story.07 里
story.06の続きです!
前回、零蘭の母をしる僧正坊という登場人物がいました。
全てが謎な人物ですが…これからわかっていくかも?
ぜひ、お読みください。
零蘭
「お母さんを知ってるの?…」
僧正坊
「あぁ、知っている。美奈はよき相方だった。」
零蘭
「どうゆうこと!?」(僧正坊に殴りかかる勢いだった。)
九尾の狐
「まぁ、落ち着き。僧正坊はん、説明よろしゅう。人間の娘、うちの耳と尻尾触ってええから大人しくしぃ。」
零蘭
「わかった。」
零蘭は九尾の狐の後ろにいき、尻尾を触ったり耳を触ったりしていた。
僧正坊
「美奈と我は、眷属契約をしていた。」
零蘭
「へぇ…結構強いよね?天狗のおじいさん。」
僧正坊は髭を生やしたご老体である。
僧正坊
「そうだな。かなり強い。だが、美奈も霊力が強くてとても心地の良い霊力だった。だから、我は眷属契約を結んだのだ。」
零蘭
「見たところ、500万ぐらい妖力あるよね?」
妖力とは妖のもつ霊力のことを妖力という。
僧正坊・九尾の狐
「!?」
僧正坊
【霊力値を見られるということは、目を持っているのか、術なのか、それか…本人の霊力値が多いか…この娘の父親を考えれば…あり得ることか…】
九尾の狐
【ふぅ〜ん、おもろそうな子やな。】(ニタっと笑っていた。)
僧正坊
「娘…零蘭だったか?大きくなったものだ。」
零蘭
「なんで、名前…」
僧正坊
「生まれた時に、我にあっているはずだ。美奈はこの里で子供を産んでいるからな。澪は健在か?」
零蘭
「お兄ちゃんは…殺された!」
九尾の狐
「落ち着きぃ。」(零蘭を抱きしめて自分の腕の中に閉じ込め座った)
僧正坊
「詳しいことは、美奈との約束で話せん。そうか、澪は殺されたか。質問をしても良いか?」
零蘭
「何?」
僧正坊
「霊力値はいくつだ?」
零蘭
「10月から測定不能になったけど…」
僧正坊
「測定不能?」
九尾の狐
「測定不能ってことは、600万以上の霊力を持っとるってことやね。」
零蘭
「そう。まぁ、自分の霊力ぐらいある程度ならわかるけど…多分、650ぐらいだと思う…」
僧正坊
「馬鹿げているな。さすがというべきか…美奈の娘ということだな。零蘭、ここにいて大丈夫なのか?」
零蘭
「知らない。この狐についてきただけ。陰陽師の…十二天将?の家にいたけど…どうせ気にしないと思うし。」
僧正坊
「気にしないとは、どうゆうことだ?」
零蘭
「えっと、2.3時間前だから8時半過ぎかな?妖怪に襲われて、見放されたの…十二天将に。やっぱり、人間なんて大嫌い。」
僧正坊
「そんなことがあったのか。人間が嫌いか?妖はどうだ?」
零蘭
「う〜ん、わかんない。でも、裏切らないと思う。小さい頃から妖が見えたから…色々あったし。」
九尾の狐
「まだ、お昼や。今日、これから一日ここで過ごしてみればええ。」
僧正坊
「あぁ、そうだな。陰陽師の十二天将といえど、東京から京都まではこれまい。そして、ここは現世ではなく常世だ。そうそう、入ってはこれまい。」
零蘭
「そうなんだ?」(よくわからないと言った表情であった。)
僧正坊
「お主の叔母の紗奈が住んでいる世界だ。ここは、鞍馬山…天狗の里だ。」
零蘭
「まだ、よくわかんないけど、わかった!」
九尾の狐
「それ、わかってへんよね?」(苦笑い)
それから、零蘭は好きなように天狗の里で過ごしていた…
少し遡り、早乙女深雪貴人たちは…
会議室にて…
深雪
「由々(ゆゆ)しき事態だ。六合の屋敷からゼロが消えた。自らなのか、誘拐されたのかはわからない。だが、侵入してきた妖はいないに等しい。大妖怪が関与していた場合はわからない。各々自分のできることでゼロの居場所をつきとめろ。」
大妖怪とは、とても力が強く大変危険な妖のことである。
