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みずほちゃんに伝えたい

 みずほちゃんに伝えてたい


 空にシャボン玉が、飛んでいる。とてもきれいで、透明のつやつやの虹色の水のまる……(たま)

 

 シャボン玉を、吹く時、あずき先輩のしっぽが、ゆっくりふりふりしてる。


 これは、きっと楽しい時、しっぽが3本だかあずき先輩は、ふつうの3倍楽しいのかも?

 

「で、そろそろシャボン玉やりたいんだけど――! 僕も吹きたいんだけど――」


「ほい、ゆっくり吹けよ」


「わかってる~って」


 僕が、ゆっくり吹くと、つやつやのシャボン玉が飛び出して、飛んでいく。うれしい気持ち。


「シャボン玉は、なんて言うんだろうねぇ~?」


「シャボン玉だろ」


 あずき先輩は、いつもの様に、ベンチを掴みながら座り、顔だけこっちに向けて、僕を見た。そんなあずき先輩のまわりに、僕の吹いたシャボン玉が、たくさん飛んでいる。


「違うの――みずほちゃんこのシャボン玉のきれいさを教えてあげたいの!」


「みずほは、シャボン玉を見た事あるから、凄くきれいだったよで十分だろう?」


「それだけじゃ足りない気がする……凄く、凄くきれいで、つやつやで、色がいっぱいなんだよ!」


「じゃーそのまま言えば? えっと凄く、凄くきれいで、色がいっぱいって」


「つやつやも!」


「あ、つやつやな……」


「あぁ~早く、みずほちゃん帰って来ないかな~早く帰って来ないと忘れちゃうのにな~」


「そうだな、みずほ早く帰ってくるといいなぁ」

 

 僕は、またシャボン玉のストローをふぅ~と、吹いた。猫の時には、見えなかったいろんな色が、シャボン玉の中に現れては消える。このいろいろな事をみずほちゃんに伝えたい。猫の時、伝えられない分、人間になった時は、猫の時の100倍伝えたい。


        ★☆★☆★



 みずほちゃんが帰って来たのは、予定よりずっと早かった。玄関からバタバタと音を立てて帰って来たみずほちゃんは、僕の様子を確認すると――。


「ご神託をくだされました」の後に、「ごめん、友達との遊んでる途中だったから、また行ってくるね」と、言って、またでて行った。


「みずほも大変だな……」

 あずき先輩が、呟いた。


「じゃ行くか……」

 あずき先輩は、ゆっくり立ちあがった。


「えっ、ついて来てくれるの?」


「暇だしなぁ……」


「あずき先輩ありがとう」


「じゃ行こう!」


 1日の1番暑い時間、僕とあずき先輩は街中を歩く、夏の暑さと湿度の高さで、むしむし、じめじめ、お風呂の中を歩いてみたい。


「日傘と水筒が出てくるって、鞄凄いねぇ……」


「これやる、塩せんべい」

 日傘さしてくれてる、あずき先輩が塩せんべいまでくれた!


「うそ!? 人間の時には、おせんべいまで食べられるなんて……凄い」


 僕は、塩せんべいを両手で、高くかかげる。塩せんべいまで出るなら、勉強しなくても、その内に猫用アイスが出てくるかもしれない。


「そろそろ人も多くなったし、稲穂、ちゃんと前を見て歩け……」僕達は、たくさんお店が並ぶ所まで来ていた。食べた事ないものが、いっぱい。


「うん、わかった、じゃーそろそろやろう」


「「熱中症予報に、こまめに水分をとりましょう!」」

 

「「こまめに休憩をとりましょう!」」


 僕の声が街中に響く。僕の声を聞いて、お茶を飲みだした人もいる。僕達は、虫の知らせ屋だけれども、こうやって予防をお知らせして、何もなければその方がいいに決まってる

 

「ねぇ、塩分はいいの?」


「塩分は、人によって加減が難しそうだからパスで」


 うーん人間って、やっぱり難しいかもしれない。後は、小学校と公園を回って、みんなに、お知らせ。

 

 公園のベンチで、蝉の声を聞きながら塩せんべいを、食べた。しょっぱくて、パリパリで、ちょっときっと海の匂いで、美味しい。これもみずほちゃんにお知らせしなきゃ。


 僕は、みずほちゃんのお知らせ屋の猫だから……。


     おわり

 

塩は、いろいろな人が居るから伝える時、必要な塩加減が難しいですよね~(何の話をしてるのやらと、自問自答)


見ていただきありがとうございます。またどこかで~


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