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絶対法則幼女-ノアちゃんは気に食わない連中を全員〝分からせます〟!!-  作者: 東山スバル
シーズン1 ノア・コーバは、最強レベルの魔術師と引き分けた

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「さあ。ただ、アンタが言ってた超能力者っていうのが関係してるんじゃない?」

「そうかい。なら、オマエは悪くないな……」

「ホントにキツそうね」

「当たり前だろ。血吐くなんていつぶりだ? クソッ」

「ま、アンタは〝悪魔の片鱗〟も使えない落ちこぼれってわけね」

「〝悪魔の片鱗〟? なんだよ、それ」

「魔力を放出する術式」

「もうすこし説明しろよ」

「面倒臭い……。魔力は未だ解明の進んでない未知の素粒子って言われてて、悪意を強く持つ者は相手を傷つける片鱗を、善意が強い者は誰かを回復させるほうを扱える」メリットは言葉を区切る。「まあ、大半のヒトは善悪の概念なんて曖昧。だから両方ともある程度使える。でも、どちらかが強く現れるヤツは、より強力な悪魔の力を使えるってわけ」


 そりゃあ、自分が善か悪なんて、大半の人間には決めがたい。人間は全知全能でもなんでもないからだ。ただ、メリットは即座にノアを悪意の塊だと捉えた。可愛らしい銀髪少女を、である。それにも、なにか裏があるのだろうか。


「なあ、メリット。オマエはなんで、私が悪意だらけだと思った?」

「魔術使えば分かる。どうせ、魔術理論を理解できないヤツへ言っても無駄でしょ」

「横暴な女だな……、誰がオマエを匿っていると思っているんだ──」


 そんな言葉を口にしたとき、

 オートロック付きの入り口ドアが、ガコンッ!! という音とともに倒れた。


「……、クソガキ。下がってて」

「なんだよ、泥棒くらい対処できるって」

「良いから!!」


 メリットの語気に並々ならぬものを感じたノアは、そこまで言うのであれば、と椅子に座る。


「メリットォ、探したぜ!!」

「……こっちは探してくれ、なんて頼んでない」

「そんなこと言うなよ! オマエ見つけて家へ送れば100万メニーだぞ? こんな美味しい仕事なんて、そうはねェんだから!!」


 ノアは、この会話で悟る。メリットを追っている者は、反社会勢力の一員、それも位の高い者であると。軽いセリフだが、語気はのしかかるように重たい。目はギラギラと光っていて、実力はあるが、まだ天辺を掴んでいないように感じる。

 とはいえ、これはメリットの問題だ。ノアは悠々と高みの見物と洒落込こうとする。

 が、


「あれ? 子どもってふたりだっけ? でも髪色が違うし、勘違いか」


 そんな茶髪メンズパーマの巨漢に、ノアはフッと笑い、


「そんなわけねェだろう。私はそこのメリットの妹だよ」


 なんというか、悪いくせだ。前世では希少だった超能力者を見つければ、必ずこんな風に煽って闘おうとしていた。その悪癖が、まさに口へ出た瞬間であった。


「おお!! そうか! なら、オマエも連行な!」

(本物のマフィアは目がオカシイ。クスリか、アドレナリンか。いずれにせよ、コイツは強ェぞ……!!)


 その男の目の色で、ノアの身体が武者震いを起こす。こうなってしまうと、闘いでしか震えを抑えられない。


「アンタ……」

「でも、メリットは家に戻りたくないんだとさ。その場合、どうするつもりだ?」

「死なねェ程度に死んでもらうかね。いや、そんなことしたら、報酬カットだな……」

「だったら、私とサシでやるのはどうだ?」

「あァ? ガキに手出しできるかよ?」


 そういえば、ノアのいまの姿は幼女だった。ただ、その程度でへこたれる幼女ではない。


「私は姉のオマケBだよ。どんなに痛めつけても、親は喜んで満額払うさ」

「おお、そうは思えねェけどそんな気がしてきた。よっしゃ、その喧嘩乗った!」


 そんなふたりを見て、メリットは思わずつぶやく。


「単純過ぎ……」


 もはやメリットは蚊帳の外である。ノアと追手のクール・レイノルズがサシでやり合う場所まで話し合っているからだ。


「──よし、その廃工場で行こう。だけど、最後にひとつ聞かせろ」


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