#2 学校に行こー!
俺が通う山平高校は家からバスで20分走った所にある。学校の校長は今のところ65年の歴史の中で苗字は全員山平だ。一度問題を起こしたとき、(その問題というのはまた今度…)校長室に行ったら歴代校長の写真が飾ってあったのだが、全員が同じ顔という奇妙な景観だったのが印象的だった。……と、まぁ、話がそれたが、とりあえずレイの入学手続きをしなければならないので、校長室に向かった。
「校・長・室?なんか緊張するね」
「まあね…あっ、来た来た」
ドアが空いて校長が入ってきた。ぽっちゃりしているからか、いつも汗をかいている。
「あなたがレイ君ですか」君付けされてレイは戸惑っていたが、すぐに、
「はい。そうです」
「えっと、谷川君との関係は…」
レイが俺を困った目で見たので、
「従兄弟です」
「あ、そうですか。じゃあ、この書類にサインをしてください。谷川君はもういっていいですよ」
「分かりました。じゃ、レイ、後でな」
「じゃあね、後で」
俺は校長室を後にした……<何となくクラスがざわついているな>教室に入ると、クラスの奴が、
「ジュン、今日、転校生来るんだってよ!」
「あん?……知ってるよ」「さすがっ!情報早いな」
「さすがって?つーか、俺の親戚だぜ?」
「えっ、マジでっ?おいみんな」
またクラスの輪に戻って行った。
そこに、
「おーい、席につけー!」と、お決まりの文句を叫びつつ、担任が入ってきた。「今日はビックニュースがある」
教員陣の中だと若い方の坂部は言った。
<転校生…だよな、ヒソヒソ>
「レイ君入っていいよ」 ガラッとスライド式のドアが空いて、レイが入って来た。ざわざわが一層大きくなった。
「あ、あの、これからお世話になります」
俺とレイの学園生活はここから始まった……
<続く……>