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絶対法則幼女-ノアちゃんは気に食わない連中を全員〝分からせます〟!!-  作者: 東山スバル
シーズン1 ノア・コーバは、最強レベルの魔術師と引き分けた

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4

「ここは随分治安が悪いようだな。高校生からモノを盗もうとするヤツなんて、なかなかお目にかかれないぞ」

「の、ノアちゃん……魔術使えるの?」

「超能力、ってヤツだよ」

「ちょ、超能力?」

「前世で良く使っていたんだ。まさかこの見た目になっても使えるとは、思ってもいなかったが」


 パーラの頭上に疑問符が浮かぶ。が、説明するのも億劫なので、ノアは目の前にある市役所へつかつかと入っていく。


「あ、待って!」


 やや遅れて、パーラも役所の中に入った。


「税金のムダ遣いだろ、この役所」


 シャンデリアが役所に必要なのか。赤いカーペットは? 銅像も?


「ね、ねえ。ノアちゃんって何者なの?」

「難しいこと訊いてくるな」

「さっきの動き見てると、とてもじゃないけど、ただの実業家には見えないんだもん」

「先ほども言っただろう? ……、私は超能力者なんだよ」


 一人称を女性っぽく言うのも、難儀なものだ。

 ただ、慣れていかなければならない。いまのノアは、誰がどう見たって銀髪の幼女だからだ。

 そして、パーラの疑念は未だ晴れないようである。


「超能力ってなんなのさ?」

「そうだな……、私の場合は〝法則を自在に〟を操れる」

「魔術みたい!」


 パーラは納得したのか、目をキラキラさせる。

 ノアの超能力。それは至ってシンプルだ。ノアが考えた新理論、たとえば空気から酸素を抜いたり、本来くらうはずの攻撃を無効化したり、決して防御できない既存の物理法則を使った攻撃を繰り出したり、といったところか。

 もっとも、ここはノアの知り得ぬ世界だ。なので、先ほどのように単純な高速移動はともかく、それ以外の超能力は作動しないかもしれない。


「ま、さっさと野暮用を済ませよう。ベンチで寝ていたからか、身体が痛いんだ」


 というわけで、ノアたちはわざわざ〝転生者部門〟と書かれた市役所の5階に向かう。


 *


「あー、疲れた」


 根掘り葉掘り聞かれた。前世ではどの国にいたのか、何世紀から来たか、死亡時の年齢、アンゲルスでなんの仕事をしたいか。いきなりここまで訊いてきて、しかもお役所特有の事務的な態度の所為で、眠たくなってしまう始末だった。

 なお、その場にパーラはいなかった。どうやらプライバシー保護の観念があるらしく、あくまでもノアは単独で実年齢まで暴露した。


「ノアちゃん、おつかれ!」

「あぁ。しばらくホテル暮らししろ、と言われたよ」

「仕事はどうするの?」

「まだ決めていない。でも、見た目的に雇ってくれる企業もないし、おそらく学生することになるだろうな」

「だったらさぁ、私の学校に来なよ!」

「は?」

「メイド・イン・ヘブン学園って学校なんだけどね、なんとなくノアちゃんに合ってる気がする!」

「ああ、考えておくよ。まあ、この見た目じゃ小学生からスタートか」

「大丈夫! メイド・イン・ヘブン学園は飛び級あるから! ノアちゃん強いし、高等部からスタートできるよ!」


 ノアは小学校もろくに通っていない身分だ。独学である程度の知能はつけたものの、所詮卑しい身分なのは変わりない。だから、いっそのこと小学生としてリスタートしようと思っていた。

 が、小学生の中に混じってお勉強が似合わない人間なのも事実。実年齢25歳が10歳程度の子たちといっしょに過ごせるわけがない。


「そりゃ良い」

「でっしょ! 役所のヒトからスマホもらった?」

「ああ。これだろ?」

「連絡先交換しておこ! 困ったら私に連絡してきてね!」

「ああ、ありがとう」


 ノアとパーラはスマホをかざし合い、電話番号とSNSを交換した。


「んじゃ、私はホテル行くよ。すこしひとりで考え事したいんだ」

「どのホテル行くの?」

「マーキュリーホテルってところ」

「案内するよ! お姉さんにお任せあれ!」


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