story.11 眷属
story.10の続きです！
大徳壱と零蘭はどうなるのでしょうか…
引き続きお楽しみください。
その数秒後、ひょこっと零蘭がやってきた。
大徳壱
「！？何してん！？ここにいたら、怒られるで！」
零蘭
「巫女って人の後、ついてきた。会えた！大丈夫？」
零蘭は、淡々とした口調はいつも通りだが表情から心配しているのが伝わってくるほど大徳壱のことを心配していた。
大徳壱
「なんや。」
零蘭
「ここから、一緒に出よう！大徳壱が何をしたとかそうゆうの興味ないから。私は、大徳壱じゃないと契約したくない。まぁ、大徳壱が良かったらだけど。こんな、暗くて狭い場所…悲しいから。」
大徳壱
【！…一緒に出よう、か。美奈さんによう似とる。あぁ、せやから惚れてもたんかな。娘はんの眷属になりたいなぁ。せやけど、迷惑かけることになるから…無理やけど。】
零蘭
【きっと、無理とか考えてるんだろうな。】
「大徳壱が何考えてるか知らない。でも、迷惑とかそうゆうの後で考えればいいと思う。私が、1人で寂しくなってた時に助けてくれたのは大徳壱だから。大徳壱は、優しいよ。だから、私は、眷属にしたいって思った。」
大徳壱
「娘はんはすごいな。こんなうちで良ければよろしゅう。」
【こんなうちでも必要としてくれる。この子は守りたい。大事にする。この暗闇から救い出してくれた一筋の光…命に変えても守りたい。】
零蘭
「眷属契約…呪文知らない。」
大徳壱
「本名あるやろ？それを、術の中に入れるんや。」
零蘭
「…わかんない。」
大徳壱
「まぁ、そのうちわかるやろ。」
零蘭
「わかったらくるね。」
それから、3日後の夜中
零蘭
「ん…？まだ、夜。つき？…！」
【何これ、頭の中に呪文みたいな…！今ならできるかも！】
零蘭は地下牢に向かって走り出していた。
地下牢につき
大徳壱
「なんや？」
零蘭
「できた！こっちにきて、跪いて」
牢屋の柵の手前まで来て、大徳壱は跪いでいた
零蘭
『月の神より零れし光の名、月光なり。その光より導かれし場所の名、安楽浄土。月光で照らされる坂、見事なり。その坂で育ちし花、胡蝶の蘭なり。我の名は示された。我と契約せしもの、我の前に跪くもの、そのものたちに名を与え、我の眷属となす。大徳壱に、「月華」の名を与える。（おでこにキスをした）以上で契約完了とみたす。』
眷属契約術は、個人で術の内容が違う。契約術の中に本名の漢字を組み込み真名で縛ることができる。真名で縛ることでより、強力な関係となるからである。地下牢が明るくなり、零蘭たちが照らされていた。胡蝶蘭の花も散っている様な術であった。
ここからは、大徳壱は月華と表記します。
月華
「なんで、月華なん？」
零蘭
「月の光って意味らしいよ。青竜のじいちゃんが言ってたから。初めて会った時、月の光に照らされてたし。」
月華
「あぁ。まぁ、よろしゅうな。」
零蘭
「うん、ここから出よう。」
月華
「あぁ。」
月華の手から青い炎が出てきて、牢をぶち破った。
月華
「行こか。」（零蘭を抱き上げた。）
次の瞬間には青竜の滝に来ていた。
青竜
「ゼロちゃん、やはり大徳壱を眷属にしたのじゃな。」
零蘭
「うん。」
白虎
「名前は？」
月華
「月華や。」
青竜
「なんじゃ、わしが教えた言葉じゃの。」
零蘭
「うん。なんとなく、イメージに合ってたから。」
白虎
【月華とは、すごい名だな。月の光…か。大徳壱には似合わぬ名前だな。】
「なぜ、月華なんだ？」
零蘭
「初めて会った時、月の光に照らされて月華がきたの。それで、おじいちゃんの言葉思い出して…月華だなぁって思ったの。で、名前つける時に思い出したから月華。」
白虎
「意図せず、その名前にしたのか…」
零蘭
「ん？」
月華
「ええねん。分からのうて。」
零蘭
「うん。…眠い。」
青竜
「まだ、あやつらは寝てる。ゆっくり朝まで休むと良いじゃろ。」
