story.16
大変ながらくお待たせいたしました。
よろしければお読みください。
白帝
「それは、辛かったな。よく、頑張ったな。ちびっこ。」
零蘭
「ちびっこ違う。」
白帝
「俺から見たらお前はちびっこだ。」
零蘭
「何しに来たの?」
白帝
「あぁ、親父が作ってたやつとりあえず1個できたから持ってきたんだよ。叔父上の髭を使って髪飾りを作った。」
その髪飾りは、キラキラしていた。
青色から白色になるグラデーションがかった紐であった。
この、紐で髪を括ることができる。
白帝
「叔父上の体はでかいからな。素材としてほぼ残してある。親父がお前の眷属が決まったら作ると言ってた。逆鱗はピアスにしてある。全部で15セットしかないから大事にしろよ。叔父上の残した素材は全てお前のものだ。お前が使い切るまで白虎一族が厳重に保管すると誓おう。まぁ、素材は、鱗が81枚、ツノが2本、髭が2本、逆鱗、頭の骨、眼、立髪、爪が14枚だな。」
零蘭
「眼?」
白帝
「あぁ、俺たち四獣は死ぬと全身が素材になって子孫のために残すことができるんだ。だから、死んで眼は宝石のように固まる。」
零蘭
「頭の骨は青竜たちにあげて。ピアスも3人に1セットずつあげて。残りは残しておいて必要になったら使う。全部できたら持ってきて。」
白帝
「わかった。眷属に下賜するもの作るか?」
零蘭
「うん。簪2個作れる?女の人と男の人用で2個。」
白帝
「あぁ、鱗とツノを少し使えばできるな。親父に伝えておこう。それだけか?」
零蘭
「うん。もう、帰って。」
白帝
「わかった。ちびっこ、元気出せよ。」
白帝は零蘭の頭をわしゃわしゃとして帰った。
その間、青竜たちはというと…
蒼竜は僧正坊のいる鞍馬山に来ていた。
蒼竜
「僧正坊様、お久しぶりでございます。お伝えしたいことがあります。」
僧正坊
「そうか。全員部屋から出るのだ。」
天狗たち
「わかりました。」
部屋に蒼竜と僧正坊だけになった。
僧正坊
「で、話とはなんだ?」
蒼竜
「父上が亡くなり、零蘭殿がショックを受けられ青竜家で保護しております。その際、人間のことが嫌いだと話しており理由を聞きました。そして、衝撃的な事実が判明したため僧正坊様にお伝えまりました。零蘭殿の言葉そのままお伝えします。
零蘭
『まだ、誰にも話してない、けど…10歳になったとき、あーくん(朝陽のこと)とお兄ちゃんが話してるの聞いた。お母さんが死んだのは殺されたからだって。仕事のせいじゃないって…。で、その犯人が偉えらい人?らしくて、お兄ちゃんは犯人を探してた。そうしたら、お兄ちゃんも殺された!!!!…警察で聞いちゃったの…キャリアのガキは消しましたって…これ、お兄ちゃんのことだから…警察の人間も陰陽師の大人も信用しない!私が陰陽師になるのは、復讐のため!絶対、殺す。』
と。」
蒼竜の言葉を聞き僧正坊は怒りに震えていた。
僧正坊
「許せぬ!!!!!なんて酷いことを!!!!!」
蒼竜
「このことで問題を起こさないでほしいと零蘭殿は申しておりました。」
僧正坊
「わかった。」
月華は…
月華
「巫女様、内密なお話しがあります。2人でお話しできますか?」
巫女
「わかった。2人にして。」
部屋に巫女と月華だけになった。
巫女
「大徳壱、牢を抜け出しぃいきなり帰ってくるなんて何があったん?」
月華
「今はお嬢はんの眷属になって、月華って言う名前やねん。で、青竜はんが亡くなってお嬢はんはショックを受けとる。回復するまでは青竜家に保護されることになったんや。そん時、お嬢はんが人間が嫌いだ言うたん。ほんで、理由聞ぃたらとんでもない事実が発覚したんや。その話をしにきたんや。母親であり、お嬢はんの母親である美奈はんの契約者やった巫女様に。」
巫女
「で?どうゆうことや。さっさと、はなしぃ。」
月華
「お嬢はんが言ったことをそのまま話すわ。お嬢はんは、
零蘭
『まだ、誰にも話してない、けど…10歳になったとき、あーくん(朝陽のこと)とお兄ちゃんが話してるの聞いた。お母さんが死んだのは殺されたからだって。仕事のせいじゃないって…。で、その犯人が偉えらい人?らしくて、お兄ちゃんは犯人を探してた。そうしたら、お兄ちゃんも殺された!!!!…警察で聞いちゃったの…キャリアのガキは消しましたって…これ、お兄ちゃんのことだから…警察の人間も陰陽師の大人も信用しない!私が陰陽師になるのは、復讐のため!絶対、殺す。』
って言ってはった。」
その発言に、巫女は顔を歪めていた。
巫女
「なんちゅうことを。ほんま、酷いことを。零蘭はなんと言うてはる?」
月華
