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第九回スコップ

みなさま、生卵事変ですよ、生卵事変。

作品自体は読んだことはござんせんけどもね。

あの作者さん、今、そうとう悩んでるんだろうねー。

色々言ってる人が問題にしているのは、実は生卵であって生卵ではない、という事が解っていれば、あんな風にもつれることはなかったんだろうなぁとは思いますな。

要するに、下調べというか、あの作者さんの場合は確認が足りなかった。

ご本人は養鶏に関わる環境に居たそうだし、ほんと、確認するべきだったとか、ちょっと考えるべきだった、とか。

現在と、舞台となってる中世ヨーロッパでは取り巻く環境が違う、ということ。


読みに行ったわけじゃないんで詳しい部分は知らんけど、生卵をお奨めした?かなんかで、サルモネラ菌とか感染したらどーすんだ、とかそういうクレームが来たという話らしい。(?)

作者さんにしたら、現代の養鶏の常識で考えて、サルモネラ感染なんてよほどでないとという知識がなまじあるから、迂闊だったというだけなんだろうけどねぇ。

なまじ内幕を知ってるというところに、落とし穴があったわけだ。


現代なら生卵は洗浄殺菌されて市場に出るわけですな、親鶏には抗生物質まで与えて、衛生管理徹底した工場で選別包装して、それはもう厳重な管理体制で送り出す。

親鶏がサルモネラ感染して、初めて、卵に感染するわけだからさ。

中世ではそれがない、せいぜい庭で放し飼い、野犬やキツネに盗られたり、保存技術ないから街では御馳走、田舎じゃ常食、なんせ卵は壊れ物だし?

しかし主人公が現代知識を持ってるなら、上記のことは織り込み済みでなければその設定を出す意味がない。つまり、転生なりトリップなりの設定があるなら、上記の差は含んで書かねばならないわけでさ。


鶏って、臭いんだよね、あれを街中で飼うというのは、アジアじゃ有りでもヨーロッパはどうだろう?

そこらは調べないと解らない部分だけど、誤魔化して触れないように書けば済む部分でもある、と。

田舎の風物詩的なものだから、田舎なら放し飼いで普通に描けるんだけどねぇ。


でだ、衛生に対する民衆の意識というのが、また現代と中世では大きく違う。食中毒に対して、ここまで過敏じゃなかったのは確か。そんで、感染源の特定技術がないのも。

だけど、それも現代から来た人間には込み込みなわけだよ、それを書かねばならなくなる。

一言、「どんなモノも生で食べる場合は衛生面で気を遣わなくちゃねー」とでも書いておけば良かった。

それが主題じゃないんだったら、それで済んだ話。食中毒がストーリー展開に直接関わるんでないなら、細事だから、問題にする方がオカシイわけだ。


問題にしてた方々は、そういう、小説としては心を砕いておかなきゃいけない部分が無視されてる事を、問題にしていたんじゃないかなぁ。生卵ではなくてね。そう思うねぇ。

現代からのスリップ主人公というのは、万事で、そういう制約がかかる。異世界と現代の差、という事を常に計算しながら書かなきゃいけなかったり、ね。

まぁ、そういう事。






んでは、本日紹介するのは~、

『騎士道衰えず』(Nコード:N4403W)


坂田火魯志さんの書かれた作品です。某所ではまぁ色々な評価ですけども。

ほんとに、これこそ、文章さえどうにかなれば大化けする、という作品だと思うんだ。

ただ、読み方をちょっと工夫すると普通に読めてしまったりするんで、この作者さんは独特のイントネーションだとか言い回しが極まってしまってるってのを、本人で気付いてねーんじゃなかろうか?という危惧があったりする。(苦笑

でないと、あんだけ沢山書いてりゃそのうち直りそうなもんだもの。

なんだか普通に金曜ロードショウとかの洋画で観るような場面が浮かんできたりする。


文章に癖がある作品でも気にせず読めるという人は一度読んでみてほしい。

あ、騎士とあるけど舞台は第二次大戦。

(追加情報:この坂田さんという方は、とんでもない多作な方です。リストは一見の価値あり。)

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