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絶対法則幼女-ノアちゃんは気に食わない連中を全員〝分からせます〟!!-  作者: 東山スバル
シーズン1 ノア・コーバは、最強レベルの魔術師と引き分けた

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5

 パーラは自身の胸を叩き、得意気にノアの腕を引っ張っていく。

 ふたりは市役所から出て、マーキュリーホテルへ向かう道を歩き始めた。パーラはまたおしゃべりを始め、半ば聞き流しながら、ノアは頭の中で様々な考えを巡らせていた。


(この見た目での生活か……。前世のように暴力で解決するのは避けたいが、どうせおれは厄介事に巻きこまれる。腕力や超能力が劣化していなさそうなのが、唯一の救いだな)


 そんなことを考え込んでいると、パーラの声が耳に入ってきた。


「ねえ、ノアちゃん! 聞いてる?」

「ん? ……ああ、すまない。すこし考え事していた」

「もー、ちゃんと聞いてよ! あした友だちと遊ぶんだけど、ノアちゃんもいっしょに来ない?」

「ああ、考えておくよ」


 前提知識が足りなさ過ぎるノアからすれば、情報収集の一環としてパーラの友だちに会うのは有りかもしれない。死んで輪廻転生を果たした可能性が高い以上、この世界に順応していく必要性がある。


「あ、着いたよ! んじゃ、またあした会おうね!」

「ああ」


 すでにあした遊ぶことは決定事項らしい。なにをして遊ぶのかは知らないが、ひとまずパーラの爛漫な笑みを崩すこともないだろう。


 *


 ノアは、マーキュリーホテルにチェックインを済ませる。普通のホテルだ。テレビがあって、ベッドがある。冷蔵庫もエアコンもしっかりついていた。

 ノアはベッドに腰掛け、深く息を吐いた。


「タバコ、吸いたいな」


 1日60本紫煙に巻かれているものとして、喫煙できないのは致命的。ただ、この見た目ではタバコなんて買えないだろう。

 と、そのとき、ノアは新品のタバコの箱を見つける。どうやらこのホテルに備え付けられているらしい。


「異世界のタバコはどんな味だ?」


 喜々としながら、手持ちのライターで火をつける。

 だが、


「げほッ!! げほッ!!」


 肺年齢も10歳児程度に戻ってしまったことを、ノアは嫌というほど知る。


「まじい……。せっかくの酸素が」


 灰皿へタバコを押し付け、拗ねるようにノアはベッドに寝転がった。


「やることないな」


 いまだゲホゲホと咳き込むノアは、なにもすることがないので、普段まったく見ないテレビをつける。


「くだらん番組ばかりだ」


 チャンネルを次々変えていくものの、退屈な番組しかやっていない。なので、すぐテレビを消し、ノアはまだ空が明るいのに寝ようとした。

 そのとき、


「……あ? 誰、オマエ」


 ノアの部屋のベランダに、誰かが落ちてきた。

 髪は黒く短め、目も黒く、メガネをかけている。猫背で不気味な雰囲気が漂っていて、年齢はパーラとそう変わらないように見える。

 そんな少女は、


「パルクール失敗して落っこちただけ」


 そんな、頓珍漢なことを口走る。


「パルクールか。良い趣味しているな」

「アンタ、喫煙者なの?」

「はぁ?」

「タバコ、吸わせて」


 とか言ってきた頃には、黒髪の少女は備え付けのタバコに火をつけていた。


「おいおい、ヒトのものを勝手に吸うなよ……」

「さすがマーキュリーホテル。なかなかの高級銘柄ね」

「こちらの話、聞いているのか?」


 堂々とタバコを頬張り、黒髪の少女は部屋から出ていこうとした。

 もっとも、不法侵入を許すわけにもいかない。ノアは一旦彼女に詰め寄る。


「まず謝れよ。ヒトの部屋勝手に入ったら犯罪だぞ?」

「事故なんだから、仕方ない」

「悪びれろよ……」ノアは溜め息をついた。「まあ、良いよ。転生者から奪えるものなんて、なにもないだろうしな」と諦観する。

「転生者?」

「そうだ」

「これからどうするか、決めてるの?」

「ああ、まあ。メイド・イン・ヘブン学園、だっけ? そこに入学する予定だ」

「私の学校」

「は?」

「そこ、私の学校なんだけど」


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