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絶対法則幼女-ノアちゃんは気に食わない連中を全員〝分からせます〟!!-  作者: 東山スバル
シーズン2 ノア・コーバは、MIH学園の門を叩いた

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「はっ、魔力もないガキが、あのクールさんとやり合えるわけないだろ」

「そう思うなら、私とサシでやるか? 小指ひとつで黙らせてやるよ」


 雲行きが怪しくなってきたことを悟ったパーラは、


「ちょ、ちょっと待って!! ノイちゃん、メントちゃん、メリットちゃん、みんな落ち着こう?」


 と、平和の呼びかけをする。だが、パーラの言葉が届くことはない。


「やってみろよ!! ガキだからって容赦しねぇぞ!?」

「ギャーギャー吠えるな。負け犬みたいだぞ?」


 すっかり喧嘩モードに入ったノアとメントを見て、パーラは諦観しメリットへ近づく。


「ね、ねえ。ノイちゃんって、ホントにクールさんと引き分けたの?」

「まあね」

「え……。ハッタリじゃないんだ」


 メリットはあの場にいた。だから事実を述べただけだ。


「上等だ!! 裏路地来い! ぶちのめしてやる!!」

「やってみろよ、小物」


 というわけで、ノアとメントはマーキュリーホテルの直ぐ側にある、薬物依存者が寝そべる裏路地に入っていってしまった。


「と、止めなきゃ」

「良いんじゃない? クソガキも本気で殺そうとはしないでしょ」


 *


 それから1分後、


「ッたく、手間取らせやがって」


 ノアは、気絶するメントを引きずりながら表路地へ現れた。

 メントに目立った外傷はない。それどころか、怪我すらしていないようだった。


「の、ノイちゃん、なにしたん?」

「体内電気をいじくってやったんだよ。そうしたら、もうオネムになってしまったらしい」

「それで? この木偶の坊、どうするの?」


 メントはどこか幸せそうな表情で気絶していた。良い夢でも見ているかのように。

 ノアはまたもや溜め息をつき、


「先ほどクールから連絡があった。新しい家の鍵アプリと位置情報が送付されていたから、そこでコイツが目を覚ますまで待とう」

「移動手段は?」

「タクシーでも使えば良いだろ……、あ、諸君らは学生か。ならカネもないな」

「アンタだってクソガキでしょ」

「なら、クソガキらしくカツアゲでもしてくるかな」


 と言い、ノアはメントをパーラとメリットを渡す。

 そして、近くを通りかかった不良風な学生たちにわざと肩をぶつける。そこから先は、思わずパーラが目をそむけてしまうほどの虐殺だった。


「詫び金出せ。肩外れていたらどうするんだ?」

「は、はい!! 申し訳ありません!!」


 そりゃ、幼女に因縁つけられて苦笑いしていたのに、いきなり拳銃を奪われればこんな態度にもなる。


「さて、行こうぜ」


 ノアはさっさと流しのタクシー拾う。


「ねえ、メリットちゃん」

「なに?」

「ノイちゃん、なにかに苛立ってるみたい」

「そりゃ、あの絶壁三白眼に喧嘩売られたらムカつくでしょ」

「いや、それ以外のなにかに」

「……?」

「なんだか、もどかしい感覚があるみたいな、そんな感じがする」

「獣娘の嗅覚でそれを感じ取ったと?」

「ううん」パーラは怪訝そうな顔をしつつ、「だって、初めて会ったときはこんな短気じゃなかったもん。なんなら、私に気を使って暴力性を抑えてたくらいだし」


 確かに、盗まれたカバンを取り返してくれたとき、ノアは愉悦に浸ったような表情だった。

 心底楽しそうに、甘美な贅沢に溺れているかのような顔つき。

 パーラはあのときを思い出し、わずか震える。


「おい、早く来いよ。招待状は渡さないぞ?」


 そんな10歳低度の転生者の心境など、誰にも分からないようになっている。


「まあ、本質的に暴力主義者なんじゃないの?」


 タクシーに近づくわずかな距離で、メリットは淡々とそうつぶやいた。彼女は続ける。


「楽しいから、暴力に溺れていく。自分が負ける可能性だって完全には否定できないのに、それでも暴れることでしか自分を発散できない。そんなところじゃない?」



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