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第二十四回スコップ「一人称における気持ち悪い呟き主人公」

今回紹介した作品のタイトル、タイトルとしても秀逸だし、商業作品でもなかなかの出来だと思うのに、やっぱりというかであまり評価は為されていない。わたしからすれば、とても読みやすく、複雑になりがちな内容を出来る限りと簡単に書くように努めてらっしゃる作品だというのに、振るわなかった辺り、可哀そうに思ってしまう作品だ。なにが気に入らなかったというのか。読者の求める要求が高過ぎてお手上げだ。

どうも読者の趣向が変化したようで、題名はそんなに気張って考えなくても良さそうだが、あらすじと掴みの序盤はその分、重要度が増した、というのが最近の傾向な気がしている。


ところで、発作的に思い出したよーに言い続けていたアルカディア、理想郷への投稿を、こないだやってみた。

DEMI‐HUMANⅡを、向こうにも投下して様子見。まぁ最初から、受けるわけがないと思いつつで落としてみたわけだが、やっぱりで受けなかった。でだ、客層だと決めてかかってたら、意外な落とし穴で、唯一貰えた感想文の中にヒントが。

「情景描写ばかりで、物語が進まないのに文字だけびっしり詰まってて、読む気が失せる。」なんとまぁ! うっかりしてたよ。そのとーりだわ。

もともとわたしは背景だの容姿だの書かない作者だったんで、それをちょっと気にしてたんだけども、それが悪い方へ進化してたらしい。朝に上げてほぼ一日のPV250だもんよ、大失敗だ。(笑


わかりやすく言うと、「描写に酔っぱらってる」状態に陥ってた。


で、一般小説をも一度あれこれ読み返してみる。ああ、やっぱり微妙な差というかで、一般小説も描写は多いがほとんどを無理なく会話の中に収めてるわ。

わたしのは急ぎたいという気持ちが勝ってしまい、会話に開いて簡単にすべき部分まで、数行で終わるからと描写の中に入れ込んでいた。必要な情報はすっきりと描写に落ち着いてるから、ああすっきりしたな、と納得してたんだ。

漫画と小説の大きな違いはそこにある。

漫画なら、背景画の一枚絵で描ける数々の情報を、小説は背景描写と会話に分解してそれぞれに入れてかなきゃいけないんだよな。


デミⅡを、我慢して全編読んでみた読者さんは気付いてるだろうが、あれ、不要な描写はほとんどないんだよ。いや、むしろ不足しているからバランスが悪い。

会話がないのが、アンバランスの原因だ。解かってる。けど、直しようがない。どうしたもんか。

ギリギリで入れられそうな所には入れてみたけど、あれが限界だ。構成の間違い。

つまり、プロローグでは二人いるから会話が成立する。けど、それ以後の序盤3ページまではそれぞれ違う人物が独り舞台やってんだ。もしくは、どーでもいいモブとの会話だ。

独り言をぶつぶつ言わせるなんてのは下の下と思ってるもんで、しぜんと無言劇に。

そのせいで地の文びっしりになってしまった。(一人称の気持ち悪い呟き主人公の正体だな)

あの作品は、本来なら倍の分量が必要なほど引き延ばさなきゃいけない、提示必須の情報が濃縮されすぎた展開になってる。が、それをただ引き延ばしゃいいというわけでもなく、未来の退廃した月面ドーム都市群という描写は、単なる舞台装置に過ぎないから分量を割きたくない、という思惑もあるんだ。だらだらするから。

以前に紹介した「ミミック」が、ちょうどそれに当たる。この問題の解決が難しいってのが、あれを読んでもらえりゃよく解かる。

本題には関係ない、主力人物群紹介やら舞台背景の状況説明、だけどそれがなきゃ、そもどうして問題が起きるのかが見えなくなり、かと言ってストーリーの中で出していくには緊迫した状況下に突入した後での挿入は、のんびりした内容だけに雰囲気をぶっ壊す、そういう危険で相反したパートが二つ以上含まれるストーリーなんだ。

あの作者さんもたぶん、のんびりしたストーリー展開時の魅せ方ってのが苦手な人だろうと思う。わたしも大の苦手だ。(苦笑

読者は最初に後半の緊迫ストーリーを期待して、身構えてるんだからなおさらだ。

ほのぼの日常ストーリーで上手に読者を惹きつけることが出来なきゃ、今回の序盤の書き方は使えないというほど難易度の高い方法を、無意識に使ってしまってた。

そりゃ、商業誌ならそういう方式取る作家さんなんてゴロゴロしてるし、一見はそんな高度な技法だなんて思わんもんなぁ、と。orz

それでも、ミミックに比べりゃ、その格差はさほどでもないんだし、やっぱ手抜きして引き延ばしを怠ったのが原因だよなぁ。色々要因が重なってる。

うーん、直すとしたら、MIBメンインブラックの一番最初のがお手本になるかなぁ。

竜騎士07氏の、ひぐらし・・もそういう類のストーリーだ。あの、最初のほのぼの展開で背景描写がしっかり出てないと、後の展開が意味不明に理解が難しくなるから。

つまり、こういうパートの入ってるストーリーは、後の複雑なストーリー展開が期待できるってことでもあって、スコップ掘りで出てきたら「おっ、」て期待すんだよ、わたしは。

序盤の書き方が難しくなるけど。

もうちょい、なんとか書き直せないかなぁ、とりあえず続きを書いていこうかなぁ。序盤を直すにも、とっかかりをどうすりゃいいかも解からないよ、ママン。

想像以上の実力不足にショック。ヘタクソだなぁ、わたし。orz


狙ってた効果はこれ。

序盤の静かで退廃的ムード、ついでに主要人物二人紹介⇒じわじわ忍び寄る危機感⇒一気に盛り上がり⇒クライマックスへ。

ようは、序盤で出したい人物は二人しか居ないってのがネックだったんだよ! モブを仔細に描写なんてのは下の下だ! けど時代背景はある程度書かなきゃ後半は説明入れてられない。

無理。難し過ぎた。けどチャレンジは続ける。(くそー。)


じわじわを背景描写だけでやっちまったわたしの手抜きのせいだね。

てか、やっぱり展開の急ぎ過ぎかも知れん。悪い癖だ・・・。orz





今回紹介の作品。

『愚者たちの戦記』 藤森応輝氏

骨太のファンタジー軍記もの。しっかりと軍略、地域情勢が描写されていて、参考の為にこっそりお気に入りしていた作品。ただ、紹介するには出だしというか・・・掴みの1ページ目の展開が不味かったんで、改定を待っていた。

自分の作品にかまけてる間に、綺麗に改定が済んだ上に完結までされて、これはもう紹介するっきゃない!というわけですだ。

評価の低い作品というわけではないんだけど、この出来でこんだけってのが、まぁ、なろうだしな、と思わせる。そういう事も留意して読んでみて欲しい作品です。

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