story.10 巫女
story.09の続きです!
ぜひ、ご覧ください。
青竜
「ゼロちゃんと合う妖一族は、妖狐一族、鞍馬天狗一族が最初はおすすめじゃな。妖ならどの一族でも大丈夫じゃ。そして、会いに行くのは面倒だと思い鞍馬の若造と九尾の若造は連れてきておる。」
九尾の狐と天狗が姿を現した。
九尾の狐
「あぁ、よろしゅうな。」
大天狗1
「僧正坊の息子だ。よろしく頼む。」
零蘭
「もふもふ…」(九尾の尻尾を見ていた)
九尾の狐
【う〜ん、なんやろう。また、かいな。触りたいんかな?】
「触る?ええよ。」
九尾の狐が言った瞬間に零蘭が飛びついた。
それを見ていた十二天将はびっくりしていた。
九尾の狐
「ほんまに甘えん坊さんやなぁ。」(優しく零蘭を撫でていた)
青竜
「そうじゃの。ゼロちゃんや、どうするんだい?」
零蘭
「どうしよう…」
話していると、白い虎がやってきた。
白虎
「久しいな人間の娘。」
零蘭
「久しぶり。ねぇ、どうすればいいと思う?」
白虎
「眷属のことか?」
零蘭は九尾から離れて白虎の近くに行き、耳や尻尾を触っていた。
零蘭
「うん。妖狐か天狗。」
白虎
「僧正坊に聞くといい。きっと、良い助言をしてくれるだろう。」
零蘭
「わかった。じゃぁ、鞍馬山行ってくる!」
青竜
「あぁ、それがいいじゃろう。あぁ、先に言っておくが、十二天将は一緒に行くでないぞ。美奈の件があるからな。」
深雪
「……わかりました。」
零蘭
「じゃぁ、行ってくる。」
大天狗1
「じゃぁ、その父上の羽を握れ。」
零蘭
「うん。」
零蘭が羽を握った瞬間に九尾と大天狗、零蘭が消えた。
白虎
「どうやら、無事に行けたようだ。」
青竜
「そうじゃな。」
葵
「いつ頃、帰ってくるか青竜様たちはお分かりになれるかの?」
白虎
「わからないな。候補が見つかるまでだろうな。」
昴
「どこで、待つか…」
青竜
「ここで待つと良い。幸いに、人間も寝泊りできるようになっているからの。」
滝の後ろに行くと、大きな家となっていた。
零蘭たちは…
僧正坊
「零蘭か。どうした?」
大天狗1
「父上、青竜様と白虎様から眷属について助言をもらうようにとのことでした。」
九尾の狐
「青竜様と白虎様から、妖狐か天狗がええやろとは言われとる。せやから、どっちがええか助言が欲しいって感じやな。」
僧正坊
「そうだな。零蘭、適性は何が出ていたか聞いていいか?」
零蘭
「知らない。」
僧正坊
「はぁ…」
九尾の狐
「あははは。ほんに、娘はんは自分のことに興味がないんやね。適性は、捕縛術、結界術、眷属やったかな?」
僧正坊
「そうか…攻撃力がなく防御力に特化しているか。」
大天狗1
「そうです。」
零蘭
「へぇ、そうなんだ。」
僧正坊
「それは、知っておけ!」(零蘭の頭をわしゃわしゃと撫でた)
零蘭
「うわぁぁぁ!やめれ!」
わしゃわしゃと撫でるのをやめた。
僧正坊
「零蘭には、攻撃力が足りないな。妖狐一族の攻撃力をもらうのがいいだろう。天狗は、空中戦だからな。」
零蘭
「わかった。じゃぁ、連れてって?」
九尾の狐
「あぁ、ええで。あ、うちのことは…まぁ、あれやな。大徳壱様やね。」
以下から九尾の狐は大徳壱と表記します。
零蘭
「何それ。」
大天狗1
「妖怪には名前がない。その代わり、役職で呼ばれる。」
零蘭
「へぇ、そうなんだ。わかった。大徳壱様ね。」
大徳壱
「あぁ、そうや。じゃぁ、行くで?」
次の瞬間には、妖狐の里に来ていた。
零蘭
「うわぁぁ!」(目をキラキラさせていた)
大徳壱
「堪忍な。」(零蘭を抱き上げた)
零蘭
「うわ!」(びっくりしていた。)
その後、里をゆっくりと歩いていくと…
狐多数
「きゃーーーーー!大徳壱様よ!!!!」
零蘭
【すごい、人気…】
大徳壱(すごく小声で)
