1話 魔法陣…え?
初めまして、焼き塩せんべいと申します。
この作品はあらすじにもあった通り、かなり出来の悪い作品となっております。
ですので、その旨をご了承頂いた上でお読みください。
どうかよろしくお願いします。
//12.28:上位権限者の名称が確定したため、伏字の文字数を変更しました
「あれー? おかしいなー。このクラスにそんな奴いたか?」
俺こと『不知火 悠』は一人『魔法陣』の上で阿呆なことを考えていた。
そう、『魔法陣』があると言うとはこれから起るであろうイベントはただ一つ。
ヲタクならだいたい察するだろう『異世界召喚』だ。
そもそも召喚なんてファンタジーな物が起こると考える方が早計だが、足元に光る白い魔法陣、突然無重力になる空間、バリバリと剥がれる壁や床、こんなものを見たら政府の陰謀説なんかとてもじゃないが考えられない。
勿論そんなヲタクじゃない人は何事かと混乱するばかりだし、ヲタクも現実味の欠けらも無いことがいきなり起きたからか混乱している。
そして俺が考えていた阿呆な事だが、
・俺はボッチでもなく、虐められてもない。
・同じクラスに正義感の強い奴はいない。
という至極どうでもいい、と言うか半自分語りですらある内容だ。
察しのいい人なら分かると思うが、そう、このクラスには所謂『主人公キャラ』が居ないのである。
奈落の底に落ちて化け物になって帰ってくるかもしれない虐められっ子も、何かキラキラしてて正義感が馬鹿みたいに強いリーダー気質のやつも居ないのである。
だからこそ、「もしかしてミステイクされたのかな?」なんて考えも浮かんでくるんだが…
とまあこんな風に無駄な事に時間をかけていたせいでもし何かあった時への警戒が出来なかったよ。
«ステータスをインストールします…成功»
«続けて、個体:不知火 悠の要望を確認します»
ああもう、どうせなら、『こんな馬鹿でもなんでも出来る位頭が良かったら』なぁ。
…て、ん? 今なにか聞こえたような…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
個体:不知火 悠の要望を確認しました
伝説級スキル<叡智>を付与します…成功
条件達成により称号「転移者」を獲得しました
///ERROR///
上位権限者からのアクセスを確認、以降の操作は『■■■■■■』に委託されます
神話級スキル﴾■■﴿を付与します…失敗
リソースが不足しています
個体:不知火 悠のパラメータを還元し、リソース不足を補います
再試行…成功
条件達成により称号「理想の追求者」を獲得しました
処理結果を偽装し、以降の処理を通常処理に戻します
プロセスの正常な完了を確認、マザーに通達します
これより、対象計18人の世界間転移を開始します
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…え?
いや、待ってくれ。なんだ今の。
スキル? エラー? ゲームか何かか?
いや、ちょ、ヘルプ機能ないのこれ!?
エラーとかアクセスとか、何があったんだ!?
そんな無駄な事を考えているうちに魔法陣は回転を初め、やがて目も開けていられないほどの光を発し、俺は気を失った。
そして、目が覚めたのは──
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この日、とある田舎の高校の一組の教室から、その時残っていた計18人の生徒が忽然と姿を消したという、今世紀最大の神隠しが発生したという。