表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/56

■ 世界を統べようとした女

「本当にいいんですね」


悪魔が尋ねた。


「えぇ、いいわ」


女が答えた。


「では"誰にも負けない力"を授けましょう」


悪魔は承知をして呪文を唱えた。勿論、死後に魂を受け取る契約をして。


「う。うっ!」


女が呻いたかと思うと、彼女の体は青白く染まり「ぎゃっ!」という短い悲鳴と共に真っ二つに割れた。次の瞬間、そこから一つ目のおぞましい姿の新しい彼女が生まれ出る。


水たまりに映った自分の姿を見ながら、


「この姿は……」


と、彼女は呟く。悪魔が途端にニンマリとした表情を見せた。


「約束は果たしましたよ。これであなたに敵う者は誰もおりません。あなたをイジメた上司や同僚に、思う存分復讐して下さい。


断っておきますが、どういう姿になるかはご指定頂けなかったのでそうなりました。ただご安心ください。もし元の姿をお望みならば、すぐに元に戻します。


ただ、力は失いますし、死後に頂くお約束の魂も、本来の寿命の半分で頂戴致しますけどね」


魂の無駄遣いをした事を知って、女はどれだけ嘆き悲しむだろうと、悪魔は笑いが止まらなかった。


「いや、このままでいいわ」


「え?」


悪魔が驚きの表情を見せたが、その顔はすぐに彼女の掌で覆い隠された。生まれ変わった彼女はその指に力を込める。


「い、痛いですよ! 離してください!」


悪魔は懇願するが、彼の顔がひしゃげて行くのを防ぐのには、何の役にも立たなかった。


「私が望んだのは、全てを壊す力だったのよ。上司とか同僚とか、そんなチャチなレベルの話じゃないわ。


もちろん容姿なんて関係ない。


全てを破壊する力なんだから、悪魔のあんただって、普通に殺せるわよね。もちろん神様だって」


悪魔は本来、自らを亡ぼす様な契約はしない了見を持ち合わせているのだが、彼は自らの策に溺れてその禁を破っていたのだった。


鈍い音が鳴った。悪魔の脳髄は、後悔の念を抱くその前に、彼が生み出した最高傑作によって握りつぶされた。


「さぁ、首を洗って待ってらっしゃい」


自分を拒絶した世界。あれだけ祈っても何も助けてくれなかった神。それらをブッ潰す彼女の復讐劇が始まった。


【続く(ウソ)】


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