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陰陽師 神楽坂零蘭の復讐  作者: 曇珠櫻 妃麗
20/24

story.15

更新が遅くなり申し訳ありません。

よろしければお読みください。

それからしばらくして


月華げっか

「なんや?」

あずま

「どうされましたか?」

月華げっか

「いや、お嬢はんが起きてると思うてたから。」

あずま

「お香をいていますわ。あやかしには効果はありませんが人間には催眠さいみん作用さようがありますわ。ですので、眠っていただいているのです。起きてしまわれたらその後、ゆっくり眠れるとは限りませんので。寝れるうちに寝ていただこうと思いまして。そして、これは私的なことですが…私は零蘭様に一生をちかうと決めましたわ。お父様から零蘭様のお話はいつも聞いておりました。母君をすぐに亡くされてその愛情を受けて来られなかった、と。陰陽師養成特別学校に入ってからの私生活についても話は聞いております。契約けいやくいたしませんがサポートさせていただきたいのです。いざとなれば戦力にもなり得ますわ。」

月華げっか

「それは、うちが決めることやない。お嬢はんが決めることや。お嬢はんに許可をもろうて。」

あずま

「わかりましたわ。」


2時間後


青竜せいりゅう

「ただいま帰りました。れいちゃんは?」

月華げっか

「東はんが見とりますよ。」

蒼竜そうりゅう

「そうですか。眠れているようで何よりです。月華さん、術を。」

月華げっか

「わかっとります。」


月華が水龍に近づき、触れた。


月華げっか

『解』


術が解け、容姿が戻った。

淡い水色の綺麗な長い髪、目には布を巻き付けたままである。


月華げっか

「なんや、目の布は巻いたままなんか。」

水龍すいりゅう

「えぇ、私の目は特殊とくしゅですので。あまり人様にお見せしないようにしているのです。不快ふかいでしたら申し訳ありません。」

月華げっか

「大丈夫やで。」


そのとき、部屋のドアが開き


あずま

零蘭れいら様、月華様ですよ。」

零蘭れいら

「月華…」


その声は弱々しく。寝ていたのにも関わらず酷い顔色であった。

泣きはらしたかような目をしていた。

無気力になってしまっていた。


月華げっか

【これは、相当なショック受けてはるな。どないにしたらええんやろか。かける言葉がわからへん!!】

「どないしたん?」(零蘭を座らせ、抱きしめた。)

零蘭れいら

「おじいちゃん…死んじゃったんだよね?」


零蘭の発した言葉を聞き、全員が黙ってしまった。


青竜せいりゅう

「えぇ、そうですね。れいちゃん、私が父上の後を継ぎ青竜となりました。弟は蒼竜そうりゅう、妹はあずまと言います。東はれいちゃんと共にいたいと望んでいます。どうしますか?」

零蘭れいら

「契約はしない。それでもいいなら。陰陽局の人にお願いしないとだね!」(弱々しく笑っていた)

蒼竜そうりゅう

「そうか、東を頼むぞれい(零蘭のこと)。」

零蘭れいら

「うん。東さん、よろしくね。」

あずま

「えぇ、よろしくお願いいたしますわ。では、私が陰陽局に行って参りますわ。では、行って来ますわ。」


東が消えた。


蒼竜そうりゅう

「心配しなくて大丈夫だ。しばらくは、ここで療養りょうようするといい。兄上もそれを望んでいる。」

零蘭れいら

「うん、お願いします。…そこにいるの、水龍だよね?大丈夫?」


水龍は零蘭に視線を合わせるためにしゃがんだ。


水龍すいりゅう

「えぇ、大丈夫ですよ。ご心配をおかけしました。零蘭様、あなたのご病気をお治しいたしますね。私の目を見てくださいね。」


目に巻いていた布を取り外した。

そこからは、とても綺麗な白に近い水色と淡い紫のオッドアイだった。

その目を見た瞬間…


零蘭れいら

「体、らく。」

水龍すいりゅう

「それはよかったです。」


目に布を巻き戻した。


零蘭れいら

「巻いちゃうの?」

水龍すいりゅう

「えぇ、気持ち悪いでしょう。皆様に不快な思いを抱かせてはなりませんので。」(ニコッとした。)

