story.06 九尾
story.05の続きです。妖に親子が襲われ、零蘭が叫んでいるところで終わっていますね。その続きとなっております。果たして、どうなってしまうのか…
よろしければ、お読みください。
楽しんでいただければ幸いです。
零蘭
「あぶなーーーーーーーい!!!!」
楪
『転移』『霧氷』(人が変わったように、前髪をかき上げ危なげな笑みを浮かべていた。まるで、殺人鬼のような。)
転移:転移術・〇〇の省略版。
霧氷:対象物の水蒸気を氷点下(0度以下のこと)にし、対象物を氷漬けとする術。
零蘭
【え、何、この変わりぶり。】
妖1
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!!」(氷漬けとなった。)
楪
「問題ないか?」
母親
「ありがとうございます!!!」
一般人には小物の妖は見えないが、中級程度の力を持った妖の姿は見えてしまう。今回の妖は一般人に見えていたことから中級以上と推測できる。その容姿から、小鬼だとわかった。
妖2(零蘭の後ろから喉に爪を突きつけながら小声で。)
「動クナ。動イタラ、喉ヲ切ル。」
零蘭
「!!わかった。」
妖2
「オイ!陰陽師!!見逃セ!ジャナイトコノ娘殺ス!」
楪
「それは!」
『通信術・貴人』
楪:ゼロちゃんが人質に!!!
深雪:どうゆうことだ!?
楪:妖がゼロちゃんの喉に爪を突き立てています。
深雪:少しでも、誤れば、ゼロの喉を切られ死ぬということか。
楪:はい。どうされますか?
深雪:…うん、逃してしまえ。そのあとを追う。
楪:了解しました。
『通信術・解』
楪
「あなたを、逃します!」
零蘭
「ぇ!?」(絶望しているような顔になっていた。)
妖2
「ギャハハハハハ!ザマァ、ミヤガレ!」
その後、その妖怪のアジトに来ていた。
妖2
「ツレテキタ!コレデ、陰陽師テダシデキナイ。」
妖3
「オー!!ヤルジャネエカ!」
零蘭
【どうして…助けてくれなかったの。どうして…なんで…でも、あの天空の人、術使ってたみたいだし…作戦なのかな…でも!やっぱり、大人はすぐに裏切る…】
妖4
「コイツ、霊力タカイ。タベヨウ」(ニタっと笑いながら)
零蘭
【食べられるの!?早く助けて!!!!】
しばらくして…
深雪
「手を離せ。」
『消えろ。』(妖が消え去った)
説明しよう!!
十二天将には十二天将のみが扱える術があるのは知っているよね?
12個の術が存在している。貴人の扱える術は『言霊』とされている。とても強力な術で霊力が少ないとこの術を使うことは無理である。『言霊』は意思の強さによって左右される。
深雪
「大丈夫か?」(零蘭に駆け寄り、抱き上げた)
零蘭
「…。」
深雪
「この後の予定を変更する。すぐに、六合のところに行く。怖かっただろう。少し、休んでおけ。」
森羅自由六合の屋敷に来ていた。
自由
「首の傷と手足に拘束された痕だけですね。それ以外は何もありませんね。」
深雪
「そうか。」
零蘭
「…」(首の包帯を触っていた。)
楪
「あの、首、痛みますか!?」
零蘭
「別に、痛くない。」(とても冷たい目で深雪たちを見ていた)
零蘭が立ち、外に行ってしまった。
葵
「はぁ…。これは、まずいことになった可能性があるのぉ。」
深雪
「太陰、どうゆうことだ?」
葵
「ゼロの兄は殺されておる。その捜査を打ち切りにしたのは警察のじじぃどもだからの。大人を信じていないのだろう。どうせ、約束も守れない裏切る人とでも思っているのだろう。」
深雪
「そんなことがあったのか。こちらが見逃した時だな。」
楪
「それは、わ、私が…す、す、すみません!!!」
葵
「お主のせいではない。このような子供に育ててしまったこの環境が悪いだけじゃ。」
楪
「そうでしょうか。通信術を使えば…よかったのではないかと…」
その頃、零蘭は…
庭にある池の前にいた。
零蘭
【大人は…裏切る。信じちゃダメ。】
???
「人間の娘、何しとる?」
零蘭
【なんか、綺麗な男の人…。】
「だれ?ここの人じゃない。」
???
「うちのことはどうでもええ。人間の娘、なんでこないな場所で物騒なことを言っとるん?」
零蘭
「また、裏切られた。人間なんて大嫌い。」
???
「ふふ、あんたも人間やろ。ケッタイなことをいぃなや。なんで、人間がきらいなん?」
零蘭
「なんで、妖怪に話さないといけないの?」(すごく睨んだ)
???
「なんで、妖怪ってわかったのか聞いてもええ?」(今まではすごく優しそうな笑みだったが、急に真剣な顔で話し始めた。)
零蘭
「別にいいけど…ここにいたら、消されるよ?」
???
「せやな、せやけど妖怪ってわかるのきみしかいぃひんと思うけど…まぁ、そうやな。場所を移すから一緒に来てもらうことになるけどええ?」
零蘭
「いいよ。どうせ、あいつらなんとも思わないと思う。」
???
「決まりやね。じゃぁ、行こか。」
その人型の妖と手を繋いで瞬きをした少しの間で知らぬ場所に来ていた。
零蘭
「ここ、どこ?」
???
