story.13 悲劇
story.12の続きです。
よかったらお読みください。
その後、皆必死に戦うが
軽傷者 1名
重体 1名
死亡 1名
という結果となる。
白虎
「これは、まずいな。呪いが形をなしている。すぐに取り掛かかろう!」
それぞれが準備を始めた。
元の姿に戻っていった。
呪いが喋り始めた。その声は、とても忌々(いまいま)しい声であった。
現代で言うデスボイスのような声で喋っている感じである。
呪い
「ゴゴガラデデイゲェェェェェ!」
呪いは目を赤く光らせながら青竜たちを襲った。
青竜
「皆、気を引き締めるのじゃ!」
青竜の一言で周りには青竜と白虎、僧正坊の術が行使されていた。
月華
『いろは術・月光』
「今、結界張ったからもう大丈夫や。安心してええで。ここにいたら安心やから。」
いろは術:月華の使う術のこと。月華の一族、空狐の中でも力の強いもの使うことのできる術である。術は多数存在している。種類も豊富。
月光:月の光のように対象を包み込み対象者を守る結界。守護結界の一種。
零蘭
「綺麗…」
月華
「せやろ?」(ニコっと笑った)
それから、戦いは激化していった。
青竜は右腕を呪いに侵食され使い物にならなくなってしまっていた。
白虎も右目を切られてしまっていた。失明になるかどうか怪しい。
呪い
「ハァ…ハァ…オマエラ、ナゼアギラメナイ!!!!」
青竜
「それは、お主がわかっていることじゃ!わしの可愛い子供たちを苦しめおって!お主の核さえ破壊してしまえば終わることじゃ!」
核:呪いには核が存在していて、核はモノによって形と場所が変わる。呪い自体が体内に宿し守っていることもある。呪いが消滅するギリギリまで追い込むと核が光だし体を修復しようとする。その一瞬で核の居場所を特定し破壊しなくてはならない。このことから、解呪は陰陽師の仕事内容の中でも特に危険とされている。死と隣り合わせの任務である。
白虎
「わしが移動を止める!その一瞬をつけ!青竜!」
青竜
「承知じゃ!」
白虎
『鎌鼬術!雷鳴術!合体技・稲妻!』
白虎が鋭い爪を斜めに切り裂く動きをした。その動作と同時に風の刃が具現化され放たれ、雷に打たれたように呪いが一瞬だけ動きを止めた。
白虎
「いまだ!!!!!!!!」
青竜
「わかっとる!これで、最後じゃ!!!!」
青竜が自分の手で核を撃ち抜いた、が…
遠くから見ていた月華が
月華
「青竜様っ!!…お嬢はん、覚悟しといたほうがええで。青竜様…多分やけど、相打ちや。」
月華は悔しそうに声を出した。
その言葉を聞き零蘭は…
零蘭
「う…そ……おじいちゃん!!!!!!!」
月華の結界の中から泣き叫んだ。
そんな姿を見て、月華が零蘭を抱きしめた。
月華
「今回の呪いは最終形態になっとった。相打ちになる可能性は十分あったんや。それが、青竜様て…」(涙を必死に堪えていた。)
零蘭
「おじぃちゃん!やだよぉ!!!!」
零蘭は泣きながら、青竜に近づこうとした。
白虎
「まだダメだ!!!!」(泣いていた。)
数十秒後…
白虎
「もう大丈夫だ。」
白虎が青竜のそばにいた。
青竜は呪いにより体の半分以上は使えない。
最後の相討ちで、腹に大きな穴を開けられてしまっていた。
綺麗になった滝の横で、寝かせられていた。
零蘭が駆け寄り。
零蘭
「おじいちゃん!やだ!!!死んじゃやだよ!!!!!」(泣きじゃくっている。)
青竜を抱きしめながら…
青竜が…
青竜
「れい、ちゃん…泣かないでおくれ…わしは…もう、だめじゃ……わしが死んだ、あと……む、す、こが…青竜…になる…れいちゃんはあっている…はずじゃ…。わしの死骸か、ら…」
だんだんと顔色が悪くなっていき、声も小さくなっていった。
白虎
「わかっておる!作る!」
青竜
「頼む、な。れいちゃん、や、さい、ごに、あえてよかった。」(すごく良い笑顔)
青竜にしがみつきながら
零蘭
「やだ!…やだやだやだやだやだ!!おじいちゃん!!!!!!」
青竜が死亡した。
死亡した瞬間、どこからともなく青い短髪で、吸い込まれるような白い目、そして青い綺麗な着物をきた青年が現れた。
青年
「お亡くなりになられましたか。れいちゃん、お久しぶりですね。大きくなられましたね。」
零蘭
「…あっ」(抜け殻のようになってしまっていた。)
白虎
「あぁ、青竜のところの息子か。零蘭を頼む。月華、頼むぞ。」
月華
「わかっとります。白虎様もはよ治療を受けてください。」
月華が零蘭を抱き上げた。
