表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対法則幼女-ノアちゃんは気に食わない連中を全員〝分からせます〟!!-  作者: 東山スバル
シーズン2 ノア・コーバは、MIH学園の門を叩いた

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/29

23 証拠はない、罪悪感は残る

「……恐ろしい」メリットは呟く。


 アークの身体は、魔力の奔流に耐えきれず高熱を帯びている。まるで湯たんぽでも抱えているような熱さだが、不思議と不快ではない。周囲を見渡せば、裏庭は見る影もなかった。爆撃でも受けたかのように地面はえぐれ、木々はなぎ倒され、三下トリオは黒焦げになってピクピクと痙攣している。


「……信じらんない」


 魔力によるガードを解除したメリットが、瓦礫をまたぎながら歩み寄ってきた。その表情は、いつもの不機嫌そうなものを通り越して、どこか呆然としたものであった。


「あぁ、確かにすげェもの見られた」

「そういうことじゃない」メリットはノアに抱えられるアークを、信じがたいように眺めた。「アーク・ロイヤルといえば、王族出身の癖してランクDの落ちこぼれ。この学園の最底辺に位置する、ナード野郎。それなのに……」

「なのに?」

「〝レクス・マギア〟が使えるなんて」

「レクス・マギア? 王様の魔法ってか? 偉そうな響きだねェ」

「いや、名前負けしないくらい恐ろしい術式なのよ……。私もこの歳くらいのヤツが使ってるのは、初めて見たくらいだし」メリットは身体をわずか震わせていた。「……レクス・マギアは大気にある魔力を吸収して、それを放つ術式。適応者はアンゲルスでも限られてるけど、このナードは自覚なくそれを振るった。末恐ろしい」


 メリットの真剣な口調から、ノアはこれがただ事でないと悟るが、それを踏まえた上で彼女は邪気溢れる笑みをこぼした。


「そうかい。ただ、こんな丸焦げにしたらコイツ退学じゃねェか?」

「それはない。MIH学園は実力至上主義だから、この歳でレクス・マギアを使える化け物を手放すわけがない」

「そりゃあ良かった。根性のあるヤツは好きだからな。裏表がないヤツと同じくらいに」


 ノアはアークを揺さぶり、彼を無理やり起こす。アークは、アーク・ロイヤルは、目を緩やかに開けた。


「……あれ、一体なにが」

「そこの馬鹿どもを見てみろ」ノアは元イジメっ子を指差す。

「え? ノアがやったの?」

「違げェよ、オマエがやったんだろう? なぁ、メリー」

「そうね」

「え……。僕、捕まるの?」

「なーに惚けているんだい。だいたい、こんな馬鹿どもは関係ない」ノアは称賛の言葉を惜しまなかった。「オマエ、大したヤツだな。ヘタレの根性無しとか言って悪かった。二度と言わないよ」

「ぼ、僕がやったの? 本当に?」


 アークは自身の両手を見つめ、わなわなと震わせていた。無理もない。つい数分前まで、彼はただのイジメられっ子だったからだ。それが突如として、学園の広大な裏庭を更地にしてしまうなにかを振るったのだから、脳の処理が追いついていないのであろう。


「あぁ、レクス・マギアってヤツらしい。誇りに思えよ」

「で、でも……こんなことしたら退学だよ!? アイツらが死んでいたら……」


 ノアは長年の勘で、彼らが死んでいないことを知っていた。あと数十分以内に救急搬送すれば、おそらく死なない。そして、この場に意識のある者はノア・アーク・メリットしかおらず、メリットのスマホは充電が切れていて、アークは恐怖のあまり通報という概念が消えている。もう一押しすれば、彼は不良どもが死んでいると錯覚するだろう。ならば……、


「もう死んでいるんじゃねェか? まぁ、防犯カメラも壊れているようだから、証拠はどこにもないみてェだが」唾を呑み込んだアークの目を見据える。「大丈夫だよ、アーク。私の傘に入れ。私ならオマエを守れるし、オマエなら私を守れる。なぁ?」


 メリットは、呆れ気味にノアとアークに目を細めていた。


(……このクソガキ、ナード野郎の弱みを握ってなにするつもり?)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