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1.プロローグ〜後宮悪妃伝より抜粋

 人の気配に己の宮を出た貴妃は、人影を見つけて近づく。すると落ち葉を踏んだのか、音をカサリと立ててしまった。


「何者か。名を名乗れ」


 そう言ったのは貴妃ではない。対峙し、貴妃を睨んだ殿方だ。


 鋭くも凛とした声主の手には、貴妃の()()で見覚えがある剣。

 冷たく光る抜き身の刀身が貴妃の首に沿わされた。


 その時、雲間から月光が辺りを照らす。


 (そら)に浮かぶ望月(もちづき)が照らすは、藤色の髪。陽光の下で見るならば、殿方の瞳は紫紺色。


 貴妃にとっては随分と遠い記憶()の中でしか見る事の叶わない、さるお方と同じ色。


――この後、この殿方に首を切られる貴妃。更にそのその二日後……。


「あちきの肉ー!!!! 返すでありんすー!!!!」


 貴妃はそう言って懐から金の延べ棒をサッと掴み、(あやかし)の黒い翼を目がけて全力投擲。


「フギャッ」

「んっふっふっふっ。逃しんせんよ、子猫ちゃん」


――空へと逃げそうになった妖を金の延べ棒で地に止め、不敵な微笑みを浮かべて妖に迫る貴妃。


 後に悪妃とその名を轟かせた貴妃の後宮生活は、嘘とも思えるそんな始まりだったとか。



(後宮悪妃伝其の一、序)

ご覧いただきありがとうございます。

いきなり短いプロローグ始まりで申し訳ない。

2日程は連続投稿していくのでご容赦をm(_ _)m

カクヨムにて先行投稿していたのが10万文字超えて新章開始したので、こちらでも投稿開始します。

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