白虎
「息子呼ぶか。」
数秒後
白虎(息子)
「親父、なんだよ。…って!おい!大丈夫かよ!早く帰るぞ!」
白虎
「その青竜の死骸を持って帰れ。遺言を聞いてやらねばなるまい。零蘭、出来上がり次第持っていくから待っておるのだ。」
白虎(息子)
「わかった。じゃぁな!ちびっこ!元気出せよ!青竜の叔父上も報われないぞ!」
(零蘭の頭を撫でてから、姿を消した。)
白虎家族が帰り…
青竜(息子)
「れいちゃん、陰陽局に向かいます。大丈夫です、父上はれいちゃんに最後を看取ってもらえて嬉しかったと思いますよ。」(悲しそうに笑った。)
零蘭
「私が…病気にならなければ…」(泣いていた)
青竜(息子)
「病気は致し方ありませんから。れいちゃんのせいではないんですよ。それにしても、本当に大きくなられた。」
月華
「いつ会うたんや?」
青竜(息子)
「私はここの守護者の水龍とはよく話しておりました。守護地によく遊びにいらしていたので…美奈様に代わりに水龍と共に面倒を見ていたこともございました。私が青竜の息子であることは黙っておりましたが…」
月華
「そうなんや。あ、寝てもうた。」
零蘭は泣き疲れて眠ってしまった。
青竜(息子)
「まずは、屋敷に向かいます。弟妹たちに伝えなくてはなりませんので。名乗っていませんでしたね、私は長男ですので青帝の名をもらっております。まぁ、妖に個体名はありませんから。生まれた順で名前が決まっておりますので。」
青竜の息子(長男)は以後「青帝」と表記します。
月華
「そうなんやね。」
青竜の家に来ていた。
青帝
「全員集まりなさい。」
そこに青帝と瓜二つの男と女がきた。
男の方は後ろで綺麗に1本に束ねられていた。
女性はハーフアップでお団子をし簪がさしてあった。
青帝
「月華さん、こっちが次男の蒼帝でこちらが長女の東帝です。」
月華
「わざわざご紹介ありがとさん。月華って言います。寝ているのはうちの契約者のお嬢はん。青竜様かられいちゃん呼ばれてる子です。」
東帝
「あら、そうでしたの。よく父から話を聞いておりますわ。ふふ、愛らしいお方ですわね。お洋服に血がついておりますのね、お着替えご用意いたしますわ。」
青帝
「東帝、待ちなさい。報告があります。父上がお亡くなりになられました。水龍の守護地に蔓延していた呪いを解呪なさりました。その際、相討ちとなりこちらにいるお嬢様が最後を看取られました。父上の遺言書を預かっていますので話します。良いですね?」
蒼帝
「父上が亡くなった!?」
東帝
「そうでしたか。お嬢様にはお辛いことだったでしょう。ついにお父様もお亡くなりになられたのですね。」
蒼帝
「兄上!しっかり説明を!」
青帝
「白虎様も失明する可能性があるそうです。遺言を話します。」
story.14に続く
登場人物紹介
青竜
呼び名:青竜
年齢:3000年ぐらい
性別:男
霊力値:測定不能
種族:青竜家
種族階級:四獣 青竜家当主
術派:なし
契約者:なし
零蘭と会った日:8月30日(12歳)
その他:
青竜家の当主である。
しばらくの間代替わりしていない。
青竜家の分家である龍の一族から妻を娶り、
後継を作ってきた。
2人目の妻との間に青帝(後の青竜)が生まれた。
5人目の妻との間に蒼帝(後の蒼竜)が生まれる。
最後の妻である6人目の妻との間に、
東帝(後の東)が生まれた。
名前は代々決まっている。
青、蒼、東、春、木、角、震という風に
最初の一文字は決まっている。
これは、永遠と決まっている。
だが、あまり四獣の子供は生まれない。
500年に1人生まれるか生まれないかである。
白虎
呼び名:白虎
年齢:3000年ぐらい
性別:男
霊力値:測定不能
種族:白虎家
種族階級:四獣 白虎家当主
術派:なし
契約者:なし
零蘭と会った日:8月30日
その他:
白虎家の当主である。
白虎家の分家である人虎族から妻を娶り、
後継を作ってきた。
4人目の妻との間に白帝が生まれた。
最後の妻である7人目の妻との間に、
西帝が生まれる。
名前は代々決まっている。
白、西、秋、金、商、兌という風に
最初の一文字は決まっている。
これは永遠に決まっている。
だが、あまり四獣の子供は生まれない。
500年に1人生まれるか生まれないかである。
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以上で紹介を終わります。
次回もお楽しみに。




