表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対法則幼女-ノアちゃんは気に食わない連中を全員〝分からせます〟!!-  作者: 東山スバル
シーズン3 ノア・コーバは、新たな出会いを広げていった

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/34

32 大統領の兵隊(イヌ)

 身体が、重たい。呼吸が、しづらい。だが、諦めるわけにもいかない。


 ノアは羽を発生させ、矢のように弾く。時間差なく、それを紫髪の青年にぶつけた。窓側に青年が、乱暴な音とともに吹っ飛ばされる。地面がえぐれて、リビングのテレビやキッチンは見る影もない。手応えのないノアだが、一応換気には成功した。窓ガラスを青年ごと割ったからだ。


「ぜぇ、ぜぇ……。クソッ。頭が痛てェ」


 割れるような激しい頭痛に苦しみ、ノアは攻撃の手を緩めてしまう。当然、そんな真似をしたら反撃の足がかりを与えてしまうだけだ。


「──ッ!!」


 ノアは、繰り出された攻撃をしゃがんで避ける。瞬きしていたら確実に見失う速度だった。こうなれば、体力消耗云々言っている余裕はない。ノアは集中力を高め、背中に翼を発現させかけるが、


(チクショウ。身体に力が入らねェ……。あのクソボケ、なにしやがった?)


 なにが起きたかを察知しなければ、ノアの超能力も全く活かせない。そしてこうしている間にも、空気を斬り裂いた攻撃が向かってくる。ノアは躱しきれないと判断し、ひとまずこの攻撃をなんとかしようと法則を捩じ込ませた。


(いや、あの野郎はどこへ行った……? 透明か、それとも──)

「ぐぉッ!?」


 今度はノアが吹き飛ばされた。暴風に巻き込まれた紙切れのごとく。彼女は柱に身体を打ち、唾液と唾を吐き散らす。


「はぁ、はぁ……」


 ノアは身体を起こさなかった。鼻血が口と目に入り、ひどく不快な気分になる。

 そんなノアを嘲笑うかのように、青年が再び家に戻ってきた。


「こりゃひどいな。さて、寝かしつけてやるか」


 ガラスを踏みながら、青年がこちらに向かってくる。

 その足音が縮まるにつれて、ノアの寿命も縮まっていく。

 そして、ゼロ距離になる。


「あーあ。こりゃ生きてるのか? 死んだら報酬カットだぞ?」

(やはり来たか……!)


 ノアはあくまでも気絶したように振る舞う。ただ同時に、先ほど展開した羽が反撃のためにこちらへ向かってきている。後は、この野郎に喰らわせて起き上がるだけだ。


「こちら〝セブン・スターズ〟エアーズだ。最優先目的の確保成功。回収班を求む。オーバー」

(セブン・スターズ……。サラトガの飼い犬か?)

『こちら国内司令部。了解した。確実に無力化してから搬送しろ。オーバー』

「言わなくても。アウト」


 おそらく、現大統領による差し金だ。アンゲルス連邦軍が〝国家に対する軍隊〟ならば、セブン・スターズは〝大統領直下〟の部隊。大統領の兵隊(イヌ)といえる。だから紫髪の青年──エアーズ・ジャッジは、ノアの能力すら知っている口ぶりだったのだろう。彼らは大統領の私兵軍団でありながら、正規の軍人でもある。アンゲルスで起きた戦闘を知らないほうがおかしい。


「さて、生け捕りだよな。ッたく、偉大なる大統領閣下にもウンザリだぜ」


 エアーズはノアの口元に手を近づけた。

 その瞬間、


「いってェッ!? んだァ!? まだ意識落ちていなかったか!?」


 ノアは呼吸数を確認するために出された手に噛みつき、その隙をついて羽をエアーズに突き刺す。ノアが口を離した頃、その羽は単なる削器になってエアーズの背中を斬り刻む。


「私が気絶したと思い込めるのは、随分おめでたいな!! さぁーて、分からせてやるよ!!」


 エアーズは背中をえぐられるが、不敵な笑みも忘れない。


「……ははッ。悪いが、タトゥーは入れてないんだ。入れるつもりもない」


 悲鳴ひとつあげず、エアーズは背中に刺された翼を取り出す。気体にナイフを刺せないように、それはあっさり抜けて消滅した。


「それに、痛いのも嫌いでね。オマエみたいなガキ痛めつけると、心が痛むと言いたかったが……!!」


 その瞬間、耳が外圧・内部ともにおかしくなりそうな爆音とともに、空気が淀んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