story.08 拒絶
story.07の続きです。
よろしければ、お読みください(^^)
九尾の狐
「ん?そうゆうことなら…ここやない場所に零蘭を連れて行って痕跡変えればええんちゃう?」
僧正坊
「それは、名案だ。頼む。寝ている間は霊力が漏れやすいからな。このまま連れていくといい。」
九尾の狐
「あぁ、行ってくるわぁ〜。」
零蘭を抱き上げ、消えた。
九尾の狐
「ここでええやろ。」
【北海道まで来れば大丈夫やろ。】
「うん、ええやろ。」
一瞬で鞍馬山の千年桜の前に戻ってきた。
九尾の狐
「行ってきよった。これで、大丈夫やろ。さっさと、屋敷に戻ろ。」
僧正坊
「早いな。あぁ、息子も呼ぼう。仲がいいだろ。」
九尾の狐
「あぁ、せやな。年も近いし。」
一方、深雪たちは…
岐阜あたりまできていた
葵
「貴人!ゼロの霊力を感知した!」
深雪
「どこだ?」
葵
「北海道じゃ。移動距離がすごいの。」
深雪
「これは…東京に戻る。これは、探すことは難しいだろう。」
輝夜
「あぁ、賢明な判断だ。これは、裏がありそうだ。御神にも話したほうがいい。」
昴
「異議はない。」
自由
「そうですねぇ。早く戻ったほうが良さそうです〜。」
それから数時間がたち真夜中となっていた。
零蘭たちは…
零蘭
【ここ、どこの部屋?…桜の木の下で寝てたのに…】
小天狗1
「起きました?僧正坊様がお呼びです。」
零蘭
「はい?」
僧正坊の部屋に来ていた。
僧正坊
「起きたか。」
零蘭
「おはよう。」(すごく眠たそうにしていた。)
大天狗1
「眠そうだな。」
零蘭
「うるさいなぁ…眠い。」(すごく態度が悪い)
九尾の狐
「あぁ、寝起きが悪いんやね。」
僧正坊
「そのようだ。零蘭、なぜあそこで寝ていた?」
零蘭
「う〜ん、なんでだろう。あれ見てると、お母さんみたいだなぁって思ったから。」
零蘭の発言でその場にいたものが固まった。
僧正坊
「そうか…美奈もあの桜が好きだった。気づけばあそこにいた…懐かしいな。」
零蘭
「お母さんが?」
僧正坊
「零蘭、人間の世に帰りたいか?それとも、こちらにまだ残るか?」
零蘭
「向こう帰る。」
九尾の狐
「なんでや?」
零蘭
「たまにこっちきたい。その時、お母さんの話いっぱい教えて。もう、帰らないと…多分、すごい怒られる。」
九尾の狐
「さよか。じゃぁ、向こうに送るわ。」
僧正坊
「縢匁には我から連絡しておこう。」
零蘭
「かなめ?誰?」
僧正坊
「六道縢匁…陰陽局長のことだ。」
これから、陰陽局長のことは六道縢匁として表記します。
零蘭
「そんな名前なんだ。仲良いの?」
僧正坊
「まぁ、美奈のことでもいろいろな。」
零蘭
「?そうなんだ???」(わかっているようには見えなかった。)
僧正坊
「今、文を書く。少し待て。」
十数分後…
僧正坊
「これでいいだろう。九尾、頼むぞ。」
九尾の狐
「あぁ、わかっとります。」
零蘭
「あ、陰陽局では、本名ダメだから。ゼロって呼んで。」
九尾の狐
「わかったよ。」
九尾が人型となり零蘭のことを抱き上げた次の瞬間、陰陽局の目の前だった。
九尾の狐
「着いたで。」
零蘭
「この移動、どうやってるの?」
九尾の狐
「それは、秘密や。」(ニッコリ笑った)
昴
「誰だ。」(九尾を睨んだ)
九尾の狐
「娘はんを届けに来たんや。陰陽局長に、僧正坊の使いって伝えてくれへん?」
縢匁
「その必要はいらん。九尾よ、ひさしいな。」
九尾の狐
「あぁ、久しぶり。ゆっくり話さへんか?この娘はんのこと。」
縢匁
「あぁ、いいじゃろう。」
陰陽局長の執務室に来ていた。
縢匁
「いなくなったと報告を受けておった。どこにおったのじゃ?」
九尾の狐
「あぁ、僧正坊はんのとこにな。あぁ、これ、僧正坊はんからの文や。」
縢匁が手紙を読んだ。
縢匁
「そうか…大体わかった。ゼロ、これを渡そう。」
縢匁が小さめな6センチほどの羽を零蘭に渡した。
