始まり
暗い。
暗い。
真っ暗な部屋。
『皆様!ようこそお越しくださいましたー!私、ゲームマスターのウィルと申します!』
突然聞こえてきた、耳を劈くような、活発な声。
部屋が明るくなる。
『改めまして、人狼ゲーム「Wolf」へようこそ!』
明るさに目が慣れ、声の正体が見える。
モニターの中を自由に動く、小さな女の子だ。
獣の…… 狼の耳を生やしている。
『今回の参加者はこちら!仲良くやってね!』
参加者の顔と名前が映る。
『では次!ルールを説明しまーす!』
直ぐに画面が切り替わる。
後で自己紹介をしろ、ということなのだろう。
『「村人」「人狼」「てるてる」の3つの陣営に分かれます!
「村人」陣営は、村人、狩人、占い師、霊媒師、です!
「人狼」陣営は、人狼、狂人。
「てるてる」陣営は、ま、てるてるだけ!分かった?』
役職の下に、マークが付いている。
役職を簡単に表すものだろう。
『ルールは簡単!人狼が全滅すれば、「村人」陣営の勝ち!
逆に、人狼より「村人」「てるてる」陣営の人数が少なくなれば、「人狼」陣営の勝ち!
そして!てるてるが吊られたとき!「てるてる」陣営、てるてるの一人勝ち!』
女の子…… 否、ウィルは、くるくる回りながら説明をする。
『それでは!貴方の役職は、こちらです!確認したー?確認したら、ドアを開けて、広場に行ってね!案内板あるから、道には迷わないはずです!』
画面には、黒い狼のマークが浮かぶ。
なるほど。自分は人狼だ。
部屋のドアを開け、外に出る。
『あ!1つ言い忘れてた!否、違う、2つ!』
ウィルの声が後方から響く。
『1つ!フードは取っちゃ駄目です!取ったら、強制的に「追放」させていただきますからね!
2つ!勝った際の景品!』
後ろ手でドアを閉じる。
フードと獣の耳が微かに擦れる。
『勝った際の景品は、貴方の命です。』




