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絶対法則幼女-ノアちゃんは気に食わない連中を全員〝分からせます〟!!-  作者: 東山スバル
シーズン1 ノア・コーバは、最強レベルの魔術師と引き分けた

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「なんだよ。……、私が入ったらまずいのか?」

「まずくはない」

「だったら良いだろ。あ、そうだ。パーラって子、知っている?」

「あのオタサーの姫の落ちこぼれ? 一応知ってるけど」

「ひどい言い草だな。オタクなのか」

「別に絡みないけど、オタクどもに好かれてるのは知ってる」

「オタク系、ねェ……」


 この世界のオタクカルチャーがどうなっているのか知らないが、少なくともノアは前世でそういった趣味がなかった。たぶん、聞き流していた彼女の言葉の中には、ゲームやアニメの話もふんだんに盛り込まれていただろう。


「まあ良いや。オマエ、なかなか動じなさそうだし、もう帰って良いよ」

「私、家出中」

「はぁ?」

「だから、ここで匿って」

「おま、藪から棒になに言っているんだ?」

「アンタ、転生者なんでしょ? 魔術の使い方くらい教えられるから、代わりに匿って」


 まあ、確かに魔術が使えれば、ノアはさらに強くなれるはずだ。どのみち面倒事に絡まれる、というか、いま現在厄介なのが来ているから、強くなるに越したことはない。


「分かったよ。名前は?」

「メリット。アンタは?」

「私はノアだ」

「そう。よろしく、クソガキ」

「クソガキだぁ? オマエ、口の利き方ってものがあるだろう」

「アンタを見て、クソガキだと思わないヒトはいない」


 そんな不毛な会話を繰り返していると、


『ノアちゃん! あした、朝10時頃にホテル前行くね!』


 という、パーラからのラブ・コールが訪れた。


「了解、と……。さて、いま何時だ?」


 ノアはスマートフォンで時刻を確認する。


「まだ17時かよ。やることがないな」


 メリットはホテルに備え付けられていたタバコに、再び火をつけていた。マイペースなヤツである。


「メリット、ここらへんで遊べる場所ないか?」

「クソガキの年齢的に、もう外出できないでしょ。ここいらは治安が悪いから、保護者なしで外出できるのは18時まで」

「ああ、そうかい……」


 10歳程度の幼女が、時折発砲音が聴こえる街にひとりで外出できるわけない。しかし、眠るにはまだ早すぎる。


「しゃーない。メリット、メイド・イン・ヘブン学園について教えてくれ」

「心底面倒だけど、良いよ」


 メリットはベッドに座るノアに向き直し、


「メイド・イン・ヘブン学園。通称MIH学園は、〝強さこそが美徳〟の実力至上主義の学校」

「強さこそが美徳? そりゃ恐ろしいな」

「恐ろしいに決まってる。落ちこぼれはカツアゲされ、殴られ、命の危険にさらされるような学校だし」


 メリットは眉ひとつ動かさず、そんなことを言う。元マフィアで学校なんてろくに通っていないノアでも、MIH学園とやらが特別な学園なのは理解できた。


「まあ、強者になれば良いこと尽くめだけど」

「まるで強いヤツの言い草だな」

「そりゃそう。私、強いから」


 よくもまあ、ここまで堂々と宣言できるものだ。しかし、そこまで断言するのであれば、メリットは相当有力な生徒なのだろう。


「飛び級はあるのか?」

「ある。実力に合わせて、小学生でも高等部に編入できる」

「なら、パーラが言ったように私は高校生からリスタートだな」

「アンタ、強いの?」

「オマエよりは」やや脅すような口調だ。

「まあ、転生者は特別なスキルってものをもらえるらしいし、それ頼みでしょ?」

「いいや? 前世から超能力者だったよ、私は」

「はあ? 超能力?」

「パーラも驚いていたが、この世界には超能力がないのか?」

「聞いたこともない」

「そうかい……」


 ダウナーな声で返す。

 ノアの元いた世界では、ごく一部の者だけが超能力を扱うことができた。大半の人間にとってはフィクションの話だが、現にノアはこの世界でも能力を使える。この優位性を活かさないわけにはいかない。


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