零蘭
「何、これ」
九尾の狐
「ふふふ、娘はんは縢匁はんにも敬語使わへんのやね。」
零蘭
「敬語苦手。」
九尾の狐
「あははは。娘はんらしいわ。」
縢匁
「そうじゃな。その羽は僧正坊殿に繋がっている。それを、握りしめ思いを込めれば向こうから迎えがくる仕組みとなっているそうじゃ。」
零蘭
「すご。」
九尾の狐
「そうやね。まぁ、そうゆうことやからうちは帰るわ。」
零蘭
「うん、またね!」(本心からの笑顔を九尾に向けた。)
九尾の狐
「あぁ、またな。」
九尾の狐が消えた。
九尾がいなくなった途端、零蘭は冷たい目をするようになった。
縢匁
「これが、紐じゃ。これで、首につけておくことが出るであろう。」
縢匁が零蘭に首に羽をつけたネックレスをつけてあげた。
零蘭
「ありがとうございます。」
縢匁
「もう少しで、くるかの。」
自由
「御神、来ましたぁ。ゼロちゃん、行きましょうね。」
零蘭
「うん。」
森羅自由六合の屋敷に戻ってきた。
葵
「ゼロ…お主」
零蘭
「ごめんなさい。もう、寝る。」
自由
「ゼロちゃんの部屋は、2階の右側の1番奥の部屋ですぅ。」
零蘭がいなくなった。
葵
「心を閉ざしおった。」
自由
「そうですねぇ。信用が全くありませんねぇ。ゼロちゃんの目は冷え切っていましたねぇ。」
葵
「そうゆうことだ。いろいろあったからな。しばらく、1人の時間が必要だろう。」
数日後…
零蘭の部屋の前で
葵(扉越しに)
「ゼロ、そろそろ出てきたらどうじゃ。」
室内
「…」
零蘭から返答はなかった。
なぜなら、零蘭は…
僧正坊
「そろそろ、帰らなくて良いのか?」
零蘭
「まだ、大丈夫。」
そう、零蘭は鞍馬山に入り浸っていた。
部屋にいないのである。そんなことを知らない十二天将たちは…
葵
「やはり、何も返ってこんな。」
深雪
「そうか…」
自由
「ゼロちゃん、もしかしたら、ここにいないのかもしれませんよねぇ。物音もしませんしぃ。」
そこにいたもの
「!?」
葵
「盲点じゃった…。すぐに、部屋の確認を!」
美徳
「いないようだな。」
深雪
「鞍馬山だ。」
葵
「だろうな。ゼロが帰ってきたらすぐに調べるとしよう。」
深雪
「それが、最善策だ。ゼロの部屋に必ず誰かがいるようにすること、以上だ。」
その日の夜遅く、零蘭帰って来た。
零蘭
「…えっと、貴人の人。」
深雪
「早乙女深雪だ。すぐに、調べる。もう、逃しはしない。」
零蘭
「ばれたんだ。」(とても、冷め切った無表情であった。)
深雪
「そうだ。すぐに、調べる。」
それから2時間ほどで零蘭の詳細な調査が行われた。
調査が終わり、零蘭は寝ていた。
その間に、会議は行われていた…
深雪
「まずは、各々報告を頼む。」
自由
「はぁい。では、私からは霊力値についてお知らせしますね。規格外ですねぇ。661万2349ですねぇ。」
葵
「やはり、規格外の結果になったか。御神、ゼロ…ゼロの母親の美奈について十二天将は知っていた方がいいと思うのじゃがどうであろうか。」
縢匁
「そうじゃな。共有した方がいいじゃろう。これについては、太陰に一任する。太陰…頼む。」
葵
「わかった。では…」
story.09に続く
登場人物紹介!
陰陽局長について
今まで、名前が明かされていなかった陰陽局長ですがついに僧正坊によって明かされましたね。
名前は、六道縢匁です。
名前が明かされたところで、詳しく説明していこうと思います。
六道 縢匁
72歳・男性。陰陽局長である。
美奈のことを全て把握している。
陰陽局長という役職から、全ての陰陽師の詳細を見る権限がある。
腹の底が見えない…。
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お読みいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに!