走るピンクブロンド
「はあ、はあ、はあ・・・」
あたしはリディア、男爵令嬢じゃーない?養子じゃーない?
今は王都の街道を走っているじゃない?
「リディアちゃん。新作のメニュー出来たから試食してくれないか?」
「はあ、はあ、はあ、あ、食べ物屋のおっちゃん!ごめんなさいじゃーない?忙しいじゃない?」
こんな時に限って・・・
「リディアちゃん。子猫が生まれたよ。見ていくかい?」
「マダム・・・・ごめんなさいじゃない。今、忙しいじゃない?」
幸運が舞い込む。
お断りしなければならないじゃない?
挙げ句の果てに・・・
「リディア嬢、好きだ。結婚を前提に付き合って下さい!」
あれは花束を持ったイケメン商会長の息子・・・・結婚したら一生食べ物に困らない・・・
だけど。
「はあ、はあ、はあ、ごめんなさいじゃーない?今、忙しいじゃーない?」
私は走る。髪はピンクブロンドだから目立つ目立つ。
「あ、ピンクが走っている」
「はあ、はあ、うっさいじゃない?」
そう、私は走っているのだ。
☆☆☆
ほんの数ヶ月前じゃない?
学園の芝生で寝ていたら、誰かに声をかけられたじゃない?
「ここで公爵令嬢エリザベス様と私達がお茶会をしますの。そこのピンク頭、どいて下さらない」
うっさいな。と思ったから。
「ちょっと、こっちは男爵令嬢だけど、ダイクン大公の血筋じゃーないですか?」
寝たまま嘘を言った。
ダイクン大公はお亡くなりになられている。
女好きで市井で子を作ったと評判じゃーない?
大公は公爵家よりも上だ。
すると。
「まあ、ダイクン大公の名を出されたら、王家に忠誠を誓う身としては敬して退くしかございませんわ・・・」
スゴスゴと引き下がってくれた。
それから、お茶会に招待されたりした。
「何これ・・・ご大層な手紙じゃない?」
「ちょっと、リディアちゃん。エリザベス様からの招待状よ」
「アメリちゃん」
アメリちゃんはダチじゃない?
いつもいろいろ教えてくれるじゃない?
「どうしてリディアちゃんに?男爵令嬢を相手にする方ではないわ・・・」
「それはね・・・」
あの時のことを話した。
「リディアちゃん。大変よ。すぐに、本当のことを言って!謝罪するのよ」
「大丈夫だって、アメリの分のお菓子もらってくるから」
「いらないわ・・・リディアちゃんの馬鹿」
初めてケンカしたじゃない?
お茶会では適当に『ウフフフフフ、キャハ』
やって。お茶だけにお茶を濁したじゃない?
「なるほど、リディア様の年齢から考えてダイクン公の晩年の子ですね」
「そーじゃない?」
「今、女神教会の帳簿を調べています。ダイクン公の子なら、正当な補償をうけるべきですわ」
「お菓子美味しいじゃない?それでいいじゃない?」
「まあ、無欲な方」
「エリザベス様・・・その席は・・」
「いいのです。ダイクンの子ですから、上座が相応しいですわ」
何か、席も見渡しが良い席じゃない?
だけど・・・・・断罪されたじゃない?公爵令嬢が?
「エリザベスよ!男爵令嬢をパーティーに招くなど、寵愛し他の学友をないがしろにしていると聞くぞ」
「殿下、それには理由がございます。ここでは言えませんわ・・・」
何か、学園で皆が集まっている中でケンカが始まったじゃない?
これは不味いと思って・・・本当のことを言った。
「実はリディア様はやんごとなき方の血を受け継いでいるのですわ・・・」
「何?」
「・・・王家でございます」
「ダイクン公か・・・リディア嬢、本当か?」
「嘘じゃーない?」
「何だと!」
「何ですって!」
怒られて・・・・
「不敬罪だ。学園で拘束する!」
殿下が怒ったじゃない?
だけど。
「三日後私の誕生日じゃない?私の誕生日パーティーを開くから必ず顔出せってパパンが言うじゃない?」
「それどころではないぞ!」
困ったな。必ず顔を出せと言うじゃない?
と思ったら。
「あの、殿下、リディア様の身代わりで私が人質になります。ですから、リディア様を行かせて下さい!」
「君は?」
「アメリ・・・リディアの友人です」
親友を人質にして屋敷に向かっているじゃない?
・・・・・・・・・・・・・
「はあ、はあ、はあ、はあ・・・」
タウンハウスは王都郊外にあるじゃない?
私は必ず行かなきゃいけないじゃない?
