スコップ第二十五回 タイムリーな話題で
久々の更新です。じりじりと読者が増えているようで、ありがたいことです。
皆様に感謝を込めて!(昨日も一狩り行ってきました!)
タイムリーな短編を本スレで紹介されて、流し読みだけでボロボロ泣かされて。(笑
で、改めてじっくり読んでこれはここでも紹介するべきかと思ったんで紹介。
今回のはそーゆーわけで、本スレからの又紹介になります。
作者さんはなんでも大学教授だとか何とかの噂。真偽はね。(笑
『鬼子の母』ツジセイゴウ氏(n1513e)
まず、今巷のニュースでよく聞く、大津市のイジメ自殺問題。(これは本編と関係ないです)
驚きなのが、あれ、11年前にもほら、下半身不随の中学生を逆さ吊りにコンクリに頭叩きつけて殺したというショッキングなリンチ殺人があった、あの同じ中学だった、という話なんだそうで。
大きな事件が過去に起きていて、今度の事件があったというのは、これは関連あると見ない方が間違ってるよ。学校の体質か?とか言われていたけど、その当時の教師陣はさすがに入れ替わってるだろうから、問題があるとするなら地域だろ?と。
まぁ、それはそれで置いておいて。(あまり書くと指導受けるし)
この、短編作品の中でも、凶悪犯罪を犯してしまった生徒の内面だとか、原因的なものにはまったく触れられていません。主人公は、犯人の母親なので。
とにかく、『なぜ?』『どうしてこんな事に?』という疑問のみが渦巻いている。
実際のところでもそうなるしかないだろうなと思うし、それだけリアルに書かれているな、と評価するところであり、また自身の創作にも参考になったところで。
作者としては書きたいところを、思い切ってバッサリと切り離してあるのはいいなぁ、と。何を書いて何を書かないか、その得捨選択の妙というか、ここを切るか、という点は尊敬。
ただ、流し読みの一回目と違って、二度目のじっくり読みの際には気をつけた点が一個だけあってね。
被害者の少女は、死の直前まで恐怖に震えていただろう、母親に助けを求め続けただろう、泣き続けただろう、『なぜ?』や『どうしてこんな事に?』と一番の苦痛で感じていたのは、間違いなく、殺された幼い少女であった、という前提は、心に留めて読んだ。
色々と、泣かせる場面は連続したけど、だからこそ忘れてはいけない大前提。
加害者家族ということで、理不尽な目に遭って。その度に、前提の場面をしっかりと想像し直した。
ママ、助けて! と泣きながら、どうして助けに来てくれないのか、とあれこれ巡っていただろう、少女の内面を、まずはしっかりと心に留めて読んだ。
そうしないと、片手落ちだからさ。
犯人に同情する前に、その犯人に同情する自身がとても大きな罪悪感を抱いていなければ、被害者は救われない。まず、理不尽に、酷い目にあわされた被害者に同情すべきだし、その上で加害者になんらか事情があるなら鑑みる。そうしたら、憤りなんぞという感情は間違っても湧いてこない。
あるのは、諸行無常ともいうべき諦観だけだ。
どうしようもない気分だ。
誰を憎むべきなのか、誰に同情すべきなのか、同情することさえ許されざる感情に思えて苦しい。
本来は、それで正しいのだと私は思う。
裁判員裁判を考えてほしい、という氏の願いにも則ってるんじゃないかなとかおこがましいかな。(笑
今後、いつ、裁判員に指名されるか解からないわけでさ。
そしたら、特に自分は感情論でモノを考えると自覚があって、不安な人は多いと思うんだ。
そういう人は、今回書いたような目で、両方の感情を想像してみて欲しい。
両方の、関係した人間すべての視線に立って、全員の思いを、感情を想像してみたら、安易な答えに流されずにすむはずだから。
裁判員裁判、もう他人事じゃないからね。
ツジ氏の著書は他にSF系の話もあり、全般安心のクオリティです。お勧め。
(ツジセイゴウ氏・・・けど、どっかで、なんか聞いた覚えがあるよーな?)
じゃっ! 一狩り行ってくるので、また明日!(キリッ