零蘭れいら

「綺麗だと思うけど…それの何が気持ち悪いの?」


零蘭は、本当にわからないという顔をしていた。

それを見ていた青竜たちは…


月華げっか

【妖にとって、目の色が左右でちゃうのは不吉ふきつとされとる。せやから、目を隠しとるし、本人にとってもコンプレックスに決まっとる。それを、正面から…さすがやな。】

青竜せいりゅう

【昔から変わっていませんね。】

蒼竜そうりゅう

【この娘はなんなんだ?】

水龍すいりゅう

「左右で違うことは不吉とされているのです。ですから、目を隠しています。」

零蘭れいら

「綺麗なのに…もったいない。青竜のおじいちゃんも嫌ってたの?」

水龍すいりゅう

「いえ、零蘭様と同じようなことを先代青竜様もおっしゃられました。あなた様は、四獣の皆様と似ておられるのですね。」

零蘭れいら

「知らないけど…多分、私が人間のことが大嫌いだから。それが、原因だと思う。」


その場にいた全員がびっくりした顔をしていた。


零蘭れいら

「なんで、嫌いなのか不思議なんでしょ?」

青竜せいりゅう

「えぇ、そうですね。父上から聞いてはいましたが、それはショックからだと教えられています。」

零蘭れいら

「まだ、誰にも話してない、けど…10歳になったとき、あーくん(朝陽のこと)とお兄ちゃんが話してるの聞いた。お母さんが死んだのは殺されたからだって。仕事のせいじゃないって…。で、その犯人がえらい人?らしくて、お兄ちゃんは犯人を探してた。そうしたら、お兄ちゃんも殺された!!!!…警察で聞いちゃったの…キャリアのガキは消しましたって…これ、お兄ちゃんのことだから…警察の人間も陰陽師の大人も信用しない!私が陰陽師になるのは、復讐ふくしゅうのため!絶対、殺す。」


そう言い放った零蘭の目には怒りがこみ上げられていた。

言い放った口調はとても冷たいものだった。

そして、この話を聞いていた5人は怒りと嫌悪に震えていた。


月華げっか

「お嬢はん、その話は…本当なんやな?この話、巫女みこ様に話してきてええか?これは、僧正坊そうじょうぼはんにも伝えたほうがええやろな。」(けわしい顔をしている。)

零蘭れいら

「巫女さんと天狗のおじいちゃんだけなら。このことで、問題起こさないで。」

青竜せいりゅう

「わかっています。」

水龍すいりゅう

「私も、族長に話してきてもよろしいですか?族長は美奈みな様の眷属けんぞくでしたので。お伝えしたほうがよろしいと思うのですが許可をいただけますか?」

零蘭れいら

「いいよ。少し、休みたい。」

月華げっか

「部屋に一緒にいこか。」

零蘭れいら

「大丈夫。1人で行く。」


零蘭が部屋からいなくなった。

東が戻ってきた


蒼竜そうりゅう

「俺は、僧正坊のところに。」

青竜せいりゅう

「えぇ、頼みますよ。東は水龍の付き添いで行ってください。月華さんもお願いします。」


各々が行動を始めた。

部屋の中で…


零蘭れいら

「だれ?」

白帝びゃくてい

「白帝。白虎ぎゃっこの息子だ。」

零蘭れいら

「そう。で?」

白帝びゃくてい

「ちびっこ、お前のことは親父から聞いた。お前は、何を目指しているんだ?」

零蘭れいら

復讐ふくしゅう。」

白帝びゃくてい

「復讐?…そうか。覚悟できてるんだな?」

零蘭れいら

「できてる。だから、唯一の親戚しんせきである叔母さんも裏切った。絶対に、お母さんとお兄ちゃんを殺したやつを許さない!!」


零蘭の目からは大量の涙が流れ出ていた。


白帝びゃくてい

「殺された?」

零蘭れいら

「うん。」

白帝びゃくてい

「それは…」


16話に続く

お読みいただきありがとうございます。

登場人物につきましては学業が落ち着き次第まとめて投稿いたします。

それまでお待ちいただければ幸に思います。


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