第十二回、もとい番外編
今回はエッセイだけなんだ。ごめん。
日間ランキングで、ほんの5ページ文字数10000以下、ストーリーなら触り程度の作品でのし上がってくる作品。これこそが、「キャッチコピー」の力だと思う。
あらすじと、タイトル、そして、さわりの文章の秀逸さで飛び出してきた作品だろう。
この先どうなるのか、勝手に期待を抱いてしまうマジック。
けど、これ、実は曲者。
小説は総合力なので、キャッチーな文章を書けたらスタートダッシュを決められるという利点はあるものの、その後に期待されるのは「想像力」と「構成力」だからだ。
想像力というのは、いわゆる「ストーリーテラー」の能力で、物語を作る力のこと。引き込まれる物語作り、これは完全に才能の分野。
もちろん、キャッチコピーが作れるというのも才能なんだけど、これにストーリテラーが備わっていない作品は、スタートで後続を引き離してもすぐに追いつかれる。
追いつかれるというより、メッキが剥がれる。失速していき、期待外れということでポイントが下がっていく。
最初に10点貰って、減点方式で減らされていく評価傾向にある。
このテの作者さんは、ポイントが自分ラインの最低点を切ったら、もう捨てたほうがいいんだよね。
ランキングを狙う、あるいは作家を目指すなら、内容がダメな作品など書き続けても意味がない。
急激な方向転換っていうのは、作品の質を下げてしまうし、舵きりが難しいけど、そのまま続けるよりはいい。減点方式ってのは、最初に出揃ってるんだ、後からストーリーの良さを解かってもらえてというのは、ない。それはマイナー作品の方程式。
本当なら、それこそ賞に応募が一番向いている作者なんだから、応募したほうがいい。
数撃ちゃ当たる、でストーリーがキャッチーに追いついたものを書いたら、編集部の目に留まる。
このタイプがなろうで書き続けるのなら、中編小説のシリーズ物を書くつもりで、一章ごとに話をかっちりと区切って出していかないと、一番マズいサイクルに陥る。
一章完結形式で書いていれば、「主人公の冒険はこれからだ!」で第一章完、で切れるわけだから。人気が下降線を辿り始めても、軌道修正にせよ打ち切りにせよ、処置がしやすい。
つまり、エタ作品やら尻切れトンボの駄作が作品一覧に残されてしまう、という事態は避けなきゃいけない。……言ってて心が痛いけども。
こんなのは一番マズイ。読者が「他の作品も、」と作品一覧を覗いた時にはそれなりのクオリティを持った作品だけを置いておかないとだめだから。
この場合のクオリティは、文章力やキャッチコピーじゃない、完全に、内容になる。
その読者は、作者の文章がどの程度かを知ってて見に来るんだから、他の作品の内容を知りに来る。文章力、構成力など、他の部分は織り込み済みで見に来るってことだ。
まぁ、余力があるなら、酷い文章のものから優先的に改稿してった方がいいのは当たり前、と。
では、わたしを含めて、キャッチコピーの才能には恵まれなかったという作者は?
これは、どんどん書き溜めるのが一番。
点数が低かろうが、PV少なかろうが、関係がない。まったくのゼロでないなら望みはある。
「口コミ」だ。
スタートダッシュは無理だから、じーわじーわと追い上げていけばいい。
大長編一本きりを書き続けるというのは、タイプ別戦略としてはいただけない。出来れば、気軽に読んでもらえる短編をいくつか、中編をいくつか、そんで長編を置いて、数で勝負。
この場合、キモになるのはとにかく「内容」で、ストーリーで魅せるしか浮上する手はない。
数というより、取っ掛かりを多くして、どの作品を見てもクオリティが高い、と唸らせるのだ。
出すべきストーリーは、今の流行りを逆行して、「重厚」というか、ライトノベルではないものがいい。
軽く読める作品など、キャッチ能力のある作者に勝てるわけがないんだから、初めから無駄な勝負は仕掛けないのがいい。
読んだあと、心に残る作品を書け。人に影響を与える作品を書ければ上出来。
じーわじーわと「ファン」を掴みに行け。ライバル視するべきは、ランキング作ではなく、同じジャンルのプロの有名作品だ。ファンを作るのは、ランキングに乗る以上にハードルが高い。内容の妥協は許されない。
でも、それしか、浮上する方法はない。
改定追記:
なろうでは「ライト派」と「重厚派」でかなり綺麗に分かれているんで、どっちつかずが一番いけないようだ。ライトならばとにかくストレスのない、文章も内容もカルい作品でないといけない。重厚派はその逆で、一般小説を書くつもりでレベルの高い作品を書かないといけない。
なろう発じゃない作品のが多いけど、俺TUEEのお勧め小説が見つかるんじゃないかと。
(一口でTUEEと言っても、このWikiでのTUEEは、なろうのTUEEとは、ちと意味が違うらしい)
『俺TUEEEE小説まとめWiki』
http://wikiwiki.jp/webtueeee/
作品紹介に付いてるレビュー見る限り、読んでみたいと思わせる作品がかなりある。
宣伝。
こちらはわたしも書いてる、企画競作スレのWiki
今までに提出されてきた作品のリンクがあります。
http://www38.atwiki.jp/kyousaku/