「ほんまに、邪魔くさいな。地位が欲しいだけやろ。」
零蘭
「どうしたの?」
大徳壱
「ううん。なんでもあらへん。いこか。」
里の中心にある、お城の最上階に来ていた。
大徳壱
「お久しぶりですぅ、巫女様。」(綺麗に座っていた。零蘭は横にいる。)
零蘭
「…」
巫女
「妾は、巫女や。そこの大徳壱は息子や。美奈の娘の零蘭やな?」
零蘭
「なんで、名前…」
巫女
「それは、妾が美奈の眷属やったからな。僧正坊から知らせは来とる。妖狐一族から選ぶのやったな。この広間におる妖狐から選ぶとええやろう。力も強いからな。やけど、そこにおる愚息は薦めへん。こいつと契約してもええことなど何もあらへん。地位だけはあるが、問題児やからな。問題を起こして逃げたと思うたら…美奈の娘を連れ帰ってくるなんて。戻ってきたからには、罰は受けてもらう。地下牢にブチ込むのや。これは、命令や。」
大徳壱
「やっぱり、そうなるんやね。じゃぁね、娘はん。」
大徳壱が連れて行かれてしまった。
巫女
「これで、ゆっくり選べるやろ。」
一気に、零蘭の表情が曇った。
零蘭
「大徳壱様は、何をしたの?」
巫女
「愚息は、大徳壱っちゅう地位に溺れ、人間との間に問題をようさん起こしたのや。人殺し、生贄、神隠しなどな。そのせいで、陰陽師が妾たちの里に押し寄せたのや。許されるわけがあれへん。」
零蘭
「そうなんだ。でも、」
巫女
「美奈のおかげで円満に収まった。やけど、罰を下さへん訳にはならへん。せやから、地下牢に閉じ込め何も与えへんかったのや…気づいた時には、いなくなっとった。かれこれ、20年以上前の話やけど。」
零蘭
「どのぐらい閉じ込めてたの?」
巫女
「2、3年や。」
零蘭
「!今回は?」
巫女
「無期限や。まぁ、愚息のことは気にしのうてええ。ここにおる、妖狐から選ぶとええ。」
零蘭
「うん…」
それから、半日ほどいろいろな妖狐と話した。
巫女
「どうや?選べたか?」
零蘭
「ううん、まだ。」
巫女
「さよか。まぁ、何日でもここにいてええから。しっかり選ぶんや。」
零蘭
「うん。」
それから、1週間ほど経っていた。
大徳壱は…
大徳壱
【はぁ、またか。水しか貰えんかって、数日に1回しか食事も出ぇへん…抜け出したい。】
地上に繋がる階段の方から、コツンコツンと誰かが降りてくる音が聞こえた。
巫女
「今回は、大人しい様やな。」
大徳壱
「なんや?嫌味でも言いに来たんか?」
巫女
「いや、零蘭について話そうと思うてな。まだ、眷属を決めていひん。ワレ(大徳壱のこと)と別れてからはどこぞ上の空や。ワレに会いたいと常々(つねづね)呟いとるのを聞いとる。」
大徳壱
「さよか。娘はんが会いたいと言うても、会わせる気ないやろ?」
巫女
「せやな。まぁ、大人しくしとくんやな。」
巫女様がいなくなった。
その数秒後…
story.11に続く
九尾の狐が大徳壱と呼ばれていました。
狐の階級についてお教えします!
1 巫女
2 大徳
3 中徳
4 小徳
5 大仁
6 中仁
7 小仁
8 大礼
9 中礼
10 小礼
11 大信
12 中信
13 小信
14 大義
15 中義
16 小義
17 大智
18 中智
19 小智
20 民
巫女は1人しか存在しない。族長のことである。
20 の階級があるが、その中でも階級に数字を足した呼び方をしている。
大徳壱は大徳と壱という感じに呼ばれている。
数字は、その階級でのランクである。
新・登場人物紹介!
巫女
妖狐一族の族長である。
大徳壱の母親である。
とても厳しい。美奈の眷属だった。
以上で紹介は終了です!
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今回もお読みいただきありがとうございました!
次回の更新もお楽しみください。