「さぁ?どこやろうな。まぁ、付いてきい。」
早乙女深雪貴人たちは…
自由
「少し、庭に行ってきますねぇ。ゼロちゃんを迎えに行ってきますぅ。」
深雪
「あぁ、頼む。」
しばらくして、森羅自由六合が慌てて部屋に入ってきた。
葵
「どうしたのじゃ?」
自由
「ゼロちゃんがどこにもいません!!!!屋敷のものにも探させていますが…どこにも…」
深雪・葵・楪
「!?」(とても驚いていた。)
深雪
「すぐに探し出せ!十二天将のみで行動とする!」
十二天将たちが慌ただしく行動し始めた…。
そんなことになっているとも知らずに零蘭は………
どこかの山の中であった。頂上付近にある、2本の杉の木の前に来ていた。
???
「目を開けてはいけへん。」
その人型の妖と手を繋ぎそこを通ると、辺りには天狗しかいなかった。零蘭が横を見てみると…
零蘭
「狐?…尻尾9個ある。九尾?」
九尾の狐
「あぁ、そうやで。言ってへんかった?」
九尾になった姿を見て零蘭が目をキラキラしていた。
人型の男性の姿に、耳と9本の尻尾が生えている姿をしている。
零蘭
【もふもふしたい!!!】
九尾の狐
【ん?なんか、すごい見られとる…なんなん?】
九尾の狐
「うち、変なところある?」
零蘭
「ううん、別に…」(ずっと尻尾と耳を見ている。)
九尾の狐
「?…あぁ、尻尾と耳が気になるん?触って見ぃひん?」
零蘭
「え、いいの!?」(すごく目をキラキラと輝かせていた。)
九尾の狐
「あぁ、ええで。せやけど、ある人にあってからや。」
零蘭
「あるひと?」
九尾の狐
「あぁ、そうや。」
それから淡々(たんたん)と、あるお屋敷に向かって歩いていた。
門番1
「何ようだ?」
九尾の狐
「僧正坊はんに会いにきたんや。あの女の娘を連れてきたって伝えてもらってもええかな?」
門番2
「わかった。ここで待て。」
門番の1人が中に入っていった。
零蘭
「ねぇ、大丈夫なの?」
九尾の狐
「あぁ、大丈夫や。少し、待ってればええから。」
零蘭
「うん…」(少し、不安そうにしていた。)
零蘭が不安そうに見ているのに気づき、九尾の狐が零蘭のことを抱き上げた。
零蘭
「うわ!」
九尾の狐
「なんや?そないに、緊張せんでええ。大丈夫やから。」(ニッコリ微笑みかけた。)
門番1
「…確認が取れました。こちらへどうぞ。」
門番に案内されて、屋敷の1番奥の部屋に来ていた。
九尾の狐
「お久しゅう。この娘や。霊力が似とる。」
僧正坊?
「あぁ、この娘が美奈の娘か。」
零蘭
「お母さんを知ってるの?…」
story.07に続く
妖怪紹介!
妖狐
妖狐について説明していこうと思います!
妖狐には1本〜9本まで尻尾を持つ狐が存在しています。
本数は生まれた時から上限は決まっています。
その上限は、本人にも誰にもわかりません。
ある程度の年を重ねると自分の限界の本数がわかるみたいです。
九尾になるには最低でも1000年は生きていると言われています。
1000年以上生きていても九尾ではないものももちろんいます。
九尾になるには、資格、資質、妖力が必要となってきます。
妖狐には種族が9つあります。9つもあるので、まとめ役もいます。
1、族長
妖狐一族の中で1番力の強いものがなる。
2、種族長
9人います。それぞれ九尾が種族長を担っています。
3、それぞれ種族の重役
4、一般妖狐
とこのようになっている。
種族は…
空狐
長命な狐が多く、術に長けている。
エリートがよくいるのが空狐である。
体は白く、尻尾は先に向かって紫色にグラデーションされている。
天狐
神通力を使用できるものが多い。
体は白く、尻尾は先に向かって青色にグラデーションされている。
仙狐
仙術を使用できるものが多い。
体は白く、尻尾は先に向かって緑色にグラデーションされている。
金狐
平均的に霊力が高い。プライドが高いものが多い。
体は白く、尻尾は先に向かって金色にグラデーションされている。
銀狐
高度な術が使える者が多い。美意識が高いものが多い。
体は白く、尻尾は先に向かって銀色にグラデーションされている。
黒狐
闇系の術が得意なものが多い。呪いなど…
体全体が黒く、尻尾は先に向かって白いろにグラデーションされている。
白狐
諜報活動が得意である。
体全体が白く、尻尾も白い。
気狐
武闘派である。
体は白く、尻尾は先に向かって赤色にグラデーションされている。
野狐
農作業とか、ほのぼのしてる。
体全体が狐色で、尻尾は先に向かって白色にグラデーションされている。
上記が妖狐の特徴です。
【天狗についてですが、今回あまり登場していないので次回説明します。詳しく話してしまうとネタバレになってしまうので次回までお待ちください。】
新・登場人物紹介!
九尾の狐
妖狐一族の1人。種族は、空狐である。
人型になった際は、長いであろう髪をかんざしでまとめていた。
関西弁が特徴的である。
いつもニコニコしていて、本心が見えない。
九尾ということから最低でも1000歳は超えていると思われる。
人型の際、髪は銀色であった。目は、淡い紫であった。
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お読みいただきありがとうございました!
色々、情報が出てきましたね!
さぁ、これから妖怪がたくさん出てくるかも???
少しでも興味を持っていただければ幸いです。
次回の更新をお楽しみに!