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夏休みの宿題、最後の応援

 小学校の始業式まで、後わずか……。 


 僕達は、一カ月かけたお仕事の最終確認をしにやって来た。場所は、たくさん神社に来てくれるおばあちゃんの家の――孫の太郎くんの部屋。

 僕達は、今、ちゃんと勉強机の前の椅子に座る太郎君の後ろでおやま座りをしている。


「終わった……」太郎くんがそう呟いた!


 漢字の宿題で、たくさん漢字を書いてた太郎君だったが、やっと終わったようだ。


「太郎君、凄――い」僕とあずき先輩は、拍手する。


「太郎君! もう宿題はないか? プリントを確認してみてくれ」そう言った。あずき先輩は、ここへ来る時、「今日で太郎くんの応援はおわりだ」と言った。


「終わってない宿題がまだあるかも?」って僕が言うと……。


「俺達は、きっかけだけしか太郎君に、与える事は出来ないからな。宿題が終わらなくても、それも経験だから……」

 僕は、そんなものか……と、思ったけど……どうなんだろうね? わからないや。


「あっ、自由研究の宿題があるんだった」

 

 プリントをチェックした。太郎君は、立ち上がると一階のおばちゃんの所まで行くと、「自由研究やるんだけどなんか無い?」と、聞いている。


 おばちゃんは太郎くんのお父さんの時の自由研究の話を、太郎君に話して聞かせる。二人が話している横を、ただ僕達は眺めていた。 一生懸命に一緒に考える二人を見ていると、僕達は必要ない事が僕にもなんとなくわかった。


「おばちゃんありがとう! それやってみる!」そう言って階段を上がって行く、太郎君の背中に最後に……。


「「頑張ってね」」

 伝えて太郎君とは、しばしのさようなら。


 僕達と一緒に、太郎君の背中を見守っていた、おばちゃんに声をかける。


「おばちゃん、太郎君の応援は今日で終わり。いつも、扉を閉めてくれてありがとうね」


「神社に来る時は、気をつけてな」


 そう言うと、おばちゃんは扉を開けてくれた。ちょっと不思議。


 扉が閉まる時、おばちゃんが小さい声で……。

 

「今まで、ありがとうね」って聞こえたのは、聞き間違い?


「あずき先輩! あずき先輩! 今、おばちゃんがありがとうって!」


 あずき先輩が振り返ると、風があずき先輩の髪をなびかせ――顔を隠す。


 でも、かすかに見えた口もとが優しくわらっていたように見えのも気のせいじゃないはず?


 思わず立ち止まった僕に、あずき先輩は手を差し出し、二人であるく帰り道。


「俺達には、宿題無くてよかったよな――」と、しみじみあずき先輩は、言ったのだった。


    おわり

 

夏休みの大いなる敵「夏休みの宿題」 


見てくださりありがとうございました。


またどこかで~!

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