零蘭
「うん…」
零蘭が奥に行き、眠りについた。
白虎
「やはり、お主を眷属にしたか。」
月華
「やはりってなんや？」
白虎
「青竜と話していてな。」
青竜
「零蘭について、お主も知っておいたほうがいいじゃろう。この書類を読むのじゃ。詳細事項が書いておる。」
青竜から書類を渡され、月華が全てを読んだ。
そこには、零蘭のこれまでの人生と家族について記されていた。
月華
「…これ、悲惨すぎるやろ。」
玄武
「月華や、零蘭には暖かさが足らないのだ。家族愛が足らない。優しく愛を注いでくれいた家族は殺されていた。そして、大人に騙され生きてきた。零蘭は兄が殺されてから人を信じなくなっている。妖怪の方が人間より優しく信じるに値すると考えているからな。」
白虎
「玄武、いきなり現れない方が良いぞ。まぁ、玄武が言っている通りだ。零蘭には身近に絶対に裏切らない人が必要なんだ。」
月華
「娘はんを…お嬢はんを裏切る様なことは絶対にせぇへん。お嬢はんはうちにとって光やからな。」
青竜
「お主にとって光はれいちゃんか。」
月華
「そうですね。」
白虎
「我々は零蘭には幸せになってほしいのだ。そして、零蘭は人間よりではなく妖怪側の気持ちを汲み取れる優しい子だ。あの子の周りに、あの子の利となる妖怪を眷属にしてほしいからな。」
青竜
「欲を言えばじゃが、陰陽局本部の最深部にいる妖を助け出してほしいんじゃがな。」
白虎
「あぁ、青竜の部下か。」
青竜
「あぁ、そうじゃ。」
白虎
「なぜ、部下は囚われている？」
青竜
「呪いじゃ。呪いがあやつを…」
玄武
「それは致し方ない。」
そして、朝になり…
葵
「なんじゃ、帰ってきおったのか。」
月華
「おはよう。」
深雪
「まさかとは思うが…」
昴
「ゼロと契約したのか？」
月華
「せやで。」
白虎
「驚いているな。」
そこに、零蘭が眠たそうに起きてきた。
零蘭
「おはよ…月華…」
眠たそうに、月華の方にフラフラと歩いて行った。
月華
「なんや？」（零蘭と目線を合わせるためにしゃがんだ。）
零蘭
「月華…」（月華に抱きついた。）
月華
「なんやなんや。」（零蘭を抱き上げた。）
玄武
「なんだ？小娘の様子が…」
月華
「お嬢はん…！熱あるやん！！」（零蘭のおでこを触った）
すぐに、処置がされていった。
青竜
「これは、まずいの。魔力と霊力がぶつかり合っておる。これは、まずいことになったの…。」
昴
「この症状は、」
深雪
「これは…」
葵
「この治療は…」
story.12に続く
新登場人物はいないので紹介はありません。
零蘭について、詳しく書いていきます。
神楽坂 零蘭
1話：12歳
現在：13歳
性別：女性
霊力値：650万以上（不確定）
身長：147cm
体重：41kg
誕生日：1月17日
父：澪→悪魔の王 ルシファーまたは別名サタン
令→精霊六大王 ウンディーネ
零蘭→天使の王 ミカエル
母：神楽坂美奈（陰陽師時代→美波はる）
長男：澪（享年：24歳 警察官）
次男：令 （存命：19歳）
眷属：妖狐一族大徳壱九尾（月華）
その他：人間を信用していない。今では、拒絶している。妖と人間では態度の差が激しい。妖には本性（または本音）を出しているが、人間相手には固く心を閉ざしている。母親を幼い時に失った悲しみ、そして兄を殺され、警察全体から見捨てられた絶望感と強い遺恨がある。兄の死の真相を知るために奮闘している。
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今回は以上となります。
お楽しみいただけましたでしょうか？
少しでも、面白く感じて頂けたら幸いです。
学生の身のため、連載頻度は落ちますが暖かい目で見て頂けたら幸いに存じます。
これからも、よろしくお願いいたします。
次回もお楽しみに！
