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安倍氏銃撃事件にみる悲劇性

 さてここらあたりで本題に戻りましょう。

 空頭からアタマの先生と三沢選手の事例に共通するのは

「悪意なき支持者のニーズに応じようと頑張った結果、破滅につながった」

 という悲劇性です。

 安倍氏銃撃事件にも同様の構図が見て取れます。


 政治家安倍晋三の基礎は、強烈な民族主義者(歴史劇画『大宰相』第三巻冒頭解説「日米安保改定条約の核心」(早坂茂三)より抜粋)だった祖父岸信介譲りの国家観と、安保闘争で官邸を取り囲み、祖父と大叔父に死を覚悟させた左派勢力に対する憎悪でした。

 この両輪で一致できるなら味方。

 安倍氏はそう見做していた節があります。

 これら味方のニーズに応じ、安倍氏は無理を押してでも次々と政策を実現させていきました。集団的自衛権の解釈変更問題などはその代表例といえるでしょう。

 モリカケサクラ問題はファンサービスが行きすぎた安倍氏の勇み足であり、「そうまでして尽くしてくれる」安倍氏に、シンパはメロメロにされていきます。


 私は安倍氏の強権的な政権運営、いわゆる「安倍政治」は、実は氏が真に意図して生み出したものではなく、結果として生み出されてしまったものと捉えています。

 悪意なき安倍シンパが安倍氏を賞讃し、それらシンパのニーズに応えようとした安倍氏が、頑張って過激な言動に及ぶ。

 シンパは自分たちが望むものを呈示してくれた安倍氏をもっと支持するようになり、安倍氏は固定ファンが離れるのを防ぐために更にそのニーズに応えようとする。 

 最終的に政権は、国会で虚偽答弁すら厭わない強権姿勢を呈するようになる。


 プロレス興行ならそれで良かったかもしれませんが、ことは客商売ではなく政治です。

 民主政治では

「より良い社会を作ること」

 を目的として、

「意見の異なる者同士が、対話を通じて違いを埋めていく地道な作業」

 が欠かせません。

 いわゆる安倍政治からは後者がすっぽり抜け落ちていました。

 実例をひとつ挙げましょう。

 拙著「安倍氏銃撃事件に思う」でも指摘したとおり、安倍氏は令和三年九月十二日に統一教会の会合にビデオメッセージを寄せ、全国霊感商法対策弁護士連絡会は同十七日付で、安倍氏側に対し統一教会との関係を糾問する抗議文を送付し、安倍氏側はその受領を拒否しています。

 安倍氏が、自身と立場を異にする者との対話を拒否したことは、否定のしようがない歴史的事実なのです。

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