「おう、姉ちゃん。ちょっと、寄ってけよ」
「ヒヒヒヒ、スカートをあげて、走っているなんてそそるな」
「邪魔しないで欲しいじゃーない!」
ゴロツキがからんできたので・・・
「三角飛び!」
「「ギャアアア!」」
領地では木登りして遊んでいた。
ゴロツキの1人に跳び蹴りをして、その反動でもう一人を蹴り飛ばした。
「はあ、はあ、はあ、邪魔じゃーないですか?」
走って走って・・・・
郊外に盗賊たちがいた。
「おい、オークが野菜を担いであるいているぞ。いや、走っているか?」
「ヒヒヒヒヒ、いい女だな・・・」
「さらうか」
本物の犯罪者じゃない?剣で武装している。仕方ないな・・・
だから、
「リディアタイフーン!」
「「「ギャアアーーーー!」」」
何か、あたしの風魔法は風力はないが力が強いじゃーない?
吹き飛ばした。これも領地で狩りをしてお肉を食べていたじゃない?
人に使うなとパパンが言っていたが仕方ないじゃーない?
そしたら、空からドラゴンが襲ってきたじゃない?
「ギャオ!」
「ド、ドラゴンじゃない?何故、ここに?」
襲って来たじゃない?ピンポインとで来たじゃない?
だから、
「エイじゃーない?」
大口をあけて食べようとしたので鼻をパンチしたじゃない?
ドラゴンは鼻を突かれると弱いじゃーないですか?
「でも、そこまで飛ばなくてもいいじゃない?」
見えなくなるまで吹っ飛んだじゃない?これも友情パワーじゃない?
やっとのことでタウンハウスに着いたじゃない?
この屋敷にはペンペン草が生えている。
「はあ、はあ、はあ」
「まあ、リディア・・・そんなに汗をかいてどうしたの?」
「ママン、早く誕生日会をして欲しいじゃーないですか?」
「まあ、何故かしら。明日が誕生日でしょう?」
「今日じゃーないといけないじゃーないですか?」
「リディア、理由を話しなさい。重大発表があるぞ」
「パパン、それは・・・・」
不敬罪でぬっころされることを話したじゃない?
「「何だって!」」
「わ、我が家門も連座するわ・・・リディア、どうしてそんな大それたことを・・」
「エへ、皆様、ごめんなさいじゃーないですか?」
お義母様、義兄弟姉妹は口をあけて呆然としたじゃない?
しかし、お義父様は・・・
「あのな・・・リディア、実は勇者様の子なのだよ・・・明日が情報が開示される日だ。16歳の誕生日に王族に準ずる身分が与えられる」
「・・・・何なのですか?それ、何であたしが苦労したのですか?」
「自業自得だろう?その力不思議に思わなかったのか?」
それから次の日、馬車でさっそうと学園に現われて・・・
「勇者の娘じゃーないですか?あたしは王族に準ずる身分じゃーないですか?不敬罪は適用されないじゃーないですか?
アメリを解放するじゃーないですか?」
「殿下、本当でございますか?」
「父上から、今日、教えてもらった・・・」
「まあ、殿下、あながち、いえ。もっとすごい身分だったのですね」
「ヤーイ、ヤーイ、アメリを解放するじゃないですか?ほら、ほら、陛下が書いた身分証明書じゃないですかー?」
「・・・それとこれとは別で虚偽報告罪が適用されるぞ」
「あちゃーじゃないですか?でも・・・」
「アメリ・・・ごめんなさいじゃーないですか?」
「リディアちゃん」
「もう、公爵令嬢の善意を逆手にとってお菓子をたべまくるのはやめるじゃないですか?」
「リディアちゃん・・・」
「衛兵よ。拘束せよ」
「畏まりました」
衛兵に捕まって、虚偽報告罪が適用されたけど。
「うむ。次からはしてはいけないぞ」
「陛下、分かったじゃーない?」
口頭注意ですんだ。
その後・・・
「リディアちゃんはごっついでごわす。妾の派閥に入って欲しいでごわす。お菓子食べ放題を約束するでごわす」
何か、訛ったふっくらした令嬢、あれはフローラ様、南部の派閥の令嬢から声をかけられたけども・・・・
「やめるじゃーないですか?お菓子よりもアメリちゃんが大事じゃーないですか?」
「ギャフン!」
断って、また、芝生で昼寝をしている。
「リディアちゃん・・・その気になれば派閥の長になれるのに、クス」
アメリは隣で本を読んでいるじゃない?
美少女派閥が出来たじゃない?
今が幸せじゃないですか?と思う毎日じゃない?
最後までお読み頂き有難うございました。




