ。

 核弾頭のボタンを押すガッツを見せる、だとかいうね。(これは「パイナップルアーミー」ネタ)

 愚かだから、としか言いようがない決断だ。


 宗教は、人間を生物層の中でもっとも優れた存在に位置付けている。

 でもさ、普通、自分を賢いと思っている者ほど馬鹿だよね。

 人間というのは、この地球上のすべての生物の中で、もっとも出来が悪いんだろうと思うんだ。

 神様は人間を愛している。

 それは、あまりにも愚かで、馬鹿で、どうしようもない生命に対して、哀れんでの愛だと思う。

 自分を「良い物」と思うことほど、哀れみを誘う行為はないと感じるよ。滑稽だ。

 自分を知らないものは、夢を見る。

 愚かな夢だ。


 愚か者は愚かなりに、同じく愚かな同胞達に、涙を流せばいいんだよ。

 優しい想いで見守れるように、神様と同じ視点に立てるように。



 さて、久しぶりに「なろう」じゃない小説を読んだわけだけども。

 わたしは最近、思い悩んでいることがあるんだ。

 『難しい内容を、平たく簡単な文章を用いて、誰にでも分かるように書きたい』

 それを目指して書いてきたのだけど、どうやらそれは理想論で、実現は不可能な類なのではないか、と思い始めているんだ。

 ロジックがある。

 小説を読むには、読解力という力が必要だけど、それは個人差がとても大きい。

 難しい内容といっても、その内容自体を理解するにも個人差があるという事に気付いてしまった。

 どんなに難しい内容でも、言葉を尽くせば誰にでも理解は可能だと、そうであるなら、仏教の大乗仏教と小乗仏教の区別は付けないわけだよ。

 多くの宗教が、入門編と深く勉強した後に教える真の経典とに分けはしないんだよ。


 簡単な物語しか読めない人に、難解な物語をいくら簡単な言葉を使って説明しても分かることはない。

 そして、簡単な文章を使うと、難解な物語を普通に理解出来る者にとっては、冗長に過ぎて、幼稚に過ぎて、有り難味がなくなってしまうんだ。

 小説を投稿する際に、もっとも大切なのは、読者層をしっかりと見極めることだ、と一番最初に読んだ市販の指南書には書かれていた。

 「そんな事はない、」と反発していたが、どうやら、わたしなどが考えるよりも遥か以前から、そういう試みは行われて、その結果、『読者を選べ』という悲しい結果が確定で現れたのだろう。

 すべての読者に読める小説などは、書けない。

 棲み分けというものは、生物層と同じに、小説界にも厳然と存在するんだね。


 だから、もう、簡単な文章で分かり易く書くということは止めた。

 付いてきてくれる読者だけに向けて書く。

 Webのいいところは、置いておきさえすれば、目に止まるという事だよね。縁さえあれば。

 昔、ファンだと言ってくれた人が、同人の即売会でこう言った。

「やっと見つけました、シーラカンスを探すくらいに大変でしたよ!」

 これはこれで、誉れだと思っているからね。縁があるなら、出逢うだろう。

 縁のあった人だけ、読んでくれればいい。

 シーラカンスは、深海の底へ沈んでゆったりと泳いでいようと思う。

 出逢う価値のある作品を書けるように努力する。





 (PS:頭痛に敗北、病院でお薬もらってきました……)

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