しばらくして…会議室にて…
葵
「ある程度の場所が絞れた。」
深雪
「どこだ。」
葵
「京都付近でゼロの霊力が途切れておった。」
亞夏羽
「京都ですか…東京からですと、かなりの距離がありますね。」
朔羅
「その距離の移動をほんの数分で行ってるんだ…大物だな。」
自由
「えぇ、そうですねぇ。これは、骨が折れそうですぅ。」
深雪
「六合、青竜、太陰、白虎、私で向かう。不在の間、残りのものに任せる。京都への到着は午後5時を予定とする。出発は20分後だ。各々解散!」
零蘭を取り戻すために、十二天将たちは血眼になっていた。
時間は過ぎ…午後4時ごろ
零蘭たちは…
僧正坊
「零蘭は、警戒心というものはないのか?」(呆れていた。)
零蘭は天狗の里にある千年桜(天狗の里の中心部にあるとてつもなく大きな桜。千年以上咲き続けている桜。)の下ですやすやと寝ていた。
九尾の狐
「せやな。せやけど、気持ちよさそうや。」
僧正坊
「あぁ、部下から連絡がきた。こちらに十二天将が5人向かってきている。」
九尾の狐
「零蘭が帰りたいといえば返したらええ。帰りたないと言うたら、返さへんかったらええよ。」
僧正坊
「まぁ、それはそうだが…こじ開ける勢いだ。」
九尾の狐
「入り口を?そないに簡単に開けられるん?」
僧正坊
「いや、開けることは無理に等しい。だが、十二天将が5人がかりとなれば隙間は開けられよう。隙間から1人は入ってこられるからな。入られたら終わりだな。ここに当たりをつけてくる当たり…太陰だな。」
九尾の狐
「太陰?」
僧正坊
「あぁ、九尾は美奈しか関わっていないから知らないのか。太陰は美奈の上司だ。あやつは痕跡を見つけるのが得意だからな。今回も、零蘭の霊力の途切れた場所を当てたのだろう。」
九尾の狐
「ん?そうゆうことなら…」
story.08に続く
妖怪紹介!
天狗
天狗は種族が4つあり、それぞれが独立した存在となっている。
4つの族の族長たちは年に数回集まって、会議している。
種族はあるが、4つの族は地域によって分かれている。
族は違うが、天狗の種類は共通である。
1、鞍馬一族
活動地域:京都府 鞍馬山
族長:僧正坊
特徴:千年桜が象徴である。
天狗の4族の中で1番大所帯である。
そして、力の平均的にも強い。
2、比叡一族
活動地域:滋賀県 比叡山
族長:法性坊
特徴:頭脳明晰なものが多い。
超頭脳派である。
3、英彦一族
活動地域:福岡県 英彦山
族長:豊前坊
特徴:とても好戦的でいつも鍛錬している。
ほぼ全員、がたいがいい。
4、秋葉一族
活動地域:静岡県 秋葉山
族長:三尺坊
特徴:美しさを重視している。
富士山をとても大事に思っている。
上記が各族の紹介である。
次に、種類について。
1、大天狗
とても大柄である。
力が強く、神通力が使える。
ごく一部が大天狗である。
2、小天狗
大天狗よりも小柄である。
力も、大天狗に比べると弱い。
かなりの数がいる。
3、木の葉天狗
術を使うのに長けている。
諜報活動などが得意なものが多い。
4、烏天狗
飛行がうまいものが多い。
5、女天狗
その名の通り、女性の天狗のこと。
女性は、例外なくこの種類となる。
上記で天狗の紹介は終わりです。
今回の新・登場人物紹介!
僧正坊
年齢不明。かなりのご老体。とても力が強い。
過去に美奈の眷属になったことがある。
鞍馬天狗の族長を務めている。
零蘭と澪のことは孫のように思っている。
とても、慈悲深い。
髪は白く、長い髭が生えている。
手にはいつもうちわを持っている。
このうちわは「天狗のうちわ」と呼ばれ、国宝級である。
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お読みいただきありがとうございました!
次回の投稿をお楽しみに!