「問題にはしてほしくないて。」
巫女
「わかった。もう、帰りぃ。零蘭を守る決めたんやろ?守らんかったら許さへんで?大徳壱の地位は変わらへん。月華ゆう名前は大切にせぇよ。」
月華
「わかっとるよ。」
東と水龍は…
水龍
「族長様、お久しぶりでございます。」
水龍一族族長
「あぁ、元気にしておったか。険しい顔をしてどうした?」
東
「お久しぶりですね。少々お話があるのです。私は、水龍の付き添いですわ。」
水龍一族族長
「そうでしたか。で?お話とは。」
水龍
「美奈様についてです。美奈様の息子である澪様と同じ病に侵された零蘭様がいらっしゃいました。その治療を終えた後、話をしており話の最中で人が嫌いと零蘭様がおっしゃりました。その原因をお聞きしたところ美奈様と澪様について衝撃的な事実が発覚したためお伝えしに参りました。」
水龍の発言に族長の顔は険しくなっていた。
人型の姿だったが、角や尻尾が出て来てしまうほど感情が昂っていた。
水龍
「そのままをお伝えします。
零蘭
『まだ、誰にも話してない、けど…10歳になったとき、あーくん(朝陽のこと)とお兄ちゃんが話してるの聞いた。お母さんが死んだのは殺されたからだって。仕事のせいじゃないって…。で、その犯人が偉えらい人?らしくて、お兄ちゃんは犯人を探してた。そうしたら、お兄ちゃんも殺された!!!!…警察で聞いちゃったの…キャリアのガキは消しましたって…これ、お兄ちゃんのことだから…警察の人間も陰陽師の大人も信用しない!私が陰陽師になるのは、復讐のため!絶対、殺す。』
とおっしゃっておりました。」
水龍一族族長
「嘘だ…。なぜ、そんなことが。零蘭ちゃんは?」
東
「そちらについては私から話しますわ。お父様の死のショックで回復するまで青竜家で預かることにいたしました。」
水龍一族族長
「そうでしたか。よろしくお願いいたします。美奈の娘なら私の娘同然ですから。」
東
「わかっております。お嬢様は問題を起こさないで欲しいとおしゃってました。」
水龍一族族長
「わかりました。」
全員が青竜家に帰ってきた。
青竜
「戻ったようですね。どうでしたか?」
蒼竜
「僧正坊殿は大変お怒りになっていた。」
月華
「巫女様もお怒りやったなぁ。」
水龍
「こちらも同じです。」
青竜
「みなさんが出払っている間に、れいちゃんの部屋に白帝が来ていたようです。」
東
「そうでしたか。お兄様、口調をそろそろ戻してくださいませんか?」
蒼竜
「兄上、むず痒いです。」
月華
「そうやで?うちに気ぃ使わんでええ。お嬢はんもそう思ってると思うで。寝てはるんやろうけど。」
青竜
「わかったよ。とりあえず、今後のことについて決めた方がいい。」
月華
「水龍はんのことやね。」
東
「意見よろしいですか?お嬢様は、水龍のことをとても気に入っているように私の目には写っております。それは、皆様も同じでは?」
月華
「そうやね。」
水龍
「そんな…恐れ多いです。」
東
「お嬢様には眷属の上限はありません。眷属はいくらいても平気と捉えることができますわ。私は、水龍がお嬢様の眷属になることをお勧めしますわ。」
蒼竜
「東、それは理由があるんだろうな?」
東
「えぇありますわ。月華さんは近距離攻撃が苦手とお見受けいたします。そして、水系統の術が弱点だと推測しておりますわ。ですから、水系統の術が得意で近距離から中距離の攻撃に長けているもか、守備範囲が広く攻撃も水系統に特化しているものがいるといいのではと思ったのですわ。水龍はその名のごとく水系統の術が得意と聞きました。一族の中でも1、2位を争う実力者だと知っているのですよ。水龍の得意とするのは水を操り近距離から中距離を相手にできますわ。これほどの適任者はいないかと。」
水龍
「ですが!!!私のせいで先代青竜様は亡くってしまわれ、白虎様は右目を失明されました。この戦いのショックで零蘭様は部屋に入ってしまわれました。全て私が悪いのです。一生をかけ償っていく所存ですが、このような汚れたみで零蘭様に仕えるなど!!!」
月華
「水龍はん、そうゆうのは無しに考えてくれへんかな?あんたの気持ちはどっちなん?なりたいかなりたないどっちやねん。」
水龍
「なれるのもならなりたいです。」
蒼竜
「それならば、決めるのはお前ではなく零だ。」
それから1週間経った。
story.17へ続く
お読みいただきありがとうございます。
次話投稿についてですが、受験が控えており11月ごろを予定しております。
勉学の方が落ち着き次第、いろいろ投稿させていただきます。
お待ちいただけたら幸に思います。




